就活:あなたは新規事業の立ち上げをやりたいですか?

理系の研究志望の学生は多い。学生によっては会社で研究をしたい、と漠然と考えていたりする。

新素材の開発や新規事業をやりたいですか?

こう聞くと、大抵の学生はやりたいと言う。しかし、本当にそうだろうか。
同じ質問だが、例えばこう聞かれたらどうだろう。

うちの会社では新素材の開発だと給料は500万で、そこから昇給もしません。今の事業の改良研究なら給料は700万です。営業や人事なら給料は900万、昇給もあるし社長になる人もいるくらい昇進も早いです。あなたは新素材の開発や新規事業をやりたいですか?

こう聞かれれば、はい、と答える人は減るのでは無いだろうか。ここまで極端ではないにせよ、会社によっては部署ごとに待遇が異なることはよくある。別の言い方をすると、新事業が会社の役に立っていなくて、営業が頑張っているおかげで儲かっている会社もたくさんある(そういう会社の方が多いはず)。新事業が、会社の同僚に迷惑をかけていることは多い。

個人的な意見だが、研究者の方向性としては、新素材・新規事業の研究していくのか、役に立つものを開発していくのか、の二通りがまず最初の分かれ道だと思う。新素材開発の対義語は、役に立つものの開発、なのだ。ちなみに役に立つものの開発をやる人材が圧倒的に多い。

こう言われると違和感を感じるかもしれない。理学部の学生は特に感じるだろう。新素材や新規事業は、すぐに儲かるものでは無いが、将来の会社を支える重要プロジェクトになるかもしれないのだ。目先のお金を追いかけてばかりでは、他社との厳しい競争でだんだん儲からなくなる。基礎研究をやめると、いずれ会社は先細り、にっちもさっちもいかなくなるはずだ。
この考え方もよくわかる。僕自身そう考えて就活をしたし、今でもそういう気持ちは強い。ただし、この基礎研究重視の考え方は、少なくとも就活においては危険な考え方であることを認識すべきだ。

基礎研究重視の考え方の問題点は


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