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今更考察するBloodborne「青ざめた血を求めよ 狩りを全うするために」について

𝔅𝔩𝔬𝔬𝔡𝔟𝔬𝔯𝔫𝔢についての考察を日夜垂れ流しております、天地日月です

今回の記事はTwitterに以前上げたもののほぼコピペではありますが、Twitterをやっていない𝔅𝔩𝔬𝔬𝔡𝔟𝔬𝔯𝔫𝔢ファンとも交流をしたいと思い投稿いたします

暇つぶしにでも見て行ってくださると幸いです


Q、Bloodborne、何???

𝔅𝔩𝔬𝔬𝔡𝔟𝔬𝔯𝔫𝔢のストーリーなどと言いましても
「獣を狩っていたと思ったらいつの間にか触手だの虫だのを殺すことになって、気づいたら月から降りてきた何かに抱かれて終わっていた」

それが大体の人の初周の感想だろうと思います
最初にあった意味深なメモ、青ざめた血とやらも獣狩りの夜とやらもさっぱりのまま、何が何やらわかりません
では結局、𝔅𝔩𝔬𝔬𝔡𝔟𝔬𝔯𝔫𝔢の本編とはなんだったのか
今回はそれを解説していこうと思います

結論から言いますと
「青ざめた血を求めた、狩りを全うするために」
これが答えになるのが
Bloodborneという物語です

1、本編を辿る

本編を順に解釈していきましょう
まず第一に主人公は病み人であり同時に
「青ざめた血について興味がある」
これが前提の条件になります

OPにて誓約書を書くときに、輸血を行う老人に
「青ざめた血」について聞いているシーンから始まり、輸血を受けて写真のように

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この場合始まった悪夢は、獣に襲われる光景を指すと思われる
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一応悪夢から目覚めたらしいが進んだ先にはhpの減った獣がいる謎

主人公は自身の記憶が曖昧になってしまいますが
それでも青ざめた血への関心は残り続けます
これはギルバートさんとの会話でもわかることですが、主人公はメモを見る見ない関係なく
自身の出自の記憶を差し置いて
青ざめた血への関心から、前に進んでいるのです

「青ざめた血を求めること」
本編を進める動機は常にそこにありました
青ざめた血について調べるうちに医療教会の深部や秘密へ進むことになり、成り行きで秘匿を暴いて最後には悪夢まで行って怪しげな乳母を倒し赤子の鳴き声を止める

これがエンディングに向かって必ず辿ることになる道筋です
それと同時に

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こういう目的もあります
「逃れたければ」と、これを果たす裁量はこちらにあるように見えますがこれはエンディングに必要な条件です

つまり、エンディングの条件とは

・青ざめた血を求め、狩りを全うすること
・獣の病蔓延の原因を潰し夜明けを来させること

で両者は同じことを指すわけですね

2、「狩り」とその全うについて

狩りの全うとは、なんでしょうか?
全ての獣を狩り尽くすこと?
その見解を否定する気はありませんが、私はそれを意味するだけならばもっと良い言葉選びがあると思います

ここで私が重要視したいのは作中に於ける独特な「狩り」の解釈についてです

結論から言えば𝔅𝔩𝔬𝔬𝔡𝔟𝔬𝔯𝔫𝔢における「狩り」とは「探究し奪う行為」そして「継承する行為」を意味すると、私はそう考えています
描写とテキストを見ましょう
まず
・カレル文字「継承」

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血の遺志を継ぐ者こそが“狩人”である
この場合の狩人とは獣を狩る者ではなく古工房のへその緒にある“夢と共に始まった”狩人と思われる

・「死血の雫」

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“夢に依る狩人”

から言及があるとおり狩人、特に主人公属する「夢に依る狩人」は狩りの末に得る遺志を「継承して」力とする事ができます
仮にレベル上げを縛っていたとしても

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懐かしさ、古い意志の漂い

とストーリーが進行した結果言われるので
その“継承”はレベルに限らず「敵を殺し、遺志を得ること」で半ば強制的に行われていることがわかります

それは呪いのようにも見えますが主人公の力となるものでもある
いずれにせよ主人公の進む道には「秘密を暴くこと」と「遺志を継ぐ事」が否応なしに起きます

知りたいを求めるが秘密には隠す者がいる
だから殺して暴くことになる
その結果「遺志を負うことになる」

我々「狩人」が呪われたビルゲンワースの末裔である、とはシモンの発言ですが、それはやはり本当なのでは無いかと私は思います
ビルゲンワース同様に、狩人は殺して暴いて
やがてその行為自体に取り憑かれていく(血に酔っていく)存在です

長くなりましたが、まとめるとこうです
「狩り」とは継承を意味し、即ち「狩りを全うする」とは「継承を全うする」ことも意味する
これが私の結論です

3、青ざめた血とは

私が提示した𝔅𝔩𝔬𝔬𝔡𝔟𝔬𝔯𝔫𝔢本編のテーマのうち「狩りを全うする」が埋まりましたね
では次は「青ざめた血を求める」事です
この項は公式から多くのヒントと解釈が出されており、それを提示するのみです

まず作中に於いて「青ざめた」と表現される実体は2つ、秘匿が暴かれた後の
「青ざめた血の空」

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見たまえ、青ざめた血の空だ

青ざめた月

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狩人の始まり

そしてど直球のメモ

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公式のインタビューにもこのように

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ヤーナムの夜明けへ
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幼年期の始まりへ


二つの解釈が示されています
本編での説明がかなり少ないので、インタビューでしっかりと語ってくれています
それぞれの解釈に従った場合を見ていきましょう

まず上の青ざめた血(の空)を求めよ、と解釈する場合は「秘密を暴き赤子の鳴き声を止めること」が目的となり
乳母を倒すことでその目的は達成されました

獣の病蔓延の原因は潰され
狩りは全うされたのです
(なお墓が増え、夜は再び始まる)

では次に教室棟のメモに気づき「青ざめた血(月の魔物)を求めよ」と解釈した場合ですが
この場合では「月の魔物を狩ること」までが目的になります
なので介錯を受ける理由はない

まずは介錯を行おうとするゲールマンを倒し
その次に現れる、求めていた「青ざめた血」へと
向き合うことになるのですが..…
ここで条件の分岐があり
遺志を継ぐ者で終わるのか
人類の進化を始める者になるのか
そういうお話になっていくわけですね〜

3、まとめ

長々と書きましたが、Bloodborneのストーリーラインとエンディングをまとめるとこうなります

主人公は「青ざめた血」を求めヤーナムに訪れた
だがそれがなんなのかは分からず、それを求めることを動機として物語が進んでいた
その中で主人公は「青ざめた血」と「狩りの全う」について下記の二つの解釈をしてエンディングを選択することになります
1、青ざめた血の空へ辿り着け、狩りの夜を終わらせるために

2、月の魔物を求めよ、狩り(継承)を全うするために

1に該当するのが通常の夜明けエンドですが、それは失敗に終わります
終わらせたはずの夜は再び全く同じ状態で始まり
主人公の墓が狩人の夢に一つ増え
記憶を消され狩りへと送り出されてしまいます
何故ならそれは「狩人の夢」と「狩人」に求められた本当の目的ではないからです

狩人の夢と狩人の目的は赤子を作ることだった

そこからさらに秘密を探り2の解釈に行き着いて
「月の魔物」を求め介錯を拒絶したが、失敗に終わったのが継ぐ者エンドとなるのですが
それは主人公に月の魔物を継承しうる条件が足りていなかった故と考えられます

そこでへその緒を3本使い(未だ不明のなんらかの条件を満たして)月の魔物と戦う資格を得た主人公が“継承の全う”を果たし
遂に月の魔物の赤子となり
また人として上位者となる悲願も叶えられ
人類を新たな幼年期へと導いた
つまり「青ざめた血を得て、狩りを全うした」のが「幼年期の始まりエンド」というトゥルーエンドだったということなんですね

つまり𝔅𝔩𝔬𝔬𝔡𝔟𝔬𝔯𝔫𝔢とは獣狩りをする物語というだけではなく「狩り」による「継承」の物語であり
それは地下遺跡から始まる呪いの決着でもあり
主人公個人の探究の達成にも繋がる物語だった
そんなお話でした

余談:
今回は「本編の導線に絞って、極力想像の範囲を減らす形」で考察を致しました
この説を踏まえた上で生じた疑問についてもまた追記の形で非常に長々と、いずれ書きます

また個人的には穴が見えなくても他の方には容易に穴が見えるというのはよくある事です
読んでくださった上に指摘までしてくれるような親切な方が居ましたら是非ご教示願いたいです
本当に長々とありがとうございました🙇‍♂️

追記:アーマードコアのストーリー構成の上手さが話題になっていた中で、Bloodborneのわかりづらさが挙げられていたので
「いやBloodborneも同じような三周構成でこんな素晴らしいストーリーなんだよ!」という対抗心?厄介ファン心?が出てきてしまい
大幅改修をしてわかりやすく解説したつもりです

ちょっと傲慢ですが
これを通して少しでもBloodborneのメインストーリーの理解が普及されればな〜と思う次第です
長々とお付き合い頂きありがとうございました!

以下参考・引用させていただいたサイト様等々

テキスト等の引用元様

インタビュー記事の翻訳を掲載されていたサイト様

https://bloodborne.swiki.jp/index.php?青ざめた血

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