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ぐーのおウチはどこ? 

現在の、いぬうた市は、朝でありますが、
その朝の、ぐーちゃんの様子といえば、
自宅の2階の寝室で、何やら、
うろうろきょろきょろしています。
ねえ、ぐーちゃん、その感じだと何かを、
お探しだと見受けられますが、
一体、何を探しているんですか?
「何って、見て分からないかしら?ぐーのおウチがないでしょ。きのうまでここのお角にあったハズなのに。ないのよ。ないのよ。ぐーのおウチが」
と、少々パニック気味な、ぐーちゃんですが、
おウチがない?とはどうゆう意味ですかね?
だって今、ぐーちゃんはまさしく、
ぐーちゃんのおウチの中にいるではありませんか?
「そんなことおっしゃられても、あれは、ぐーのおウチよ。確かに今、ぐーがいるのは、ぐーのおウチだけど、今、ぐーが探しているのも、ぐーのおウチなの」
うーむ、何やら、ぐーちゃん、トンチ問答みたいですね。
おウチの中でおウチを探している?
中にいるからおウチの全貌が見えないということでしょうか?
「違うわよ!それは何のお話よ!ぐーはただ、ぐーのおウチを探しているだけじゃない!ただそれだけなのに、何でそれがお分かりにならないの!」
と、パニック症状のためなのか、
イライラも募っているようですが、
あっ、分かりましたよ!
おウチがない!って、こうゆうことではないですか?
家にいるのに、ぐーちゃんにとって落ち着ける場所がない!
自分にとっての居場所がない!
というのをちょっと観念的に、
おっしゃっているのではないでしょうか?
すると、ぐーちゃん、イライラが爆発して、
「全然違うわよ!その観念さんって、どこのどなたなのよ!もう、ぐーを怒らせないでー!ぐーはただ、ぐーのおウチを探しているだけなのにー!」
と、このように大変おかんむりな様子です。
まあまあ、ぐーちゃん、ちょっと落ちついて下さいな。
おウチもいいですけど、今日はこれからどこかに、
お出かけするみたいですよ。
それも大好きなママと車でお出かけじゃないですか。
よかったですね。ぐーちゃん。
「お出かけはいいけど、おウチがないのはよくないから、ぐー、複雑な気分さん」
と、言いながら、ママに連れられて、
車に乗り込む、ぐーちゃんです。
と、乗り込んだ瞬間、「わー!」叫ぶ、
ぐーちゃんの声が聞こえました。
おや、ぐーちゃん、どうしました?
車に何かあったんですかね。
「あったわよ!あったも何もあったのよ!ぐーのおウチがあったのよ!」
と、さっきまでの不機嫌とは一転、
満面の笑みの、ぐーちゃんです。
「車の中に、ぐーちゃんのおウチですか?それは一体どうゆうことでしょうね。あっ、分かった?家の中に居場所のなかった、ぐーちゃんが、車の中に居場所を見つけたということでよろしいでしょうか?」
「違うわよ!もう本当、さっきから、ぐーの居場所の有り無しの話とか、訳の分からないことばっかり言って!ここにあるじゃない!ぐーのおウチが!これがまさしく、ぐーのおウチよ!」
と、ぐーちゃんがまた半分怒りながらも、
ぐーちゃんの視線の先にあったのが、
いつもは2階の寝室の角に置いてある、
ぐーちゃん専用のゲージでありました。
ちなみにゲージとは小さな小屋みたいなものですね。
何だあ、ぐーちゃん、ぐーちゃんが、
ずっとおウチとおっしゃっていたのは、
このゲージのことだったんですね。
それをおウチなんて言い方するから、
全然分からなかったですよ。
せめてお部屋とか言って下さったら、すぐに分かったのに。
「だって、でもここは、ぐーが1番落ち着く場所さんだから、やっぱりおウチよ。ぐーのお心のおウチなのよ」
と、いう、ぐーちゃんなのでありました。
なるほど。確かに、ゲージの中に入り込んだ、
ぐーちゃんはとてもリラックスしているように見えますね。
そうなんです。
このゲージはママが先程、車に移動させたのですが、
その理由というのは、ぐーちゃんが車移動の際、
いつも緊張しているようなので、それをママが気にして、
そこにきて、今日はちょっといつもより、
長く車に乗っていないといけないので、
いっそのことゲージを積み込んでみよう!
という、ママの配慮によるものでした。
「ママ、ありがとう!ぐー、これでお車の中でも快適さんに過ごせるー!」
と、早速、このママのアイデアを、
気に入った、ぐーちゃんですが、
「別に僕はどっちでもいいけどね。ゲージがあってもなくても」
と、憎まれ口を叩いたのは、
今回まるで出番のなかった、きゅん君です。
でも、きゅん君。ぐーちゃんと同じように、
やっぱり、きゅん君専用のゲージをママが車に乗せてくれて、
とても快適そうにしているではありませんか。


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