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妊活で言うところの「仲良し」


婦人科では「『タイミング』を取ってください」って、ネット記事では『仲良し』するとか。妊娠するための行為に及ぶことを、様々な方面へ配慮した言い方、ふわっと薄い布で覆うような言い方をする。
妊娠を意識するようになってからというもの、色んな媒体で情報探しに躍起になっているけど、この表現にいつも何か、もうちょっと直接的で、でもいやらしさが無い、言葉にしても恥ずかしくないような表現ないかなあ、って感じている。

そんなこと思いながらも、夫に次の排卵予定日を伝える時は、「○日あたりにタイミング取ってね、って言われたよー。」って言った。今振り返ると、言われたからしようっていうニュアンスじゃなく、もうちょっと可愛く、「○日あたりにしたいな♡」って言えたら良かったな。可愛くないな、私。って反省した。みんなはどうやって伝えるんだろう。どうやったって、女性が先に排卵日を知るわけだから、女性側からの発信になるよね。って考えたけど、普段からセックスする習慣がある夫婦にとっては、排卵日を狙い撃ちにしなくてもいいのか、と思って虚しくなったり…。

そうこうしているうちに排卵予定日は迫ってきていた。日付は伝えてあったけど、お互い忙しくて、私は夜勤もあるし夫が帰ってくるのは深夜っていう日が続いていた。でもきっと時間なんてどうにか捻出できたんだけど、多分きっと、お互い恥ずかしくって忙しいふり、眠たいふりをしてて。排卵誘発薬を内服していた周期ではあったけど、「せっかく排卵してても今回は無駄になっちゃうだろうな」って諦めかけていた。
直接セックスを拒絶されたわけでもないのに、頑張っているのが自分だけな気がして、虚しくて虚しくて1人しくしく涙が出た。

そんな感じで過ぎていく日々だったが、なんとか奇跡的に1回だけ「仲良し」できた!めちゃくちゃ恥ずかしくって、部屋を真っ暗にして。なんとかできた、1年半ぶりの「仲良し」は、快感よりもありがとうの気持ちが強かった。妊活の前に立ちはだかっていたセックスレスという分厚い壁に、少し風穴を開けることができたような、ちょっとだけ向こう側の景色が覗けたような気持ち。恥ずかしさを乗り越えて、もしかしたら夫にとってはプレッシャーとか他にも私が知らない障壁があったかもしれないけど、色々を抱えながらも向き合ってくれて、素直に嬉しかった。

本当は、婦人科の先生にも、“数回”タイミング取ってくださいって言われていたけど。
妊娠できるかどうかは今は置いといて、私達夫婦にとっては貴重な1回、まずは「仲良し」できて良かったな。

妊活を始めてから、周りと比べてばかりで、無いものにばっかり目が行ってしまう日々だったけど、今回の周期で少しだけ進めた。側から見たら牛の歩みだろうけど、これが私たちに必要な時間なんだな、と思えるようになった。
これからも私達の心地よいペース、2人で探りながら、妊活に取り組んでいこう。


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