お小遣い制についてのまとめ

はじめに

私の家庭では夫婦同額お小遣い制を採用しています。導入や運用にあたっての考え方をまとめてみました。

家計のあるべき姿

- 健全な家計をつくる最も重要な基礎は、夫妻の信頼関係である。
- 家族の日常の生活費や、将来のための貯蓄は家計として管理する。
- 家計は家族のものであり、夫や妻のどちらか一方のものではない。日常的に家計を管理するのは得意な方がやれば良いが、管理者=所有者ではない。
- 家計の情報(所有資産、収入、支出)は可視化し、夫妻両方がいつでも見られるようにする。家計管理を担当しない人も、所有資産と毎月の収入・支出はざっくり知っておく。
- 家計としての貯蓄は天引きで行う。生活費の残りを貯蓄するのではなく、貯蓄した残りで生活することを心がける。天引きで貯蓄した上で生活費が余るならば、それは使ってしまえば良い。
- その前提として、家計として適切な貯蓄額を夫妻で合意する必要がある。少なすぎてはいけないが、多すぎるのも考えものである。

お小遣い制に対する考え方

- お小遣い制は、お金の使用量を縛るためのルールではなく、お金の使い方の縛りを無くすためのルールである。
- お金の使用量を縛るものの正体はお小遣い制ではなく収入である。お小遣い制を導入してもしなくても、個人として使って良い金額は本質的には変わらない。タガを外して使う金は家族の未来からの借金である。
- 家計とお小遣いは明確に分け、夫妻両方をお小遣い制とする。お小遣い無しは、生活費と個人消費の混同を招く。例えるなら、家計という会社があり、家族の稼ぎは会社の売上、生活費は会社の経費、お小遣いは社員への給料。
- お小遣いは使途不問金なので、相手のお小遣いの用途金銭的な理由(もったいない、無駄遣い等)で縛ることはしない。
- 金銭的以外の理由で縛ることはあり得る。たとえお小遣いで払うつもりでも、いかがわしいお店に行ってほしくないという相手の気持ちは尊重したほうが良い。
- 用途ではなく使用量を縛ることはあり得る。許容されたお小遣いの金額を超えた個人消費はすべからく注意される。
- ただし、買いたいものを買うべきタイミングをお小遣いによって縛る必要はない。お小遣いの残額がなくても今買うことに重要な意味があれば前借りして買えばよい。お小遣いにおいて重要なのはトータルの使用量である。
- 家族のための貯蓄は家計から出す。お小遣いが残るなら自分のためだけに貯めておけば良い。家族のために貯蓄しなくて良いし、相手にもそれを期待してはいけない。

お小遣いの金額

- 収入を家計に入れる方式は大きく2つに分けられる。
 ①収入を全額家計に入れて定額のお小遣いを払い出す方式
 ②収入のうち定額を家計に拠出して残りをお小遣いとする方式
- 家族として生活するならば、①が望ましい。これは収入と家計の透明化のためである(会社と社員の例えを思い出そう)。②の方式は家族というより同居人に近い。
- 原則としてお小遣いは定額が望ましいが、残業等により毎月の収入が変動する場合、夫婦間の合意のもとでお小遣いを増額する等の対応は良い(例えるならボーナス)。
- 夫妻のお小遣いの金額は両者が合意すれば何でも良いが、片働きでも共働きでも同額にするのがオススメ。家庭内においては金を稼ぐだけが家庭への貢献ではない。

家計とお小遣い制の運用

- 家計用の銀行口座(生活用1つと、貯蓄用1つ以上。貯蓄用は証券口座でも良い)と、家計用のクレジットカード(家族カードを作れるもの)を用意する。
- 原則として、家計のものは家計用クレジットカードで決済するのが望ましい(というか楽)。
- サイフの中の現金、プリペイドカード、キャッシュレス決済のチャージ、家計口座以外の口座はお小遣いの範疇とする。逆に言えば、個人のお小遣いとして保有するお金は現金、プリペイドカード、チャージ等の各残高の合計となる。
- ただし、お小遣い用途のクレジットカードを作るのは禁止。お小遣いを前借りして良いのは家計からのみとし、外部からの前借りは許可しないものとする。
- スプレッドシート(Excel, Google Docs, Numbers等)でお小遣い精算台帳を作り、お小遣いの支給額、立替え額、前借り額などを一元管理する。(精算台帳のおすすめフォーマットはそのうち出せたら・・・)
- お小遣いの支給や、家族間での現金移動などは精算台帳に数字を入力するだけである。
- キャッシュレス決済の高還元率など、お得な決済手段は生活費、個人消費に関係なく効果的に活用すれば良い。お小遣い(現金・Suica・スマホ決済・Amazonギフト等)から生活費の買い物をしたり、家計用クレジットカードで個人用途の物を購入したりすることはしばしばある。この場合は、立替えた金額をお小遣い精算台帳に記入して対応する。
- 家計用クレジットカードの明細は夫妻双方がいつでも見られるようにしておく。明細発行時には相互チェックするとよい。
- お小遣いから生活費の買い物をした場合、精算台帳に記入しないと個人の自腹となることに注意する。もっとも、それで困るのは記入し忘れた本人だけだが。
- 家計として取得した商品券・優待券・クオカード等は転売して家計に入れるか、額面から数%(転売レートに基づく)割引いて個人が買い取ると良い。個人のサイフに入ってしまえばお小遣い扱いとなり、家計から複雑さを消すことができる。


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