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寺嫁お京のお仕事〜お盆がもたらすグリーフケア〜

こんにちは、寺嫁お京です。

「暑さ寒さも彼岸まで」…
彼岸まで続くのか〜!ってくらい残暑残暑ですね。

この度は浄土真宗の自坊のお盆についてお話します。

浄土真宗における盂蘭盆会うらぼんえとは

故人を追憶するとともに「無常」の理を感じて「仏恩報謝ぶっとんほうしゃ」する仏事。

浄土真宗辞典

https://www.hongwanji.or.jp/mioshie/words/001198.html

と、こういうことのようで、挿絵のインパクトが・・・。

寺嫁お京のお寺でのお盆

経緯は分かりませんが、自坊では、これまで御門徒様に集まっていただいてのお寺での盂蘭盆会の法要は行ってこなかったようです。住職がお盆参りのために各ご家庭を回っていくか、お墓や納骨堂にお参りに来られた方に本堂でのお参りをお声かけするのみでした。
しかし、今年からそれに併せてお寺での法要を執り行うことにしました。
私たちの住む地域は、七月盆があります。そのため、7月13日〜15日、8月13日〜15日の間にお荘厳をします。

盂蘭盆会の準備

自坊の盆提灯はこのようなものになります。


寺嫁お京これを初めて見た時は
「でか!」
という感想でした。
お御堂にお飾りするとバランスが取れるのですが、準備する中では一つひとつのパーツが大きく圧巻です。枠組み以外は和紙でできているので思いのほか軽く私でも持ち上げられます。

お仏華もお飾りします。


来年は鬼灯ほおずきを生けるのにチャレンジしてみようと思います。(今年は私の技術が間に合いませんでした。)
お盆に鬼灯をお飾りするのも提灯をお飾りするのにも意味が諸説あり、盆提灯であれば、ご先祖さまがこちらの世界に戻ってこられるときに迷わずに帰ってこられるように。
鬼灯は、空洞になっているところでご先祖さまが過ごせるように、という思いからご先祖さまを偲んでお飾りするようです。

浄土真宗ではご先祖さまをお迎えするというような教えではなく、仏徳讃嘆(仏様に感謝を伝える)のためですが、多くの人にとって先祖供養という儀式は幼少期から根付いているものであり、暖かな日本文化の一つなのでそのままの気持ちで私たちも思いを馳せ続けていきたいところです。

今年の盂蘭盆法要

今年は13日(日)の 18:30〜読経、法話、お茶菓子会食、花火の1時間ほどの流れで行いました。

暖かい光の中で
お聴聞のあとは子どもたちと花火

この花火も、江戸時代に流行った疫病による死者を弔うために上げられたものだそうです。

グリーフケア講座

昨年の記事にも書いておりますが、私自身、この世に生きる人の「喪失」に心が惹かれております。

https://note.com/preview/n48a9b0198efa?prev_access_key=75a3acb0454d7502861f6bdb6269daab

楽しみ、嬉々、喜び…は自ずと表出され、人間を人間たらしめている共感を得やすいものでもあります。同じように悲しみ、虚しさ、寂しさ…もそれらと同等に扱われて良いのではという思いがあります。特に、自分自身において。

6月より一般社団法人リヴオンさん開講のオンデマンド講座「グリーフケアの基礎講座」を受講しています。

グリーフ:人や、物などを失うことにより生じる、  その人なりの自然な反応、状態、プロセス

ケア :大切にすること、気にかけること

一般社団法人リヴオンHPより

受講の目的として、大変おこがましくはありますが、お寺にお参りされる方の喪失に少しでも気持ちを添えられるようになれたら、
自分自身の喪失体験もケアできたら、という思いがあり受講を決めました。

様々なグリーフワーク(喪失について、感じていることや思いを表現すること)の一つに宗教的儀礼があります。
お寺では、日常的にお通夜や御葬儀、お仏事や月参りがあり、お盆の法要もその一つになります。皆さん、お墓を清掃し、お花や亡き人が好きだったものをお供えし、手を合わせますね。鬼灯や提灯をお供えするのも、花火をあげるのも、そういった行為一つひとつがグリーフをケアする行為(ワーク)になっているのだと思うと、亡き人をともに感じる何とも愛おしい時間です。

大切な人やものを失った事実は変えられませんが、そこで終わりではなく、なくなった人やものとの関係性を紡ぎなおす時間と行為こそグリーフワークであり、お盆という時間を通して私自身がケアされているのだと再考いたしました。

寺嫁お京のお盆

今年は一つの喪失との時間でした。
つい1ヶ月前にモニター越しに会うことのできた小さな美しい命。
その命は、私の身体の中で静かに生を終えました。
ありがとう。またこの世で会えるといいな。

これが形を求める愚かな私のグリーフです。
この命の生を、私自身のグリーフを、大切に大切に。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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