ABAってペットの躾みたい?
このような意見を今まで何度も耳にしたり、ネット上で見たりしてきました。大人の指示に応じた子供に、ご褒美のお菓子を与えてる姿は、確かにそのように映るかもしれません。
私の答えはこうです。
「はい、その通りです」
「いいえ、違います」
つまり考え方次第だと思っています。
犬などのペットに、トイレトレーニングやお座り、ちょうだいを教える時には、皆さんどうしていますか?出来たらおやつをあげて褒めるし、出来なければ与えずに再度トライしますよね?水族館などではイルカやアシカのショーが開催されていますが、そのための芸を仕込むのも同じ方法です。
この教え方が既にABAなんですね。「行動した直後に良いことがあるとその行動は増える」原則です。
つまりABAは遥か昔から私たちが知らないうちに実践してきた方法であり、動物全般に有効であることが分かっています。
人間も動物である。という観点から言えば、ペットの躾と同じと言うことができます。
ただ、やはり我が子をペットと同じレベルで扱わないといけない…と考えると、セラピーをすることに躊躇してしまう気持ちも理解できます。
ここで覚えておいていただきたいのは、「お菓子を使うからペットの躾みたいに感じるのだ」ということです。
ABAでは、適切な(目標)行動の直後に、本人にとって嬉しいことが起こる。というのが大切です。嬉しい事であれば何でも構いません。おもちゃでも、抱っこでも、こちょこちょでも、褒め言葉でも、お菓子でも。
ですが、まだ褒め言葉を理解していないうちは褒められていることに気付きませんし、それで嬉しくもないわけです。抱っこなどもお子さんによっては感覚過敏などで苦手なこともあります。おもちゃも非常に有効ですが、遊び方がわからないと見向きもしなかったり、また夢中になりすぎて回収できなくなる恐れが出てきます。
こうして考えていくと、お菓子(小さく砕いたもの)というのは、どんなお子さんでも喜び、また小さくして与える事で口の中ですぐなくなるため、もっと欲しくてセラピーに前向きになります。
このような理由から自宅セラピーを始めた当初は、お菓子をご褒美に使用し、徐々におもちゃや褒め言葉などに移行していくことをお勧めしています。
そしてセラピーしている様子を見た誰かに「なんかペットの躾みたいだね」と言われたら、「ま、人間も動物だからね!」と余裕たっぷりに返せる日が来ることを願っています。
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