センスオブワンダー

私には1歳6ヶ月になる娘がいます。

子育ては日々戸惑いと驚きの連続で、自分が親になってはじめて子育ての大変さを感じています。大人になって子供が出来るまで、ここまで色々感じた事はなかった。今まで育てて頂いてありがとう、お父さん、お母さん。人間は一人で生きているのではない。自己意志で色々決められる世の中だけれど、確実に言えるのは生きていると言う事は、それは他人にとっての生命でもあり、自分だけの生命ではないと言う事。

子供と外を散歩していると、色々気付く事があります。空の色、空気の冷温感覚、小さな虫、動植物の形。全てが子供にとっては新鮮ですぐに反応します。大人になると色々な情報や人間生活の延長で、根源的な事への感動が薄れて来ます。ダンゴムシは皮膚みたいなものはないのに何故触ると丸くなるのか?カラスは夕方どこに帰って寝るのか? 散歩していると子供が反応する事象に沿って色々な事を感じます。当たり前ですが、大人は普段仕事をしたりしていると、そんな思考は生活の優先順位からは外れてしまいます。子供のその様な根源的で直感的な感覚はとても羨ましいなあと思います。センスオブワンダーは、子供のうちは皆持っているようです。いかなる視点でセンスオブワンダーを持つか、という事はその後大人の成長過程の架け橋としてとても重要なのではないかと考えています。

先日大好きな監督であるクリストファーノーランの新作、TENETを観ました。内容に関しての記述は避けますが、映像として本当にすごい。ストーリーの好き、嫌いは分からないですが、物理学の難問?世の中の根源的な問いかけ?を映像化するという点に置いて現代の最高地点にいる映像監督だと思います。皆が真偽が分からず妄想している事を映像化して、大衆に広める。これはやはり天才なんだと思います。そもそも信頼とお金と人脈を集めないと映像化できないですし。当時、スタンリーキューブリックの2001年宇宙の旅を劇場で見た年上の先輩は、生きていて最高の映像体験だった、と言われたのを記憶しています。私にとっての現代のキューブリックはノーランで、インターステラー、今回のTENETも映像体験として五感を揺さぶるので、是非おすすめします。

映画を観て、物理熱がヒートアップしたのもあり、時間は逆戻りするのか 高水裕一の本を読みました。blue backsの本はとても明快で、面白いです。今回の「時間は逆戻りするのか」もとても面白く、寝るのが嫌になってすぐ読破しました。時間、物質の重さという軸を真剣に考えて仕事にしている人がいることに感銘を受けたのと、こういった科学者の方はセンスオブワンダーを持ち続けているんだなという羨ましさを覚えました。「何故私たちはこの世に生まれ生きているのか?」。社会生活を送るにはどうでも良いですが、子供の気持ちを持ちつづけて、問いかけに対する思考を持ち続けたいと思いました。少なくとも世界中に疑問を持ち続けている人間はジャンルを問わずいるわけです。

近いうちに2回目のTENETに行こうと思います。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?