モーター性能を最大化するためのパラメーター:必要トルクの値を知る

モーターはあらゆるところで使われています。
その使用方法は様々です。
一般的なモーターでみられる回して使う使い方もあれば、横移動するリニアモーターカーのような使い方をするリニアサーボというモーターもあります。

使い方をまとめた記事も過去に書いたので、ご参考ください!

私はモーター性能を最大化することで、これらのモーターによる電力消費を抑える世界を実現するために日々何ができるかを考えています。
モーターメーカーを退職し、モーターを量産することもできない私ですが、モーターが何たるかの知識はあります。
その知識を生かして、この記事を読んでいる人が一人でもモーターの構造を見直そうかなと思ってくれるようにしたいと願います。


モーター性能の最大化とは?

モーター性能の最大化させることで効率を最大まで高め、同じ運転でも消費電力を最大限抑えることが可能になります。
ではモーター性能を最大化させるためには何をすればよいのでしょうか?

答えは「モーター出力と必要トルクを合わせる」ことになります。

そのためには、必要トルクつまり、自身の製品のトルク値を知ることです。
トルクと回転数が分かれば、モーターを最適化つまりモーター性能を最大化するのも容易です。

必要トルクを知るために

1.産業用向けのトルク

産業用は必要トルクの計算式はネット上にもたくさん開設されているので、それらを見ながら算出するのが良いかと考えます。
例えば、加減速に必要なトルクは以下です。

産業系に関しては、ばらつきを考慮しても計算値からおおよそずれることは少ないですので、計算値の必要トルクで問題ないです。

2.ファンなどの送風機のトルク

ファンに必要なトルク算出の基本式は以下です。

厄介なのはファン効率です。
ファンにも軸流ファン、シロッコファン、ターボファンとあり、どれも効率が異なります。
この効率はシミュレーションか実験値しか算出できませんが、速さと正確な値が知りたければ実験しかありません。
※流体シミュレーションは境界条件がシビアなので、基本一発では合いません

確実なのは自分で以下パラメーターを測定して、モーター屋に連絡してください。モーターもお渡しください。
・試験時の回転数[rpm]
・モーター電流[A]※できればモーターの配線での電流値
・風量や静圧の連絡は不要
これらの情報があれば、トルクを測って教えてくれると思います。
そこからファン効率を逆算すればよいです。

モーター性能を最大化して得られる恩恵

モーター性能を最大化して得られる恩恵は以下の通りです。
・電気代が安くなる
・モーターを小さくできる
・磁石量を少なくできる(希土類系の磁石は特に効果的)
などがあります。

最近は低炭素社会やSDGsの活動も叫ばれている中で、各技術者がモーターを少しでも効率化できるようになれば、製造業全体の必要エネルギーを下げることも可能になると思います。


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