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ジェフユナイテッド千葉2020シーズンふりかえり(その1 GK/DF編)

ジェフの2020シーズンを振り返り、出場している時間内の得点失点について各選手ごとに調べてみました。


はじめに

サッカーを観ていてよくある感想のひとつが、「あの選手がいると攻撃がかみ合う」とか「この選手がいると守備が固い」だと思います。そういった貢献度の高さを戦術面から掘っていくのも楽しいのですが、単純に数値化してみようという趣旨です。


指標の設定 - 得点率・失点率

具体的には

得点率 = (出場時の総得点/出場時間) x 90
失点率 = (出場時の総失点/出場時間) x 90

としたうえで、チーム平均との差異をみています。その選手が1試合プレーしたときに平均して何点取れるか、何点取られるか、という指標です。
野球でいう防御率に近い数字ですね。

基本数字は根性マイニングです。4バックから5バックに切り替わったとか右左を入れ替えたとかのタイミングに多少ずれがあるかもしれませんが、おおむねの数字感には差異はでないと思いますのでご容赦ください。


ゴールキーパー

1 新井章太 (3780分出場)
得点率1.12 (-) 失点率1.21 (-)

42試合3780分フル出場の我らが守護神。当然彼の得点率失点率はチームのそれと同じになります。この数字がベンチマークです。
さて、2021年も昇格が目標として設定されているのですが、具体的には今よりどれだけ得点を増やし失点を減らす必要があるのでしょうか。
過去5年間自動昇格したチームの得点率は1.59、失点率は0.87。ざっくり4割得点を増やして3割失点を減らさないといけません。2位のチームで見てもほぼ変わらず得点率は1.60、失点率は0.94。
ざっくりと得点率1.6, 失点率0.9を目指すべき数字と考えてよいでしょう。

センターバック

16 鳥海晃司 (2423分出場)
得点率1.00 (▼0.12) 失点率1.34 (△0.12)
15 チャンミンギュ (2362分出場)
得点率1.07 (▼0.05) 失点率1.33 (△0.12)
17 新井一耀 (1863分出場)
得点率1.35 (△0.23) 失点率1.06(▼0.15)
 5 増嶋竜也 (960分出場)
得点率1.13 (△0.01) 失点率0.76 (▼0.46)
 3 岡野洵 (398分出場)
得点率0.90 (▼0.21) 失点率1.58 (△0.37)

後半戦定位置をつかんだ鳥海はCBのうち最も出場時間が長かったが、必ずしも彼の出場時にチームが好調だったわけではありません。チーム平均と比べて彼の出場時には得点率が0.12低く失点率は0.12高い。序盤からCBの柱であったチャンも同様で得点率は0.05低く失点率は0.12高い。
この基準でよかったのは新井一耀。彼が定位置をつかんだ終盤戦にチームが上向いたことが数字にあらわれているが得点率は0.23高く失点率は0.15低い。
また出場時間は短いながらも増嶋の「出れば頼りになる」感も際立っています。CBとしての出場時に限っても得点率1.29(△0.17)/失点率0.86(▼0.35)と特に失点が大きく減っています。これは安定した守備の柱があれば守備が大きく改善する余地があることを示唆しているのかなと思います。岡野は頑張ってくれ。

15 チャン + 16 鳥海 (1106分) 
得点率0.81 (▼0.31) 失点率1.55 (△0.33)
16 鳥海 + 17 新井 (1059分)
得点率1.27 (△0.16) 失点率0.85(▼0.36)
15 チャン + 17 新井 (724分)
得点率1.49 (△0.37) 失点率1.12(▼0.10)

センターバックの組み合わせで450分(=5試合分を規定打席的に扱います)を超えたのは鳥海・チャン・新井の組み合わせのみ。
1-5の2試合ともがチャン鳥海のセットだったこともありこの組み合わせはだいぶ数字が悪くなっています。ただ、この2試合が3失点ずつだったとしても、失点率は1.22ですのであまりいいセットだったとは言えなさそうです。

サイドバック

33 安田理大 (2691分出場)
得点率1.14 (△0.02) 失点率1.34 (△0.12)
 2 ゲリア (1717分出場)
得点率1.42 (△0.30) 失点率1.05(▼0.17)
49 下平匠 (1180分出場)
得点率0.92 (▼0.20) 失点率1.22 (△0.01)
37 本村武揚 (1014分出場)
得点率0.80 (▼0.32) 失点率1.51 (△0.29)
 6 田坂祐介 (577分出場)
得点率1.09(▼0.03) 失点率1.25 (△0.03)

終盤のアクシデントまでは完全に定位置をつかんでいた安田。守備はもちろん大きな展開やセットプレー時に最終ラインに残るなど様々なタスクをこなし、なくてはならない選手でした。途中右SBにまわった時間帯を除くとLBとしての安田の得点率は1.15 (△0.03) 失点率は1.22 (△0.01)でほぼチーム平均と変わらず。下平は守備で何回かやらかした印象がありましたが、均してみるとさほど悪くはなかった形です。むしろ、攻撃面で安田出場時のほうがよかったといえます。
右サイドは大きく明暗。あきらかにゲリア出場時のほうがチームの成績はよかった。サンプルは少ないもののRB出場時で比較すると田坂(失点率1.10) 増嶋(失点率0.54)米倉(失点率0.66)とこちらも良い数字になるのでどちらかというと本村が水準に達していなかったように見えます。頑張ってたし悪くなかったと思うんだけど、小林さんに鍛えてもらってきて欲しい。

2 ゲリア + 33 安田 (1449分) 
得点率1.43 (△0.31) 失点率1.12 (▼0.10)
33 安田 + 37 本村 (830分)
得点率0.87 (▼0.25) 失点率1.41 (△0.20)

両翼の組み合わせで450分を超えるのはこの二つのみ。あとは時間が短くあまり参考にならない感じでした。安田中心だったことがここからも見て取れます。ちなみに一番アレだった組み合わせは安田+下平。いろいろと忘れたい。

続きはこちらです。


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