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真夜中に目が合う

ある晩のことでした。
いぬうた市の、ぐーちゃんは真夜中、自宅の2階の寝室で、
ぐっすりとみんなで眠っていたのですが、突然何故だか、
目が覚めると、誰かとバッチリと目が合いました。
その目は、ぐーちゃんをじっと見ていて、
ぐーちゃんは怖くなって、思わず目を閉じて、
そしてそのまま眠ってしまいました。
「今のは一体、誰のお目目だろう?」
そんなことを考えながら。
朝起きて、すぐにその真夜中の出来事を、
思い出した、ぐーちゃんですが、
目の持ち主はまだ誰だか分かりません。
なのでひとりひとり検証していくことにしました。
「まず、怪しいのは、きゅんだけど、きゅんの目とはちょっと違うような気がするわ。それに、きゅんとお目目が合ったら、あっちが何らかの反応をするわね」
と、きゅん君の可能性は真っ先に消え、
「となると、ママだわね。ぐーはママだったら1番いいなあ。と思うけど、普段のママの目より、もっと鋭い感じがしたのよね。いつもの優しいママの目じゃなかったわ」
なので、ママのラインも消えました。
「あと、おウチには誰がいたかしら?誰かあともうひとりいたような気がするけど、きっと気のせいね。ということは、あのお目目はおウチじゃない方のお目目となるわね。外から来た方となると、神様か泥棒さんね」
ぐーちゃんは以前に、真夜中こっそり誰かに、
撫でられていたことがあって、
その時、その人物は神様か泥棒じゃないか?
と推理したのですが、それがまた蘇ったのです。
「間違えないわ。今度こそ神様か泥棒さんね」
ぐーちゃん、本当にそうなんですかね。
やっぱり誰かひとりお忘れではないですか?
「あっ、そうだったわ!あの方。あの方。神様の泥棒さんかもしくは泥棒さんの神様よ」
えっ、そうきましたか。
神様の泥棒は意味分かりませんし、泥棒の神様も、そんな神様いるんですかね?
「じゃあそれだったら神様か泥棒さんね」
他にもいると思うんですけどねえ。
どちらにせよ、ちょっと怖くないですか?
神様、泥棒、どちらも違う怖さですけど。
まあ、そこまで、ぐーちゃんがそう言うんだったら、
ぐーちゃんとしては、神様か泥棒か?
どっちであって欲しいんですか?
「そうねえ。ぐーはどちらさんでも、いいんですけど、おウチにはたぶん泥棒さんが盗むようなモノは何にもないから、現実的には神様かしらね」
神様が現実的なんですね。それは。それは。
でも、たぶん正解は神様とは、
全てにおいて真逆のタイプな感じの方だと思いますよ。
「そうかしら。そんなことないと思うけど」
だって、正解は飼い主ですから。
「ゲーッ!飼い主ですって!そうだわ!誰か忘れていると思えば飼い主だったわ!そうかあ!そういえば、目がヤケに濁っていたような。ああ、何て気持ち悪いの。真夜中さんにずっと、ぐーを見つめていたという訳ね。いくら、ぐーが可愛いからって、皆さん、眠っている時間にそんなことしているだなんて。何か、ぐー無性にムカムカしてきたわ。ここは、きゅんにでも八つ当たりしないと、お腹のお虫が治らない」
と、ぐーちゃん、真夜中に目が合った人物の正体を知ると、
ムカつきが治らず、すごすごと、
きゅん君にいちゃもんつけに行ったのでありました。
まあ、確かに気持ち悪い行為かもしれませんが、
飼い主、よくこうゆうことやっていますよ。
きゅん君にも、ぐーちゃんにも。

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