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寺嫁お京がするお寺の仕事〜お仏花を生ける〜

専門用語


坊守ぼうもり・・浄土真宗において、お寺(坊)を守る人のことをいう。
以前は、住職の配偶者のことを指していたようですが、近年では、配偶者でない親族のことも指すようです。男性の坊守さんもいらっしゃいます。

仏花ぶっかを生けるお仕事

寺嫁は、お仏花ぶっかを生けます。

このお仏花ぶっか、ほとんどのお寺では坊守ぼうもり)が生けているようですね。寺嫁お京も、先代の祖母から、回数重ねて引き継いでいるところです。

なぜお仏花ぶっかを生けるのか??

浄土真宗におけるお仏花ぶっかは、仏様の慈悲じひを表しています。
慈悲じひとは、苦しみを除いて、楽しみを与えたいという心です。
一度生けましたら枯れる前まで飾り、いよいよ枯れそうになればまた、生け直しているのです。

「え〜、お花枯れていくのはあんまり見たくないなぁ」

とお思いでしょうが、実はこれにも意味があります。

無常むじょう」を表しているのです。

無常むじょうとは?

私自身を含め、世の中の一切のことは、何一つ同じ状態ではない。
という意味です。つまり、自分自身を表しているのですね。

落ち込んだり、病気したり、嬉々としたり、一定しない私だけれど、仏様の慈悲により守られて生きていけてるんだな〜と、いうことですね。

ので、お寺に行かれて、
「あらあら、枯れてるのを飾ってるわ〜」と呆れ顔されず、
「これは私や物事の移り変わりを伝えてくれているのだな」と、思ってみると見え方が変わるかもしれませんし、自分自身と向き合う時間になるかと思います。

生花いけばなの実際

一般的な生花とは異なります。
浄土真宗では、花瓶けひんに生けます。
この花瓶けひん、私はいまだに「かびん」と呼んでしまうことがあります(苦笑)

花瓶

この花瓶けひん、とにもかくにもすーーーーーんごい重いです。
お寺の仏花ぶっかは、かなりのお花の数を一つの花瓶けひんに生けるので、それに耐えられる重さがなければなりません。
それを、一つ一つ丁寧に洗い、お仏花を生けていきます。

横から見た時
後ろから見たとき

このように、皆様からよく見えるように、上へ上へ立てて、かつ、奥行きがあるように生けます。

下の写真は
私がお寺にきて一番大きな法要の時のお仏花ぶっかです。
御本尊ごほんぞんと言って、阿弥陀様あみださまがいらっしゃるメインの対のお仏花は、祖母が生けました。
その両サイドは、私が生けました。
全部で、6瓶ですね。(6瓶と呼ぶのかは定かではありません。)

私が生けた分だけで片付けまで含めると、3時間程かかりましたね…。
祖母は、高齢ということもあり、2日に分けて生けておりました。

一度、生けると毎日水換えをして
夏場では1〜2週間
冬場では1ヶ月ほど持ちます。

他にも、納骨堂やお玄関、お手洗いなどに飾ってあるのは坊守がしていることが多いので、是非ご覧になって心癒していただけると幸いです。

まとめ

以上で、お仏花についてでした。
もっと、細かな仏教的な意味合いや生け方がありますが、追々お伝えしていきます。

京都にある西本願寺や東京の築地本願寺などにも必ずお仏花が供えてありますので、ご旅行の際に気にかけて見ていただくのも良いかもしれません。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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