粘着テープ斜めミシン目入れ機


粘着テープは一般家庭用のみならず、大病院、埃を嫌う工場などでの作業着清浄などに使われている便利な道具ですが、欠点もありました。
新吸着面を出す時、汚れ面を除去する作業です。

軸と平行にミシン目を入れ、それに沿って剥がす工夫が追加されている物も有りますが途中でミシン目から違う方向へ切れてしまう。そうなると、汚れ面に触れながら剥がさざるを得ない、など綺麗好きな人には嫌な追加作業が必要な事が有りました。平行なミシン目入れは、製造工程で簡単に追加できそうですが、使う立場からは、今一歩の改良が欲しい所でした。

この問題解決の為、約10年前の平成24年10月に 掃除用粘着シートのカット方法 と言う特許が公開されました。方法は円柱シートに斜めにミシン目を入れる、と言うもので、最後までミシン目に沿って捲ることが出来、手が汚れなく楽になるというものでした。
私の発明ではありません。(特開2012-192144 青木氏のアイデアです)


前述の特許には斜めにミシン目を入れる方法が詳しくは記載されていなかったので、工作趣味の一環として考え、実現化し一人満足していました。

最近になりミシン目なしで、斜めに捲れるスパイラルカットと呼ばれる上記欠点を解消した製品が出たので、剥がし作業上の問題は解決したと言えます。


ただ一点、コストの面では製法が複雑になり比較すると高価な点です。
100均での価格はスパイラルカットは110円で1個、従来品は2個であり、巻き数に若干の差はあるにせよ、ほぼ倍の価格となっています。

現在はスマホの時代、固定電話から携帯へ、そしてスマホへと。
この装置も同様に時代遅れの物かもしれませんが、不便を改善したい、
とガラパゴスの方向に、少々のめり込んだ物かもしれません。
装置を作る為のコスト、手間と得られる効果を比較すると、本装置は世に普及される物ではありませんが、頭の中で考えた事が実際に機械になるのか?

江戸時代のからくり人形に対抗する気持ちで楽しんで作成したものでした。

アイデアのポイント

マンドレル(粘着テープを差し込み支える円柱形棒)に装着した粘着テープ
に切り込みを入れる歯を梃子バーに取り付け、切り込みバーの上下運動で、バーを上げる動きに同期して、一コマずつ次の位置まで移動する。

構造と形状

一回の上下運動でマンドレルは10度回転、切り込み用梃子バー内のスライドラックに取り付けた切り刃は5mm移動する構造とする。
必要な歯車、ラックギヤーの市販品は無いので、江戸時代に戻りヤスリなどを使い自作した。
その為、分度器、物差しで作りやすいようマンドレル駆動ギヤーは36山(360÷36=10度)、ラックギヤーの一コマ5mmは粘着ロール長180mmの36分の1と決定。
両方共に逆転防止の工夫を加え、停止位置の確定を行っている。

これを使うメリット

短気な人、不器用な人、ゴミに触りたくない人、も粘着ロールが使いやすくなり、住環境が清潔になる。

商品になるか?

特許権が確立しているかの調査必要。
製造ラインに積み込むには、ロールの着脱が必要であり、生産速度低下の影響が考えられるので、難しそう。
複数の歯(例えば36個)をそれぞれ駆動するよな別の考えが必要。

多少コストアップ(50円)でも、現在売り出されているスパイラルカットが有効か?


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