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地面がチカチカしている場所

「ややや!やや!アレさんは何だあー!」
と、その言葉は、現在、ママと散歩中の、
いぬうた市の、ぐーちゃんの声ですね。
きゅん君も隣を歩いていて、今日の 散歩ルートといえば、
ママが、ふたりが飽きないようにと、
嗜好を凝らして普段は通らない道を通っています。
そこで見かけた光景に、ぐーちゃんが食い付いたのです。
具体的に何かというと、交差点などでたまに見かける、
アスファルトの地面に埋まった、
赤くチカチカ光る警告灯にでした。
きゅん君はそれを知っていたので、
ぐーちゃんに教えます。
「ぐー、アレは警告灯だよ」
しかしこれ以上は知らなかったので、
「以上」
と締め括ったのです。
でも、それ以上の情報を知りたい、ぐーちゃんは、
「警告とな!で、きゅん、それは何なの?」
と聞きますが、
当の、きゅん君は聞こえないフリをして、
「いやあ、こんな道があったんだなあ。まだまだ、いぬうた市にも知らない道があるな。ママ、これからも新しい道を発掘してくれたまえ」
などと言って、ぐーちゃんの質問をごまかすのでした。
なので、ぐーちゃんは自身の疑問が解決しないままなため、
気になって仕方ありません。
その後もずっとあの赤くチカチカ光る、
警告灯のことを考えていました。
「あの方はあそこで一体何でチカチカされているのかしら?」
そのせいなのでしょうか?
家に帰って、ひと眠りしようとして、目をつぶった、
ぐーちゃんの頭の中に、例の警告灯が、
チカチカと光りました。
「ややや!やや!警告灯さん、ぐーのお頭の中にいついらっしゃったの?」
たぶん目に焼きついて浮かんだその警告灯を、
ぐーちゃんは頭の中に入り込んだと思ったのです。
「もしかして、ぐーに何か警告がおありなの?」
そして自分の頭の中に来た理由を考え始めたのです。
そうやって考えれば考える程、ぐーちゃんの頭の中で、
警告灯がありありと点滅して、
ぐーちゃんは気になって気になってたまらなくなってしまい、
「こら!警告灯さん!ただただお光になるだけじゃなく、理由さんもしっかり言いなさーい!」
と頭の中の警告灯に向かって叫びますが、
当然、警告灯がしゃべるハズもなく、
でもしゃべらないことでどんどんエキサイトして、
怒りまくる、ぐーちゃんなのでした。
ぐーちゃん、もしかしてこれは怒りすぎないように。
という警告かもしれませんよ。

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