描くようになったきっかけ
気付いた時にはコンテスト終了の期日は過ぎてしまっていたのですが、面白そうだったので描いてみました。
小学二年生の春、ギシリと私の心が悲鳴をあげました。学校はおろか、家の外に出ることすらできなくなってしまったのです。
母は初め、学校に行きなさい、と怒り散らしてきました。父はなにか言ってきたりすることはありませんでしたが、それはそれで関心を持たれてないように感じて悲しかったです。
学校が終わる時間になると毎日のように友だちが遊びの誘いにやってきますが、しばらくの間応答することはできませんでした。
私は急に、ポツリとこの世の中で1人になってしまったのです。
どうしたものか。苦しい気持ちを抱えていると、ふと小さい時に父が買ってくれていた「ぼく、ドラえもん」という雑誌を思い出しました。たしか、付録に漫画の小冊子が付いていたはずです。
その中の一冊に、漫画の描き方が書いてあるものがありました。内容は4コマ漫画は、起承転結を考えて描くといい。みたいな、初歩的なものでしたが、当時の私には刺激的でした。
ちょうど少女漫画雑誌の『ちゃお』を読みはじめたこともあって、見よう見まねで漫画を描きはじめました。
『描くようになったきっかけ』はなにか?と聞かれると、ずっと家にいて暇だったから、というのが答えですが、きっと当時の私は自分の胸に秘めた大切な感情一つ一つを、絵や漫画にひっそりと写したかったのだろうな、と思います。そして、どこかの誰でもない両親に気づいてほしかったのだろうと思います。
その時、その願いは叶いませんでしたが、今も私は絵や漫画を描き続けています。すっかり漫画に魅せられてしまいました。もう私の一部です。これから先、なにがあるかわからないけれども、漫画を描いていられたなら幸せな人生です。
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