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2023.12.24(日) プレミア音楽朗読劇「VOICARION XVⅡ 〜スプーンの盾〜」東京公演 12月24日 18:00

今日は朗読劇を観劇に日比谷へ…

圧巻だった。引き算の美学を感じる無駄がなく洗練された、没入感を作り出す舞台。演目と併せたあまりの美しさに感動で涙が流れた。
立木文彦さんが演じる、名前の呪縛と自分自身で揺れるナポレオン。山寺宏一さんが演じる、ナポレオンを導き、その結果彼を苦しめてしまっている現実に苦悩し、また自分が持つ思いも別で抱えながら進むタレーラン。榎木淳弥さんが演じる、ただ純粋に料理を提供し笑顔を広めたい少年、またそんな彼もナポレオンやタレーランなど各キャラクターに影響され、政治にも巻き込まれ変わっていくカレーム。井上喜久子さんが演じる、カレームの右腕であり、ナポレオン、タレーラン、カレームを繋ぐ盲目の少女マリー。井上さんがマリーと兼ねてカレームの少年役も演じておられました。
それぞれのキャラクターの心情がお互いに交差し混ざり合い、ひとつのスープのように生み出される「スプーンの盾」という名の一皿、それを1秒も余すことなくおいしく頂きました。ごちそうさまでした。

ナポレオン、かっこよかったな。このお話で一番好きだったのはこのキャラクターなんだと思う。傲慢で自分本位のように見えて他人を観察し、褒めるところは褒め、筋の通った漢。あまりにかっこよく見えた。最後に“ナポレオン”という自分の名前に縛られていた彼がマリー作るスープを一口味わうことで視界の靄が消え、解き放たれるシーンは、今思い返しても涙があふれる。この朗読劇のクライマックスであり、開演から舞台奥と役者の間を分けていた半透明のカーテンが上がる演出にも大きな感動を覚えました。

他にもナポレオンが深夜厨房に忍び込むシーン、ナポレオンが戴冠する前日夜のタレーランとの会話、タレーランの名前を訛って呼び続けるナポレオン、カレームとナポレオンが重なって映るシーンetc. 語りつくせないほどに心を打たれるシーンが多く、演目が2時間半とは感じられないほどに密で、物語の10数年を感じられる内容だった。あー…改めて圧巻だった。

藤沢文翁さんの手掛ける劇を観劇するのはおそらく4回目。今回も圧倒されっぱなしだったように思う。あまりの美しさに俺は何ができるんだろうと、なぜか自問自答させられる。ただただこの美しさに魅了され、憧れる。受け手であるはずの自分がこんな感情になるのはなんでだろう。芸術のすばらしさを実感します。
次は来年4月の公演に足を運びたいな。そこでは何を感じるんだろうね。

では、今日もアニメにご馳走様、また明日。

P.S. やっぱり自分は藤沢文翁さんの書くセリフが好きなんだと思う。比喩が多く、現代の日本語ではない様でありながら、和を感じられる雰囲気がとても好きなんだと思うね。おしゃれだ。

P.S. 各役者さんの演技にも圧倒されたな。徐々に暴走するナポレオンを心配し、過去の自分が行った裏切りが目の裏に浮かぶように、「またこうなってしまうのか…」と苦しむタレーランを演じる山寺宏一さん、圧巻でした。登場人物全員が眩しかったな…

観たアニメ

・シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~ #13
・君のことが大大大大大好きな100人の彼女 #12[終] 
・ダークギャザリング #25[終]

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