最近やっていないゲームについて『ペルソナ5 タクティカ』編


どんなゲームなのか

『ペルソナ5』というRPGのスピンオフ。『ペルソナ5』本編と同じ登場人物、おなじ時系列が話が展開するが、本編には登場しないキャラクターが登場し、かつゲーム性がコマンド選択式RPGというよりはシミュレーションRPGに近い。

どんなところが面白いのか

本作は、シミュレーションRPGの中でもいわゆるタクティカルシミュレーションに含まれる。
すなわち、自軍ユニットを敵に近づけて近接攻撃を行うような比較的近距離での戦いというよりは、遮蔽物に隠れた敵をターゲットとして、より効果的にダメージを与えるために射線を通すことを意識して自軍ユニットを動かす遠距離主体のシミュレーションゲームであるということである。

これに近しいジャンルのゲームとして『XCOM』が挙げられるだろう。
同作では、遮蔽物や高さを利用して敵の攻撃を受けずに自軍の攻撃を当てるということが命題であるが、『ペルソナ5 タクティカ』においてもそれは同様である。

本作では、遮蔽物に隠れていないことのデメリットが非常に大きい。なぜならば、遮蔽物に隠れていない状態で敵から攻撃を受けるとそのキャラクターはダウン状態に陥り、ダウンさせた敵が再度攻撃をすることができるからである。

しかし、これは自軍においても同様である。
すなわち、自軍ユニットも遮蔽物に隠れていない敵ユニットを攻撃することによって再度の攻撃を行うチャンスを得られるということである。
また、自軍ユニットが起こした再度の攻撃チャンスにおいては、そのダウン状態の敵ユニットを囲むようにして自軍ユニットを配置すると、その囲まれている全敵ユニットに対してダメージを与えることができる”トライアングルショーダウン”という必殺技が放てる。

これによって、基本的には広く自軍ユニットを配置した方がより多くの敵ユニットに”トライアングルショーダウン”を浴びせることができるが、自軍ユニットを複数近距離に配置することによるカバーや、自軍ユニットの特殊攻撃によって遮蔽物から剥がした敵ユニットをダウンさせるようなことは難しいというリスクリターンが設定されており、それが面白い点である。

また、『ペルソナ』シリーズに共通の特徴ではあるが、やはりキャラクターが魅力的である。
本作は、本編とは異なりキャラクターがかなりデフォルメされたぷちキャラのような様相になっているが、これはむしろそのような様相でなければ銃撃の気持ちよさよりも怖さの方が勝ると判断してのことだろう。
本編と同様の頭身で本作のゲームが行われると、愛着的な理由からキャラクターを消極的に動かすことになってしまい、スタイリッシュさが損なわれる結果になっていたと思われる。

本作の完全勝利(各戦闘では勝利条件の他に「○ターン以内にクリアせよ」のようなサブミッションが3つ課せられており、これらサブミッションも全て達成した状態で勝利条件を達成すること)のためには、かなり大胆にキャラクターを動かす必要があり、それを妨げる要因を少なくするためにあえてカートゥーン調にしたとするのが妥当な解釈であろう。

これによって、タクティカルシミュレーションにありがちな、鉄橋をたたいて叩いて多叩いて渡るようなプレイではなく、ワイドにユニットを動かす、まさに怪盗のような大胆さを感じられるプレイフィールが面白い点である。

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