見出し画像

大きな組織をボトムアップで変革する方法

私が監査法人時代にかなえられなかった夢を、どなたか、かなえていただけませんか?


監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。

今回は、私が監査法人にいたときに企画したものの実現できなかったアイデアをお話しします。


その「企画」とは、早い話が社内提案制度のようなものです。
しかし、提案しただけで終わる件数が積み上がっても改善につながらないので、提案を実行に移すために「仕組み」が必要と考えました。


💡企画を考えたきっかけ

自分の業務を創意工夫で改善している人は、どの組織にも一定数いると思います。
しかし、ほとんどの創意工夫は、発案者個人の業務を改善するにとどまったり、発案者の所属するチームや、その周辺で使われて終わってしまいます。

その創意工夫が小さいことだったり、何か大きなデメリットがあったとしても、それを共有してみんなで実行することで、もっと大きな成果を生むアイデアに成長するかもしれない。
その可能性がつぶされているとすると、とてももったいないことです。

そこで、創意工夫の大小や優劣にかかわらず、できるだけ広く組織として吸い上げた上で、もっと使われるようにしたい。そのように考えたことが発端でした。


💡どんな企画?

もう少しお話しすると、こんな企画です。

  • 誰でも提案できる

  • 提案が実行されると、実行者と提案者にポイントがつく

  • 部門単位でポイントを集計し、表彰する

それぞれ見ていきましょう。

誰でも提案できる

アイデアは組織の上層部で生まれるとは限りません。
新人や転職してきたばかりの人など、組織にとって新しい人の方が生まれるかもしれません。
また、イノベーションは若い人から生まれやすいと考えると、組織での地位とは関係なしに提案してもらう方がよさそうです。

そこで、誰でも提案できるようにしておく必要があります。

提案が実行されると、実行者と提案者にポイントがつく

「社内提案制度」はすっかり使い古されていて、どの会社でも過去に一度や二度は導入しているのではないでしょうか。

典型的な「社内提案制度」は、よい提案があれば経営層や管理職がそれを横展開し、組織の改善につなげることが目的となっていると思います。
そうではなく、現場レベルで勝手に実行され、改良される仕組みが作れないものか。

そこで、実行されてはじめて提案者にメリットがある、というルールにすれば、提案して終わりにならなくてよいと考えました。
実行者が増えると提案者のポイントが増えていきます。

また、実行者にもインセンティブがある方がよいので、ポイントをあげることにします。

部門単位でポイントを集計し、表彰する

実行者と提案者についたポイントは、それぞれの所属する部門のポイントとして集計されます。
ポイントが多い部門を表彰することで、実行につながる提案が増え、それをどんどん実行されることを期待しています。

「部門」と言っても何百人もの大所帯ではほとんどの人にとって他人事になってしまうので、20名~50名程度のまとまりがよいでしょう

ポイントの多い個人を表彰してもよいのですが、それに加えて部門対抗にする方が、うまくいけば盛り上がります。

💡この企画を成功させるために

形だけ作っても利用が進まずに消えていく企画はいくらでもあります。
そうならないために、必要な条件についても考えました。

目的をはっきりさせる

何のためにこれをやるのか、を明確にしておかないといけません。
そうでないと、定時後の読書会や週末のフットサルなど、直接は業務の改善につながらない提案ばかりになるかもしれません。

期間限定で実施する

よかれと思ってはじめたことも、たいていは時間が経つとともに忘れられたり、形骸化したりします。

まずはパイロットとして短い期間(一年間など)実施してみて、うまくいけば3年などの期間に延長するのがよさそうです。
その場合でも、終わりを決めておくのがよいでしょう。

プラットフォームにより支援する

「誰でも提案できる」
「提案が実行されると、実行者と提案者と実行者にポイントがつく」
「部門単位でポイントを集計し、表彰する」
この3つを支援するツールを準備しておく必要があります。

特に新しいアプリケーションを開発しなくても、TeamsやSlackのチャンネル機能を使うなど、すでに組織で使っているツールをうまく活用できると思います。

参加者はフェアに行動する

部門間の対立が激しくなり、「ライバル部門の提案は絶対に実行するな」「実行したければ、提案者に気づかれないようにこっそりやれ」といったことが言われるようになると、組織全体の改善につながらなくなってしまいます。

険悪なムードにならないようにするためには、表彰された部門に記念の品を渡すとしても、あまり高額でない方がよいでしょう。
また、人事評価で大きくカウントされる、といったことも避ける方がよいと思います。


おわりに

私はこの企画を立ち上げようとして、運営メンバーにも声をかけていたのですが、もっと重要で深刻なプロジェクトが立ち上がってしまい、断念することになりました。

「こういうのって、偉い人が思いつきではじめて、下の人たちが振り回されて、迷惑なんだよね」という声も聞こえてきそうです。
ただ、何事も新しいことは批判が起こるので、まずははじめてみて、走りながら考えるしかありません。

そのためにも、「この企画を成功させるために」で書いた4項目以外に、もう一つ必要不可欠な条件がありそうです。
それは、「熱病に浮かされたように推進する人」の存在です。
力強く推進する人(たち)がいて、その周りに賛同する人を増やしていくことで、ようやく前に進む企画だと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を下のコメント欄またはX/Twitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

てりたま

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?