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セルフライナーノーツ(18~23曲目+α)

はじめに

お久しぶりです。テンタクル忍者です。
いつものライナーノーツです。毎回ライナーノーツの最後の曲がボカコレ曲なので、大体半年に1回書いてることになりますね。
毎回言っておりますが、これらは作者の勝手な言いぐさで、解釈を固定するものではないので気軽に読んでください。
今回は7曲あります。帳尻合わせが上手くいかなかった。

⑱星天追宵

「せいてんついしょう」と読みます。実はタイトルをつけたのは忍者ではないです。

というのもこちらの楽曲は「ボカデュオ」という、歌い手・ボカロP・MIX師・絵師・動画師が仲間を集ってチームを作り、1つの作品を作ろう!という企画に参加したときの楽曲です。歌い手さんverは以下から聴けますのでそちらもよしなに。


実は最初この企画概要を拝見したとき「楽しそう!!!」と思う反面、いつも一人で作ってるし、曲を他人と作ったことないし、どうせな……と尻込みしてしまい、結局参加のツイートをしませんでした。また、ボカデュオに関するツイートも特にしてません。
が、そう思っていた矢先、歌い手のかけるさんから「ボカデュオで曲を作ってくれませんか?」というDMがあり、元から興味があった企画でもあったので喜んで承諾した、という経緯で参加いたしました。

この曲名はチーム名から取ってきています。決めてもらったチーム名が詩的で良かったのでそのまま曲のテーマ・曲名に使わせて頂きました。ちなみにチーム名はメンバー名の文字が使われてます。テンタクル忍者は「天」担当です。

テーマは読んで字の如く「星天を追って宵へ駆ける」。宵というのは日が暮れてすぐの時間帯らしいです。つまり夜の中で、夜明けから最も遠い時間帯と言えます。1番不安な時間帯です。
宵闇の薄暗さ、星も見えないけど太陽も沈んでしまう……でもきっと、その先には星が待っていて、その更に先の夜明けには、貴方が待っている。その空を駆ける一筋の流れ星になりたい。そういう歌です。

〜ボカデュオ裏話〜
普段好き勝手制作してるので、生身の人間が歌う前提の曲を作るのは緊張しました。いっちょ前に出せる音域とかテンポとか確認したりして。
あと忍者本人がまっったく歌が歌えないので歌唱指導などもできず、感情の解釈は全てかけるさんにおまかせしました。とてもいい塩梅で歌ってくれたのでこれには作曲者もにっこり。

またMIX担当のとらすたさんが「良ければギターを弾きましょうか?」と申し出てくださり、ギター打ち込み大嫌い人間なので頼りきりました。本当にありがとうございます。そして歌だけでなく楽曲自体のMIXもしてくださりました。ひー。頭が上がらない。

動画に関して。楽曲を作ったときに天を駆けるというところから「天使」をイメージしてて、でも翼を描きたくないのでボカロ版では絶対描きません!!!という話を漏らしたところ、絵師の毒島ヤコさんは天使を翼込で描いてくれました。すごすぎる。
それから打ち合わせでこんなイメージで曲作りました〜と言ったのをoinoさんが動画で表現してくれたというわけです。めっちゃ良い。良すぎてボカロ版にも演出をお借りした部分が多々あります。

改めてボカデュオに誘っていただいたかけるさんはじめ、コラボしてくださったチーム「星天追宵」各位、本当にありがとうございました。

というのがボカデュオ版の話です。ここからはボカロ版のお話をほんの少し。
こちらはギターのみボカデュオでも使ったとらすたさんのデータを頂き、あとはいつもの自家発電です。
久しぶりにアニメーションもどきを制作しました。元々こっちの畑にいるので、久々で楽しかったです。いつかはフルアニメMVも作りたいな。

+α <PROgram_System_Error_code:miKuhAtsune>

タイトルなっっっが。皆多分思ってる。
こちらプロセカULTIMATEという公募に応募した楽曲です。そのせいもあって、タイトルは略すと「PROSEKA」になるようにしていますが、この曲をプロセカと略すとごっちゃになるので、作者はカタカナ表記の頭文字を取ってプロシエと呼んでいます。
ちなみに頭文字を意識しすぎて投稿直前まで「code」を「cord」って書いてました。それ紐や。

VOCALOIDイメージソングの中には、VOCALOIDが消えていく、またはバグやウイルスによって侵食されていく……という楽曲が沢山あります。この楽曲はそれの真逆で、VOCALOIDがウイルスとして、他のプログラムたちを消していく……というヤンデレ楽曲です。多分知らないだけで、こっちのパターンの楽曲も山ほどあると思います。
何故侵食する側を選んだかと言えば、そっちのほうが作りたかったからというのもありますが、公募のテーマ的に相手を狂うほど愛してる方が良いなと思った次第です。つまり、曲調極振りです。そのせいでBPM128から逃げられない呪いにかかったので、ボス曲公募としては弱い曲に……とはいえ作るのはとても楽しかったです。

絵は直球に、初音ミクのド正面を描きました。あとモニター越しにこちらを見ている風の編集に。これ、全画面で見ると大変趣があって良いです。(インターネット老人的な感想を述べると、Windowsの音MADを全画面で再生したときの気持ちになります)
是非お試しください。


ちなみにこの楽曲、投稿して1ヶ月後にニコニコ推し枠・ニコニコTOP・ニコニコ公式Twitterなどにピックアップされまして、自己最速1万再生&観測できる全数字が過去最大&24時間音楽ランキング最高2位という、大変な瞬間最大風速を収めました。(↑記念にツイートを埋め込みました やった~)
また、沢山の方からTwitter、ニコニコ共々反応を頂き、本当に嬉しい限りです。
今まで初投稿曲が1番再生されてるという初速オンリー人間だったので嬉しさもひとしおですね。
忍者の活動ピークはここです。今後こんなことはないので、今のうちに噛み締めておきますね。

⑲歌龍と雪月花

プロセカNEXTに応募した楽曲です。
テーマが「泣ける曲」と聞いて、すぐに思い立ったのが民族調の曲でした。少なくとも作者は民族調の曲を聴くとインストでも泣きます。
お別れの歌だとか、歌詞が直接的にお涙頂戴みたいなものもよく書きますが、個人的にこの曲調の曲にあからさまな歌詞を載せるのは野暮かなと思い、間接的な単語を多く盛り込みました。
結果的に「泣ける曲」としてはかなり雰囲気ゴリ押しになってしまったので、一度は通常投稿しようかと思ったのですが、一応テーマを借りたので、結局プロセカNEXTに投稿しました。

歌詞を書いた際の大まかな想像を。
どちらかと言うと未来のない歌です。
龍の末裔、砂漠、罪。荒れ果てた大地で、僕が、あるいは大地が、歌を歌う。誰もいなくなったこの地や風は、たしかに自分の血肉になったけれど、今や自分を知る人間はなく、ここに流れた血の色を知る人間もいないのだ。
故郷はもうなく、本当の故郷を知っているのは自分の記憶と、風だけ。廃れた鐘が風で揺れて重く鳴る。そんな歌です。

この曲、リズムしかり歌詞の覚えづらさしかり、絶対に正確に歌えないと思う。サビで絶対噛む。

⑳ノックオン心拍数

実は2月くらいに作って、上手くいかなくて放置してた楽曲です。

広義ではヤンデレ楽曲ですね。
あまり意味重視の歌詞ではありませんが、一つ明確に意識した歌詞といえば、「緑の部屋」でしょうか。人間、緑の部屋に放置されると狂気に陥るという都市伝説(?)をご存知ですか?興味があれば調べてみてください。
話者の狂気を表したくてこの言葉を使いました。感情があったりなかったり、それを固めて無理矢理色をつけたり。既に感情は無いけど貴方への愛は重いほどあって、行き場のない感情が心をノックしてる音だけが心拍数となって聞こえる……という雰囲気。

ただ前述の通り、意味よりかは、リズムや言葉の響きを重視した歌詞です。「相対(あいたい・そうたい)」と「会いたい」「衰退/崩壊/動態」など。
特に「フローリング・ダンス・オーバー」とか「メランコリック・ソーダ」とか、もう語感と雰囲気だけで作ったことが伝わりますね。でもうまく収まったので割とお気に入りのフレーズです。
こういう歌詞を書くのは記憶の限りヨイドレラッタぶりでした。普段は文章で書くことがつい多くなってしまうので……。

㉑ニドナイサマー

これは去年の夏に「季節にちなんだ曲を作るぞ!」って作り始めたんですが、形になったのが1月というあまりにも季節外れの時期だったので夏になるまで寝かせてあった楽曲です。
(ちなみに季節曲のリベンジで生まれたのが「冬眠君を覚えず」です。あれは冬に作り始めて冬に完成しました)
二度とない夏、略してニドナイサマー。

このライナーノーツを書いてるのは投稿前、夏真っ盛りです。皆様は今夏如何お過ごしでしたか。
春といえば出会いと別れの季節ですが、夏が終わる頃になると次の別れがぼんやりと見えてきて少し寂しい気持ちになります。進路なんかの行き先も、希望はあるけどまだ受験は先、何処に行くのかわからないまま漠然とした別れが近づいてきている。
それは単なる距離的な別れかもしれませんし、永遠の別れかもしれない。作者は死別のつもりで書きましたが解釈は自由です。てかまた人が死んでる。

今年に限った話ではありませんが、最近打ち上げ花火を見られていません。花火いいですよね。この楽曲の歌詞にも何度か出てきますし、絵には大々的に出しています。音も実は意識してドン!という音を入れました。聞こえるかな?
華々しくもすぐに散ってしまうのは花火の醍醐味。死んで生まれ変わったら花火になって、空に打ち上がって君のもとへ行きたい。

個人的には2番の「汗ばんだ体を風が冷やす」と「冷えた心が熱を宿す」の温冷の対比と、花火が上がる空の向こう側、明るい上にいる君と、水面に沈む、暗い下に行く僕、という上下と明暗の対比が好きです。

㉒怎馬灯

当て字で「そうまとう」と読みます。
怎←この字。「そう」ではなく「いか」と打つと出てきやすいです。「いか」はゲソではなく、「如何」の方。「怎うして」と書いて「どうして」と読めるそうです。へー。
ちなみに他の「そう」案としては、「萐」「㿋」「懆」などがありました。

作ったときのイメージとしては、「胡蝶の夢」です。ニコニコでいいねを押してくださった方や、毎曲のフレーバーテキストまで読んでる方は知ってるかも。
皆さんは、自分が死ぬ夢を見たことがありますか?筆者は結構あります。というのも、普段からよく夢を見る体質なので、喜怒哀楽様々な夢を見たことがあるものです。自殺ではなく、他殺の夢が圧倒的に多いですが……。

例えば死ぬ夢を見る。そしてふとした瞬間に目が覚めて、現実に帰ってくる。何だ夢か、と思うのですが、もしかしてこれは現実ではなく、これから死ぬ自分の走馬灯ではないのか?と思い立つ訳です。
飛び降りたのが夢?君がいない屋上は夢?散る花は?走馬灯は?夢ならば、夢でくらい、赦してくれてもいいだろう、愛してくれてもいいだろう。
結局どれが現実なのかは、皆さんの解釈におまかせします。

㉓最終片道電車宇宙行

「僕らは駅に立っている」のときもそうだったんですけど、駅とか電車に対して良いイメージが無いんですよね。いや、良い交通手段ですし便利なんですけど、どうしても通学通勤のイメージが強くて……。

この電車は実際に宇宙を走っている訳ではないです。普段何本か電車を利用しますが、途中下車するので終点まで行ったことがない線が幾つかあるんですよね。
例えばスマホや音楽で外界を完全に遮断してしまって、電車の赴くままに終点まで行けたら、と思うことがあります。もしかしてこの電車は宇宙まで連れて行ってくれるのではないか。最後の片道電車、帰れないところまで。

これは歌詞を考えてるときに初めて知りましたが、フランジというのは電車の車輪に付いている出っ張りのことを言うそうです。正確には、車輪に限らずああいう出っ張りの名前らしい。
あれが脱線を防いでくれてる上に、おかげでレールに沿って走るためハンドル操作が要らないという優れもの。存在は勿論知ってましたが、あれって名前あったんだ。
最後だけ「濡れていく」ではなく「溶けていく」になっているのは、フランジが溶けて無くなると、何処に行くか分からない、死ぬかもしれない、という不安感を残す為です。最後が「此処に」ではなく「何処に?」なのも同じ理由です。どこいくねーん。

今回ボーカルに初めてsynthVを使いました。本当に技術の進歩は凄い。今回は好みに合わせて全体的に弄っていますが、ベタ打ちでもかなり滑らかに歌ってくれます。
忍者の作る歌は人間が歌うことを想定していない為に、音域が広くなりがちです。特に、低いところが女性ボカロだと歌えないことが多い。というわけで、今回男性ボカロを初めて買いました。いいな〜。これで曲の幅が広がることを願います。

あと余談ですが、この曲、中学生か高校生くらいのときに作った曲をちょっとだけ参考にしました。主に歌詞とメロディのリズムを。
当時作ったのはゆったりバラードの恋愛ソングでしたが、こういう形で昇華できたのは嬉しい誤算でしたね。新規アイデアが湧かなかった、というと聞こえが悪い。
機会があれば今の技術でリメイクしようかとも考えてましたが、今回の引用でそれもなくなりました。そういうこともある。

区切ろう

曲によって長かったり短かったりしましたが、結果的にだらだら書いてしまいました。
久々に〆切という概念から解放されたので、のびのび曲を作っております。今は次のプロセカNEXTに向けて作ってますが、よく考えたらこれ〆切では……?いえ、意識すると良くないので、深く考えないことにします。

最後まで読んでくれた貴方はウルトラステキスペシャルテン忍マスターです。ありがとうございます。

ではまたお会いしましょう。

2022.10.17 テンタクル忍者

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