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#2.声帯に結節ができたらどうする?

※あくまで個人の体験です。お医者様の診察を受けた上で参考になさってください。

 シンガー平山照理です。約25年毎日ステージに立つショークラブ歌手をやって来ました。その中で声帯を壊した体験を皆様と共有することで、声で悩んでおられる方のお役に立てればと思います。

20〜30代、毎日歌うという仕事で、結節に悩まされました。

今でこそ、お薬を処方してくださる、耳鼻咽喉科の先生が至る所で開業されていて、カメラで声帯を診てくださるのが当たり前になっていますが、私の時代は、声帯専門の病院は都内で一箇所しかありませんでした。

まず指摘されるのは、体の疲労。声帯も体の一部なので、体の疲れをとれば、早く治ります。ビタミン注射をして頂いたりもしました。その他、飲み薬はなく、吸入が主でした。家で吸入できるように吸入器を購入、薬も入れられるもので一万円ほどで購入できます。

結節の症状で顕著なのが、息が続かなくなることです。ペンダコのように、声帯の当たる部分に突起ができるので、声帯自体が綺麗に閉まらなくなります。隙間ができてしまうので、いつもより空気が漏れます。よりたくさんの空気を使うので体も疲れます。息切れするような感覚です。よって、ボリュームが出ません。掠れてくるので、綺麗な声にもなりません。それに、声が出にくく、歌いにくいと感じます。こんな症状の時は、すぐにお医者様を、受診してください。

自分でできることとしては、水分を頻繁に取ること。のど飴を舐めるのもいいですね。寝ている時に、口を開けて寝てしまう方は要注意です。ガーゼのマスクをして寝ることをお勧めします。夏だと暑くて鼻まで覆えないと思うので、鼻を出しても構わないと思います。冬ですと加湿器が絶対に必要です。空気が乾かないように気をつけてください。

付け加えて、私が1番大事だと思うのが話し方です。

大学時代を大阪で過ごしたので、当時は大阪弁で話していました。私が思う大阪弁は、かなり声を下に落とした喋り方でした。これが声帯には良くなかったのです。オペラ専門のボイトレ先生も、大阪弁は声帯にはよくないとおっしゃってました。

電話に出る時の、よそ行きの声、これで話すようにしてみてください。声帯への負担がかなり軽減されるはずです。詳しくは、エクササイズの動画で解説したいと思います。

 結節の時でも、歌の練習ができないのは、とても不安になるし、何かできないかと無理をしがちですが、くれぐれも大声は出さずに、なるべく筆談をしましょう。
死ぬ気で3日間喋らないとかなり改善した経験があります。時間と仕事が許す場合に限りますが、試してみるといいかもしれません。

 声を出さずにできるエクササイズをご紹介しましょう。

声が出ないのであれば、呼吸のトレーニングをする時!と思いましょう。すでに発声法として使っている方も多いと思いますが、リップバブルです。声をだしながら、唇をパタパタさせるのですが、結節の時は、声は出さずに、空気だけで行って見てください。リップトリル(巻き舌)でもかまいません。一定の細さにキープしながら一息で、なるべく細く長く空気を使う練習です。おへその下あたりの丹田を使いながら、声を安定させる下半身の筋肉を鍛えられます。意識は下半身に。声が出せるようになったら、かなり楽に声が出せるはずです。是非やって見てください。