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吉原英里展、はじまりました。

吉原英里個展 -curtain2-
2023年11月21日(火)ー12月3日(日)/月曜休み

https://gallerymorningkyoto.blogspot.com/2023/10/curtain-2-yoshihara-eri-exhibition-2023.html

私は、異なるイメージを持つ世界を並列させて一つの作品を制作しています。関係性の無い、様々な観点で描いた絵を出会わせることで、今まで見たことがない不思議な作用が起きる様な構図を探求しています。
 この一年、私はカーテンをテーマに作品を作ってきました。カーテンの向こう側には、こちら側と違う空間や世界があります。また、カーテンのドレープの「揺れ」は単に風の仕業かもしれないのに、ドキッとして先ほどまでいた人の気配を感じることがあります。カーテンは向こう側を隠しますが、一度開かれた時の驚き、つまり此方と彼方の違いの不思議さと、「世界が開かれた!」という様な喜びがあります。
私は版画家としてスタートした時から、「先ほどまでいた人の不在」をテーマに制作してきました。私の心のなかでは、ちょっと席を外しただけの人もあれば、二度と逢えない別れであったりします。ですから「死」も重大なテーマとしているのですが、残念ながら誰もそれを気づいてくれませんでした。それは、明るく元気な80年代に女性作家としてスタートしたからでしょうか。それとも版画だったから軽く見えたのかもしれませんね。
この頃、私自身が自作品の画面の中に入って、あちこちのカーテンを開けたり閉めたりしながら、居なくなった主人公を探す旅をしているように感じる時があります。もしかしたら、本当はこの世に居なくなってしまった人を夢の中で探しているのに、ちょっとそこまで出掛けたというふうに思うことにしているのかもしれません…/吉原英里

YOSHIHARA Eri 略歴 
1959 大阪生まれ
2011 「まなざしの哲学−嵯峨芸術大学の40年」京都市美術館別館
    第8回高知国際版画トリエンナーレ いの町紙の博物館、高知
    第1回宮本三郎記念デッサン大賞展 小松市立宮本三郎美術館、石川
   「吉原英雄を囲む作家展」和歌山県立近代美術館
2012 嵯峨版画の40年展 アートスペース嵯峨、京都
2013 コレクション展2013−春「部屋の中で」 和歌山県立近代美術館
   新収蔵品展「信濃橋画廊コレクションを中心に」 兵庫県立美術館
2014 第9回高知国際版画トリエンナーレ いの町紙の博物館、高知
2015 Re-collections!! 文化庁買上優秀美術作品展 寺田倉庫ギャラリー、東京
2016 館蔵品展「版画の誘惑展」砺波市美術館、富山
    大田市国際美術交換展 Daejeon Jung-gu Cultual Center halls、韓国
    The 13th GONGJU INTERNATIONAL ART FESTIVAL LimLip art museum、韓国
2017 「吉原英里の80年代」展 ギャラリーモーニング
    Daejeon International Art Show2017 KOTRA Exhibition Center in Daejeon、韓国
2018 「吉原英里の90年代」展 ギャラリーモーニング
    なつやすみの美術館8「タイムトラベル」 和歌山県立近代美術館
    「ニュー・ウェイブ現代美術の80年代展」 国立国際美術館、大阪
2019 ART in PARK HOTEL TOKYO 2019 パークホテル東京
2020 「TAMAVIVANTⅡ 2020 幕間以前・以後」 多摩美術大学 アートテークギャラリー(東京)
2021 吉原英里個展 ギャラリーモーニング、京都
2021 吉原英里展「不在の部屋」ときの忘れもの、東京 
2021 吉原英里展「不在の部屋」ときの忘れもの、東京 
    吉原英里展 ギャラリーモーニング、京都
2022 関西の80年代 今、ふりかえる関西ニューウェーブ 兵庫県立美術館
2023 吉原英里展 「curtain 2023」 +Y Gallery、大阪
    2023年度コレクション展2〔特集〕Welcome!新収蔵品歓迎会 兵庫県立美術館
    吉原英里展 「curtainー 2」ギャラリーモーニング、京都

パブリックコレクション
町田市立国際版画美術館、嵯峨美術大学、神戸アートビレッジセンター、ウィル愛知(愛知県女性センター)、文化庁、京都市立芸術大学、宮崎県立美術館、和歌山県立近代美術館、兵庫県立美術館、砺波市美術館、色彩美術館、兵庫県立ひょうごこころの医療センター

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揺れることで感じるなにかの気配、内と外、あちらとこちらを仕切るもの。吉原さんの作品に登場するカーテンは世界を分け見えないものへ思いを募らせる装置のようです。絵画と版画で描かれる大作の没入感、身近なサイズの銅版画作品に感じる愛着は吉原作品ならでは。
また、兵庫県立美術館「特集」Welcome! 新収蔵品歓迎会 9月9日~12月24日(兵庫県立美術館 常設展示室3)にて、1986年作《M氏の部屋》が展示中です。お出かけの折は合わせてご高覧ください。/ギャラリーモーニング

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