何で、ひとりで下にいるの?
えっ?最近何か変わったことがないですか?って、
そうですねえ。いぬうた市は相変わらず、
相変わらずな感じですけどねえ。
あっ、そうそう。そういえば、きゅん君と、
ぐーちゃんなんですけど、
最近、夜、きゅん君が2階の寝室に寝るのでなく、
下のダイニングルームのソファで、
ひとり寝ることが多くなったのですが、
それがどうも気になるのか、ちょこちょこと夜中起きては、
きゅん君のところに様子を見に行く、ぐーちゃんです。
「あっ、いた。いた。あはははは。何やっているかと思えば、ただ寝てるだけー。あはは。うけるー」
と、今晩もやって来ました、ぐーちゃん、
何を言うのかと思えば、ただよく分からないことを言って、
笑っているだけですね。
対して、きゅん君、真っ暗い中、
突然、その声でたたき起こされて、
「何だよお」
と、返答するのが精一杯なようです。
しかし、ぐーちゃんは、きゅん君の対応が、
気に食わなかったらしく、
「何って何よ!それが、きゅんがどうかしていないか?様子を見に来てあげた親切な、ぐーに言う言葉?」
なんて反応で、たちまち、めんどくさい空気が、
真っ暗なダイニングルームに立ち込めてきました。
その空気を眠い中でも、いち早く察知した、
きゅん君は丁寧に、
「それはありがとう」
と返して、一応、一難を逃れたのです。
「分かればいいわ。ぐーも眠いから、それでは寝ます。じゃあ、すみおやー!」
とりあえず、ぐーちゃん、そう言い放って、
2階に去って行って、
きゅん君、ホッと一息ついて、再び眠りにつくのですが、
その眠りは長くは続きませんでした。
そうです。また、ぐーちゃんがやって来たのです。
それもわずか1時間も経たないうちに。
「今度こそ、いないと思ったら、まだいるわー。超うけるー」
ひょこひょことやって来て、そう言っては、
また爆笑して、
去って行って、ぐーちゃんに、そのたびに起こされた、
きゅん君は、その後もそんなことが数度続いた、
その数度目の時、いい加減、堪忍袋の尾が切れて、
「用がないんだったら来るな!」
と、激昂しました。
しかし、ぐーちゃんも負けずに、
「用ならあるわ」
と、言い返しますが、きゅん君、すかさず食い気味に、
「用があっても、今来るな!」
と、有無を言わせない迫力で、
ぐーちゃんを圧倒しまして、
それには、さすがの、ぐーちゃんも、
「何よ。きゅんたら。ぐー、心配して様子見に来てあげているのに」
と、すごすごと引き返すしかありませんでした。
でも、きゅん君、眠りを邪魔されてお怒りになるのは、
当然だと思いますが、ちょっとは、ぐーちゃんの、
気持ちも分かってあげて下さいね。
ぐーちゃんは、なんだかんだ言って、
きゅん君が一緒ではないと、不安で寂しくて、
でもその気持ちを素直に出すのは恥ずかしくて、
ワザとおどけたり、憎まれ口を叩いている、
だけなのですから。
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