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「辞める」タイミングは、一番「辞めたくない」時だ。

今年の12月で、芸能生活20周年を迎えます。そんな今年の春から、わたしはロンドンに移住し、"駐妻"になることになりました。

わたしはこれまで、自分のキャリアを第一に考えて、生きてきました。

仕事をもらえることが、幸せ。
仕事をすることが、幸せ。
仕事で求められることが、何より幸せ。

そう思って生きてきた。
世間的にもきっと、そういう風に映っていたんじゃないでしょうか。だからこそ、『駐妻になる』という決断を発表した時、たくさんの人を驚かせ、困惑させてしまったんですよね。

「仕事、辞めちゃうの!?」「キャリア捨てちゃうの!?」って。
「駐妻になるとは驚きだ」と、たくさんの方から言われました。

まあ確かに、そう見えますよね。でもねえ、自分の気持ちや考え方的には、実は、まったく真逆のことを考えています。

「もっと、仕事がんばるぞ!」
「もっと、キャリアを築くぞ!」

仕事もキャリアも、諦めませんよ、わたしは。
ロンドンに行っても。駐妻になっても。

あのねえ、キャリアを積み重ねていこう、もっと上にいこうと思ったら、同じことばかりをしていてはダメなんだよ! 

適度に決断して、何かを辞めて、また新しい何かを始めて。人生と環境を循環させていかないことには、いいキャリアってのは作れないんだ!

と、信じているから。

わたしがフリーランスになったのは、丸っと12年前。世の中がまだまだ、テレビの中のエンタメに、集中して熱狂している時代でした。だからこそ、「事務所に入らずにやっていけるわけがない!」と、色んな人から言われたんですよね。

それから数年。確かに仕事はなかったし、ずっと肩身は狭かった。異端児的な動きばかりしていたこともあり、王道の道も進めなくなっていました。

そんな中、コツコツと積み上げてきたキャリアだ。手放したくない! 守りたい! と、思ってしまうこともよくある。ロンドン行きを決断したまさにその時も、大きな悩みの種でした。単純に、収入が減るってことも怖かったですしね。

でもこのフリーランス人生の中で、学んだことがある。
それは、”安定を目指した先には、低迷しかない”ってことだ。

何かがうまくいくと、「こんな状況が続けばいいのに!」とついつい思ってしまう。でもこの思いって、危ないんだよな。いい状況って、守ろうとしても、守れない。いつかは古くなって、マンネリ化して、新しいものに負けてしまって、低迷の一途を辿っていくんだ。

いい状況を続けたければ、攻めるしかないのだ。結局ね。

決断ってもんは、怖ければ怖いほど、人生を大きく動かしてくれる。
そしてたいていの場合、決断する時が、一番怖い。実際に動き出してみたら、意外にすんなりと、人生は動いていくもんだ。

決断をする時は、未来が見えないからこそ怖い。暗闇に飛び込んでいかねばならないと思うと、そりゃあそうですよね。

でも飛び込んでみると、そこに広がっているのは、実は暗闇ではなく、希望が詰まった明るい世界なのだ。

この状況と、自分の人生を楽しみながら、もっと前に、もっと上に、進んでいきたいなと思います。

まあ、もちろんさ、キャリアを中断しないのが一番ではあるから。本当に大丈夫だろうかと、悩む夜もある。手に職を持ってるわけじゃないから、何も持ってないって不安だなー、と。感じることも、もちろんある。

とはいえ、いくら理想を語っても、過去を悔やんでも、明るい未来は手に入りませんからね。

常に、できる限りを尽くすまでだ。

ほな、また。

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