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育つ鉄扉に。PORTER'S PAINTS(ポーターズペイント)「リキッドアイアン」

お店のファサードでもあり、建物の顔とも言える前面(南側)に取り付けた鉄扉。

南側から見た立面図

ここは3枚のスチール扉になっていまして、一番左は固定。真ん中と右側が引き戸でガラガラと動き一番左の後ろ(戸袋)に格納される仕様となっています。この立面図は戸袋に格納されたお店をやっている時の感じですね。

扉でもあり、お店の営業時は目立つ看板とも言えるこのスチール扉。そもそもどういう形状にするかはアレコレと案があったものの、なるべく費用をおさえるために「枠を作って、そこに板を貼る」という超シンプルなあつらえとなりました。(それでも造作の扉なので戸袋含めてそれなりのお値段ですが)

課題となった「お店の顔として求める質感」

これは建物の顔でもあり、お店の顔でもあり。下手なことはできません。でも「お店のファサードとしての質感を出したい」というこちらの要望に対して「求める質感というのをどうやって職人に伝えて、どこまでやったら良いのか難しい」という話になりました。
とにかく拘ってあれこれ指示していけばできなくはないけれど…。そうやって職人さんに頑張ってもらう分だけ費用はかさ増しです。

だったら自分でやるか!ということで、みんな大好きポーターズペイントさんのアイアン塗料を自分で塗ることにしました。

PORTER'S PAINTS JAPAN

ポーターズペイントとはオーストラリア発の塗料屋さん。JAPANの通り、日本にも総代理店がございます。オシャレな家作りのブログなりinstagramなりでよく見かける、憧れのブランドでもありました。

  • 仕上がりの質感が良い

  • セルフペイントもしやすい

  • たくさんの色の中から選べる

  • 塗り方のレクチャーもしてくれる(というか、レクチャーを受けないと買えない)

  • 値段はやっぱり一般的な塗料と比べるとだいぶお高い

という感じです。

今回、自分が使いたいのは外に面する扉の塗料。金属製の扉なので、その質感をより強調した感じにしたいなと思っていました。候補は

LIQUID BRONZE&VERDIGRIS
リキッドブロンズ&ヴェルディグリス

LIQUID IRON
リキッドアイアン

という経年変化で錆が浮かんでくる塗料。時間の経過と共に表情が変わっていく「育つ扉」にしたいと考えました。

実際にレクチャーを受ける。

自分は世田谷にある本店のショールーム&アトリエにお伺いしました。

一枚板が雰囲気ある

車で行ったのですが、中々車で入る場所が難しくて「本当にここで良いのか……?」と思いながら恐る恐る入った記憶があります。

塗料を使う場所とその用途、適した塗料のサンプル確認をまず最初に。
一応の目星はつけていましたが、サンプルを踏まえて「LIQUID IRON(リキッドアイアン)」に決定。求める質感は経年変化で出てくる赤錆に任せることに。
ブロンズの方は緑青が出てくるのですが、これが思っていたよりも緑でちょっとイメージと違いました。アイアンの赤錆が個人的に好みなんだな、と再確認するとともに、建材でも色々な箇所にアイアンを使っていたのは間違いなかったのだと思いました。

サンプル達。錆の出具合なども確認できる

その次は実際に塗り方のレクチャーです。ポーターズペイントさん推奨の刷毛を使った塗り方を分かりやすく伝授してくださいます。
自分は屋内ではなく外用の扉にベタ塗りなので、そこまで細かいことは気にせず均一に大きく塗るというのを意識して練習させてもらいました。

あ、ここで推奨の刷毛について。
刷毛ってホームセンターに行けば多種多様なものが売っていると思いますが、個人的にポーターズペイントさん推奨の刷毛は見たこと無いサイズ感と質感でした。これを塗料と一緒に買うこともできるのですが、レンタルもやっています。
自分はこの扉に使った後に日常で使うことはほぼ無いかなぁと思ったので、レンタルを選択。また、使いこまれた刷毛の方が塗りやすそうだなというのもレンタルを選んだ理由の一つです。

実際に塗ってみた。

塗料はレクチャーを受け、何にするかを決めてから発注。そこから塗料の制作がなされるので、手元に届くまでは少し時間がかかります。ストックの在庫がある訳でもないらしいので、すぐに塗らないと間に合わない!という方はスケジュールにご注意を。

無事手元に塗料が届き、いざ実践です。
今回の対象は建物の南側、店舗の出入り口にあるスチール製の扉2枚と、戸袋部分のスチール壁の計3枚。扉部分が裏表あるので、面で言うと5面塗る想定です。(戸袋の裏は体が入らないので物理的に塗れません)

炎天下の中、ひたすら真っ黒に塗りたくる

倒さないように丁寧に扉を外します。1枚がめちゃくちゃ重く、夫婦2人でギリギリ移動させられる感じでした。
とりあえず養生をし、塗る態勢が整った段階でお手伝いしてくださる方も参戦。3人でガシガシ塗っていきます。

時は7月末。真夏も良いとこで、天気が良い日を選んだのでとにかく暑い。
塗ったそばから乾いていく感じでした。
一度塗って、ある程度乾かしたら2度目。天気が悪かったり寒い時期だとこんなすぐには塗れないと思いますが、本当にすぐ乾いてくれたのでその辺の段取りは楽でした。(汗だくですけどね)

二度塗りも終わって、乾かして。夕方になる前くらいには元の位置に戻せるくらいになっておりました。

真っ黒にキリッと仕上がった扉。

住み始めてからもしばらくグレーのぼんやりした扉だった場所が、キリッと引き締まった黒に染まりました。建物全体の表情も一段と引き締まったように感じます。

造作のガラス戸も引き込めるので、天気が良い時は全開放。

今の真っ黒な感じは最高なのですが、少しずつ鉄錆によって赤黒くなっていく経年変化もすごく楽しみです。その変化が建物全体として息づいている感じがしますね。

屋内だともっと養生をしっかりやったり、塗り方などももう少し気をつけるべきだと思うのですが、とりあえず使った感想としてはとても扱いやすく、専用の刷毛も良い具合でした。皆んながオススメする理由も分かります。
何よりレクチャーや各種相談を経て買うことができるというスタンスはとても良いなぁと思いました。

これから自分達で塗りたいと思っている方がいらっしゃいましたら是非ご検討くださいね。

楽天ルームやってます

こちらのnoteで書いたり書こうとしているもののご紹介を楽天ルームでもやっていければと思います。こちらも是非チェックしてみてくださいね。

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