見出し画像

【農林水産委員会総理入り】

今月初めから食料・農業・農村基本法改正案の審議を行なっていた農林水産委員会。
最終日となった昨日は岸田総理大臣が出席し、私も質問に立ちました。

改正前の基本法が制定されたのは25年前。四半世紀を経て、日本の農業を取り巻く環境は当時から大きく変わっています。国際情勢や気候変動による食料生産の不安定化で、お金を出せばいつでも思うままに食べ物が手に入る時代ではなくなりました。また国内の農業従事者も減少の一途をたどり、耕作地も減り続けています。所属する農水委員会では、これまでの農政を抜本的に見直し、どうしたら国内の生産基盤を維持・拡大し、国内生産を拡大できるのか、再生産可能な価格の形成をどう実現するのか、安心安全な食料を確保し一人ひとりに届ける方策などについて、一ヶ月に渡り議論を重ねてきました。

無所属である私は、総理大臣への公式な質問の機会はこれが初めて。地元農家の皆様をはじめ、参考人質疑や地方公聴会、栃木と岩手での視察などでお話を聞かせて下さった皆様のことを思い浮かべながら質問させていただきました。
冒頭、今月、国際会議参加のため訪れたブータンで、かつて農業技術支援に携わり、ブータンの農業発展に貢献した西岡京治さんのお名前を毎日のように聞いたことにも触れました。長い年月を経て、こうした支援国であった日本の農業は、基幹的農業従事者が半数以下に減り、貴重な技術者も減っていることへの危機感を総理にお伝えしました。そして、生産基盤をどう立て直すか、どうやって担い手を増やすかということに必死だが、発想の転換で、農村部の人達が幸せに暮らせる農政を講じることが、結果的に日本の農業を守ることになること、農村部に住む人たちが幸せを感じられるような状況を作れば、担い手は増え、生産基盤も維持拡大され、農業の発展や国土の保全にも繋がるのではないかと訴えました。
5分という短い時であったため、抽象的で根源的な問い方になってしまいましたが、「猫の目農政」と揶揄されるような農政のあり方を、総理に直接伺う貴重な機会となりました。

法案には食料自給率の向上が明記されていないこと、また、農家の所得補償の必要性などから与野党の意見が割れ、それらを明記した修正案も提出されましたが、改正案は原案のまま成立しました。
私の想いも十分には届きませんでしたが、農業県秋田の議員として今後とも地元農家の皆様の声に耳を傾け、これに続く基本計画にも目を配りながら、皆様と一緒に少しでも農政がよりよいものとなるよう努力を続けていきたいと思います。