昨今の情勢の雑感と次回4/21のコンサートについて

2022年4月10日 22:47

昨今のロシアとウクライナの情勢に関して、心落ち着かない日々を過ごしています。僕が音楽を通して長く関わってきたトゥバ共和国も、トゥバがロシア連邦内の共和国ですから、当事国です。

日々報道やインターネットから流れてくる情報が、今まで自分が知り得ていた常識をはるかに超えるもので、暫く何も手につかない状態が続いていました。

これでもかと流れてくるウクライナのあまりにも悲惨なニュースと、ロシアの状況にただただ毎日引き裂かれる様な思いでいます。2月24日以降、何度もまとまった文章を書こうとしてきましたが、結局投稿できない、ということを繰り返してきました。日々状況が動いており、正直今も気持ちの整理がついていません。
もう以前のように自由にトゥバに行くことは難しいでしょう。もしかするとずっと行けなくなるかもしれません。

そのことががはっきりわかってくるうちに、自分にとってトゥバの音楽がいかに大切なものだったのか、改めて考えるようになりました。

ここ数年は特に、自身の音源制作をしていたこともあり、トゥバの音楽の伝統的な部分から少し距離が出来ていた時期があったんですが、今年2月ごろから、初めてトゥバに行って、先生や友人たちから教わってきたことを見直す作業を行ってきました。

手書きのメモや、安いカメラで撮影した動画などを見直しているうちに、当時の記憶が鮮やかに蘇ってきました。CDの中だけでで知っていた、神様みたいなトゥバのミュージシャン達と知り合い、音楽を教わり、本当に興奮していた当時の記憶。

当時学んだ事を振り返りながら、今改めて、トゥバの音楽は本当に素晴らしいなと想いを新たにしています。

僕はまだまだトゥバの文化のほんの一部を知っているに過ぎませんが、それでも自宅には、一生かけても読みきれないかなと思う程度、10数年トゥバで集め続けてきた資料があります。トゥバ語とロシア語も中途半端な状態ですが、また時間を見つけて勉強し直し、読み進めていきたいなと思っています。僕は別に論文などを書く研究者ではなく、ただ本当にトゥバは面白いなという好奇心だけでここまでやってきたんですが、これからトゥバに関心を持つであろう人たちにとって、何かしら足しになることも出来るかもしれません。また、記録として撮影してきた沢山の写真や動画もあります。改めて、トゥバの音楽文化をまた一から見つめ直していきたいなと思っているところです。今の活動の原点にあるのは、素晴らしいトゥバの音楽を日本の皆さんにも知ってほしいという思いです。その気持ちは今でも変わりません。

次回のコンサートは、初心に戻った感じで、僕が好きなトゥバの音楽をみなさんに聴いていただけたらと思っています。
また、試行錯誤しながら作ってきた、僕の曲も是非聞いてみてください。大先輩である寺原太郎さんをゲストにお迎えし、一緒に演奏します。内容に関しても時勢の影響を受けたものになるでしょう。あくまで音楽コンサートですが、今回の件に関して話す事にはなると思います。

トゥバとの関わりは以前よりはずっと難しくなるでしょうが、これからも活動を続けていきたいと思っています。気が向いたときにコンサートにお越しいただいたり、応援していただけると幸いです。

そして。ウクライナに一刻も早く平和が訪れることを願っています。