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【初めての首班指名に臨み】

本日の国会で、菅義偉総理大臣が誕生しました。
秋田県民の一人として、県出身者初の総理大臣がうまれたことを誇らしく思います。

初めて臨んだ首班指名。
私は同年代の参議院議員、伊藤孝恵さんを指名させていただきました。
首班指名は、会派の中で指名する方を決めますが、私自身は無所属なので従うべき方向性はありません。

安倍総理辞任の意向との報道、自民党総裁選、野党の合流などのニュースを見ながら、私自身が持っている問題意識、目指すべき社会の姿、国のかたちを考えながら、どなたに総理になって頂きたいのか、これからの日本をどういう方が引っ張っていくべきなのか、熟慮を重ねてきました。

伊藤孝恵さんをご存じない方も多いと思いますので、簡単にご紹介します。

伊藤さんは4年前の参院選で初めて当選された、私と同じ45歳の女性です。
お子さんが生まれた時に、「この子は耳が聞こえないかもしれない」と言われたことから、
産後うつの中、障がい児を取り巻く環境のことを徹底的に調べ、絶望し、社会を変えなくてはならない、
そしてどうやったら社会を変えられるのかと悩み、民主党の公募に応募するに至ったとのこと。
その政治家としての生い立ち、子どものために社会を変えたいというところに心から賛同しますし、
私自身の思いと重なるところがあります。

加えて、私にはまだ十分ではない議員としての強さと確固たる覚悟、フットワークの軽さなど、こうありたいと心から思う尊敬出来る先輩議員です。

40代の女性議員が総理にと、歴史ある国会において奇異なことと映るかもしれません。
ただ、諸外国を見渡せば、既に30代、40代の女性たちが首相に就任しています。民間分野でも様々な意思決定の場で活躍しています。
コロナ対策が成功したと言われる国の多くのトップが女性であったことも話題となりました。
フィンランドは連立与党5党首、全員が女性です。

女性が人生を歩む中であたる様々な壁。

「勉強をしろ。良い成績をとれ。良い学校にいけ。良い会社に就職しろ」
と言われ続けてきて、ある程度の年齢になると、
「もう仕事はいいから結婚して子どもを産め。それが女性の幸せだ」
そう周囲から言われることの辛さ。
私自身もかつてそうであったように、周囲に言われずとも自分でも時々そう感じてしまう自縄自縛の呪いのようなものが今の日本の女性が抱えている辛さだと私は感じています。

妊娠すれば、今まで経験則でそうしてきた自分の健康管理では歯が立たない体調の変化に翻弄され、
出産すれば、今までやってきた効率性や論理性では全く歯が立たない育児の世界に放り込まれ、
もし生まれた子どもに障がいがあれば、周りの偏見に苦しみながら、十分とは言えない障がい児の育児・教育環境を知ることから始めなくてはいけない。
働き詰めの夫に頼ることもできない中、女性はこうした重い責任を引き受けています。

一方で、大黒柱として一生働き続けることが当たり前とされる男性のプレッシャーも相当です。
女性は家事手伝いや結婚して家庭に入るという選択を社会的に容認されますが、
男性は同じことをすれば「人生の落伍者」のようなレッテルを貼られる現実があると感じます。

本当に生きづらい社会が、私たちの前には横たわっています。

日本のこうした問題が放置されているわけではありません。少しずつですが前進はしています。
ただ、諸外国はその10倍20倍のスピードで社会の仕組みを変えていきました。
そこには、この問題に正面から向き合うこれからの世代、女性達の姿がありました。

かたや、育児も家事も介護も全部誰かにやってもらって仕事に専念した人たちが政治をしてきた結果が、ジェンダーギャップ指数121位の今の日本の姿です。

国会議員として一年余、私が問題意識を持っている様々な課題は、女性が意思決定の場に増えれば確かに変わっていくことだと、議員になる前からのこの想いがさらに強くなり、今回の投票に繋がりました。

政党や派閥に左右され、前例や慣例を重んじる今の政治において、私の投票行動を快く思われない先輩諸氏がいらっしゃると思います。
実際、開票結果が出ると、「自分で入れたんじゃないのか」「記録に残るのに何をやってるんだ」との呆れるような声が聞かれたことも事実です。

それでも、
私は、伊藤さんに日本を大きく変えていってほしい。
理想とする総理大臣の姿を思い描き、伊藤さんに私の一票を投じました。

もちろん、今回この想いが成就することはありませんでしたが、これからも、目指す社会の姿を見据え、私なりの歩みを進めていきたいと思います。

2020年9月16日
てらたしずか

写真は伊藤孝恵さんの議員室にて。
後ろの遊具のいくつかは我が家からのお下がりです。

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