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セルフライナーノーツ(13~17曲目+α)

はじめに

何度目まして。テンタクル忍者です。
懲りずにライナーノーツです。いつもこのタイミングで、沢山の曲があるな~としみじみします。
毎回言っておりますが、これらは作者の勝手な言いぐさで、解釈を固定するものではないので気軽に読んでください。
今回はそこまで長くないです。

⑬愛と血反吐のエトセトラ

どちらかと言うと暗い恋の歌ばっか作ってますが、一般的に恋愛は明るいものではないでしょうか。愛は偉大ですね。
しかし本当に純粋で少女マンガのような恋愛しか存在しないのか?と問われれば、それはNOです。
何かを好きすぎるとき、胃の中が掻き回されるような、心を突き刺されるような、脳をぐちゃぐちゃにされるような、死んでしまうような。そんな強すぎる刺激があって、その暗く重い何かが血反吐になって体内から出てくる。そういうイメージで作りました。どうせ死ぬなら貴方に殺されたい。これも愛の形ですね。

この歌には「etc.」という単語が複数回出てきます。何ならタイトルにも入ってます。これも重く複雑な恋愛を表現したくて、この形になりました。愛と、この体内の血反吐のような感情と、それ以外の何らかの、言語化できないような感情。それらを含めて、"最期に僕を愛してほしい"。

ちなみにこちら、プロセカnextの「ダウナーな曲」テーマに参加した楽曲なんですが、これダウナーですか?感覚が麻痺してる。

⑭冬眠君を覚えず

冬眠したい。寒い!眠い!
布団の中で冬ごもりしてると、本当に外に出たくなくなります。でもこうしていっぱいの布団に埋もれるのが大好きなので、夏より冬の方が好きです。

タイトルの元ネタはもちろん、「春眠暁を覚えず」。春はぽかぽかで朝になったの気づかずにずっと寝てる~、という文章。
今回のタイトルでは、君に気づかずに冬眠する……というよりは、冬眠しているうちに君を忘れてしまう、という意味の方が強いかも。意訳ですね。その辺はおまかせということで。

ここでいう冬眠は、動物のような本当の冬眠ではなく、かといって布団にくるまってる状態でもないです。どちらかというと、精神的な冬眠のお話。
思考を凍結して、何も考えたくなくなる、全てを忘れたくなる、そういうときの冬眠です。そしてそれは自分だけに限った話ではなく、君も同じ。
沢山の人間が精神の冬眠をするなかで、僕は君の温もりを思い出せないけれど、その凍った意識の中に、輝く朝が来ることを信じているから、思い出せない君も、冬眠から解けることを待っている。
割と未来に向けた明るい歌です。珍しいですね。

⑮雨曝に絵筆

普段歌詞を書く上では嘘っぱち感情でっちあげ人間です。
例えば今回で言うなら、⑬。実際こんな重い感情を抱く恋愛などしたことないんですから、全部嘘ですよ。そういうものです。今までの曲も大体そう。いや、実体験を元にしたものはあったけど(青年記憶喪失機能とか、夢の茶会目とか)。

この歌は主に実体験、というか、実際の感情を揮発させたものです。
ご存知の通り絵を描く人間で、小さい頃から絵を描いています。物心つく前から、と言っても過言ではない。
そもそも創作って、何のためにやってるんでしょう。悲しみ、苦しみ、痛み、様々な感情があって、創作が原因で傷ついたこともありました。それはもう、かなり。
でも悲しいかな、その傷を癒すために、創作以外の癒し方が分からなかったんです。最早呪いと言って良い。創作に呪われ、囚われながら生きています。それは、今も。
でも創作は大好きです。そうじゃないとこんな、曲も絵も動画も自分でやる!なんてことにはなってないでしょうね。そういう意味では、創作は呪いである反面、救いでもあるのです。
それと、傷つき、創作に呪われた人間の作る作品には、創作への執念が籠ってて、深い作品になるような気がします。聞こえよく言うなら「こだわり」ですね。

「雨が僕の悲しみを洗い流してくれたら~何かに呪われたまま生きていなかった 生きていなかった」
この歌詞。一見、雨が洗い流してくれてたらピカピカの気持ちで生きていただろう、という風に見えますが、後ろの"生きていなかった"は少しだけ違った意味があります。それはそのまま、"死んでいただろう"の意味です。
数多の悲しみに流され、創作を辞めてしまっていたら、きっと簡単に死んでいたに違いない。そういう意味の歌詞にもなってます。
このMVの青年が最後に笑顔になるのは、その呪いを受け入れ、創作することを理解したからなんですね。実際、創作を楽しめるのはある意味才能です。苦しいとき、いっぱいあるので。

この曲を作ったとき、創作に関してショッキングな出来事があり、それがきっかけで生まれました。
これからも、沢山創作すると思います。それぞれが全て、テンタクル忍者にかけられた呪いの一つです。お忘れなく。

+α ハッピー・ライアー

1周年記念として、去年のマジミラ公募に出したものを公開しました。
詳しいライナーノーツはまた別途投稿してありますので、そちらをば是非。
(基本的にミクイメージの楽曲はナンバリングしない方針なので、こちらは+α扱いとなります。キャプションも0曲目だし。)

⑯ペールドリーム・バルーン

何かをモチーフにした楽曲を制作しようと思い立ち、友人から「風船」というヒントを得て制作した楽曲です。
風船って、空気がないと生きていられないんですよね。まあ、商業施設のものは空気ではなく厳密にはガスだったりしますがそれはそれとして。
かといって空気を入れすぎたり、少し尖ったものでつついてしまうと割れてしまうという、繊細なアート。

大きさの違う風船の口を二つ合わせたらどうなるかご存知でしょうか。空気が流れ込んで同じ大きさになるのでは?と思われがちですが、実際は小さい方がより小さくなるそうです。空気が多い方が外に対する圧力が強くて萎みにくいとかどうとか。不思議ですね。
貴方と僕で呼吸を分け合っていくうち、貴方は砂になってしまった。これは生きていく気力の差、愛情の差、色々と考えられますが、その何らかの差によって二人が決裂してしまった……というお話。
また、ペール(pale)は青白い、淡いという意味。風船の持つ、すぐ割れてしまいそうな儚さとの取り合わせです。あとユメカワっぽいイメージ(イラストには反映されてない)。
淡い夢の中で、貴方に伝えられなかった音を、風に乗せて、呼吸に乗せて。まだ壊れない愛を貴方に。

……何か、自分の楽曲を思い返すとこういう曲ばっかじゃないか?悲恋とか決別の歌が好きなのかもしれない。手癖。

⑰幻想鯨と青の目

人間、幻想や憧れというものは誰しもあるものです。
ずっと雨が続く世界で空の青さを忘れてしまうように、我々は暗い世界で憧れの青さを忘れているのかもしれない。でも雲の向こうには必ず青空があって、我々に見えていないだけ。あの雲の向こうには空いっぱいの大きな憧れがあるはず!

どれだけ大きくても水底に沈めば見えない鯨と、その中で微かにこちらを睨む――見えずとも必ずそこにある目と、隠された未来に一筋だけ見える希望の話です。
漠然としたイメージですが、「青」「鯨」「幻想/憧れ」の取り合わせは個人的に気に入っています。
これは完全に偶然ですが、前曲と色合いが被りました。青好きです。

……で、これ、いつ作った曲なんでしょうね。去年秋のボカコレが終わってすぐくらいには出来ていたような。お察しの通り、ボツ曲だったのです。
ただボツにしては曲も歌詞もとてもお気に入りでして、ずっとどうにかして公開できるような音にできないかと、この半年間弄くり回してました。時には全音源を打ち込みし直したりして。結果は上手くいきませんでしたが。
結局この半年で得た成果といえば、「自分の力では何とも出来ないことが分かった」ことだけだったので、もうこれはプロに頼もうということで、依頼しました。
かっこいい〜〜ッ。デモ音源も一応ジャンル的にはロックではあったのですが、ちゃんとしたロックとして昇華して貰いました。あまりにもかっこよすぎる。ギターが最高。これでデモ音源の亡霊も報われます。
で、せっかくいい曲にしてもらったので、ボカコレ春に持ってきたという訳です。ボカコレ秋の亡霊も報われます。

あ、ちょっとだけ動画編集も頑張りました。いつも自分の曲に対してはモチベが湧かないのですが、今回編曲していただいたことでモチベが湧きました。相乗効果っていいな。本当はもっとアニメーションとか盛り込みたかったのですが、如何せんボカコレまで時間が足りなかった。南無三。

区切ろう


今回はここで一旦終わりです。
最近新しく曲を作れていなくてやきもきしています。今までそこまで気にしていなかった部分に拘りが生まれてきた結果でもあるので、もしかしたら成長しているのかも。自分ではよく分かりません。

最後まで読んでくれた貴方はスーパーメチャサイコーテン忍マスターです。ありがとうございます。

自分で曲作って、絵描いて、動画を作るという自家発電スタイルはコンスタントに作品を出せることが強みだと思ってますが、何処かのタイミングで、1曲にものすごく時間をかけてみたりしたいですね。今はそこまでの気力がないので、それはまたいつか。

ではまたお会いしましょう。

2022.4.26 テンタクル忍者

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