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もしもローマの異端審問に捕まったら…15世紀の異端者獄中生活

最近読んだ『評伝 カンパネッラ』という本に紹介されていたキリスト教の異端者の獄中生活が興味深かったのでまとめてみました。(カンパネッラは異端の修道士です)

観光名所のサンタンジェロ城がまさかの牢獄という…。しかし想像より良さそうな環境で意外でした!この時代にしては週二回の洗濯とタオル交換とか清潔な感じ…(←そこか)
異端審問と聞くと魔女狩りのようなひどい拷問のイメージがありますが、ローマの異端審問所は各国がむやみな裁判をしないように監視する役目を持っていたとか。なので、別の場所にある異端審問所が拷問する場合も、ローマの許可が必要だったそうです。とはいえ、するんですがね、、拷問、、、。

ただし、いきなり拷問にかけることはせず、嘘の供述や質問に答えない時などに、拷問にかけますよと予告した上で拷問器具などをみせつけ、改善が見られない場合に実施してたようです。
大抵は逃れたくて嘘でも本当でも白状するんですが、カンパネッラは狂人のフリをして逃れきったツワモノでした。

※このケースはローマではなくナポリの異端審問所に捕まったときの事例です。この人捕まりすぎ…

問答無用で無理やり拷問して自白して死刑、、みたいなイメージを持っていたんですが、ローマではそんなことはなく、本人の責任が問えない場合は死刑にはしなかったみたいです。逆に異端審問官が大変そうでちょっと同情してしまいました…(とはいえ暴力は反対です)

万が一有罪判決が下ってしまった場合も、自説を撤回すれば死刑は免れ、しかるべき刑罰を受けた上で放免されます。撤回するかどうかを回答する期間も2ヶ月くらい設けてもらえるようです。

以上、ざっとですが異端審問にかけられた異端者の獄中生活のご紹介でした。書いていて、言論の自由のありがたみを改めて噛み締めました。

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