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ジェフユナイテッド千葉2020シーズンふりかえり(その2 MF編)

前回に引き続きジェフの2020シーズンを振り返り、出場している時間内の得点失点について各選手ごとに調べてみました。


指標の設定 - 得点率・失点率

あらためて

得点率 = (出場時の総得点/出場時間) x 90
失点率 = (出場時の総失点/出場時間) x 90

としたうえで、チーム平均との差異をみています。その選手が1試合プレーしたときに平均して何点取れるか、何点取られるか、という指標です。

センターハーフ

4 田口泰士 (2658分出場)
得点率1.05 (▼0.07) 失点率1.32 (△0.11)
39 見木友哉 (1477分出場)
得点率1.46 (△0.34) 失点率1.52 (△0.31)
14 小島秀仁 (1254分出場)
得点率1.29 (△0.17) 失点率1.58 (△0.36)
18 熊谷アンドリュー (1250分出場)
得点率0.65 (▼0.47) 失点率0.65(▼0.57)
32 髙橋壱晟 (1153分出場)
得点率1.48 (△0.36) 失点率0.94 (▼0.28)

この数字だけ見ると戸惑いを隠せないので少し掘ってみます。
2020シーズンのセンターハーフの運用は、田口の相方を見木・熊谷・髙橋が争い、田口欠場時は代役を小島が務めるという形が多く、田口+小島の組み合わせは限定的でした。ところがこの限定的な田口+小島の組み合わせ、なんとなくうまくいってない感はありましたが、得点率 1.30(△0.19)、失点率 2.83(△1.61)と守備面で非常に厳しい数字で、この分だけ田口・小島共に数字が悪くなっていました。
さて、J1レベルな能力を個人としては終始見せてくれた田口ですが、小島との組み合わせを除いても得点率1.00 (▼0.12) 失点率1.04(▼0.17)でした。全体的にロースコアになるものの、田口がいればチームのパフォーマンスが上がったとまではいえません。チームとして田口をフルに活かせていたかと言われればそうでもないのかもしれません。
見木に関しては、いると試合が動く印象がありましたがそのとおり得点も失点も増えています。逆に熊谷は元々こんなに守備的な選手だったっけ?という感じなのですが彼が出ると甚だロースコアな展開になりがちでした。
小島は田口との組み合わせを除くと得点率1.29 (△0.17) 失点率0.96 (▼0.25)とかなり良い数字です。今季の巻き返しに期待したいところです。
この基準で最もよかったのが髙橋壱晟。前回昇格を狙うには得点率1.6、失点率0.9と書きましたが最も近い数字が彼の出場時に出ています。

4 田口 + 18 熊谷 (853分) 
得点率0.63 (▼0.49) 失点率0.74 (▼0.48)
4 田口 + 39 見木 (799分)
得点率1.13 (△0.01) 失点率1.58(△0.36)
4 田口 + 32 髙橋 (592分)
得点率1.37 (△0.25) 失点率0.76(▼0.45)
14 小島 + 32 髙橋 (458分)
得点率1.38 (△0.26) 失点率0.98(▼0.23)

センターハーフの組み合わせで450分を超えたのは上記の4つ。田口+髙橋のセットが最も良い結果で次点が小島+髙橋と、ともに髙橋壱晟を交えたコンビになっています。もしかしたら2020年は髙橋壱晟が大器の片鱗を見せた年、ということになるかもしれません。

サイドハーフ

13 為田大貴 (1784分出場)
得点率0.86 (▼0.26) 失点率1.26 (△0.05)
20 矢田旭 (1519分出場)
得点率0.83 (▼0.29) 失点率1.36 (△0.15)
8 堀米勇輝 (1242分出場)
得点率1.36 (△0.19) 失点率1.16 (▼0.05)
21 アランピニェイロ (1091分出場)
得点率1.24 (△0.12) 失点率1.15 (▼0.06)
10 船山貴之(938分出場) - SHとして
得点率1.15 (△0.03) 失点率1.15 (▼0.06)
50 米倉恒貴 (808分出場)
得点率1.56 (△0.44) 失点率0.78 (▼0.43)

(船山選手はサイドハーフとしてもセンターフォワードとしても長く出場していたので本稿ではSHとしての船山選手とCFとしての船山選手は分けて取り扱います)

終盤戦に差し掛かるまでメインセットだった為田・矢田は出場時間も長いものの、最後とってかわった堀米・アランと比べて得点率失点率ともに悪い形になりました。特に得点率の差は大きく、個人として点を取れていなかったこともさることながら、チームとしても彼らを含めた攻撃をかっちりとかみあわせることができていなかったようです。
中盤戦で川又・クレーべが相次いで離脱したためFWにまわった船山ですが、サイドハーフとしては及第点だったといってよいでしょう。
出場時間は短かったものの22試合に出場した米倉は、出ていればチームにいい影響を与えていました。(得点率-失点率)の差を考えると全選手中もっともいい数字となっています。怪我の影響もあり厳しいシーズンでしたが、今季の復活が期待されます。

13 為田 + 20 矢田 (1281分) 
得点率0.84 (▼0.28) 失点率1.33 (△0.12)
8 堀米 + 21 アランピニェイロ (647分)
得点率1.11 (▼0.01) 失点率0.97 (▼0.24)

サイドハーフの組み合わせで450分を超えるのはこの二つのみ。為田+矢田と比べれば堀米+アランの方が得点率も失点率もよかったはよかったが、堀米+アランの組み合わせでも攻撃がかみ合っていたとは言えず。サイドハーフの運用に悩んだシーズンだったことがよくわかります。一番良かった組み合わせは300分強しか見れませんでしたが船山+米倉でした。

終わらなかった。最後フォワード編に続きます。


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