全国店長会議|テンポスグループの2024年に向けた方針を社長が語る!
年末を迎え、2024年に向けた方針を伝えるテンポスバスターズ「全国店長会議」を開催しました。テーマは「日本人たるもの」の教育、出店戦略、ドクターテンポス戦略、さらには「守破離」まで。さらなる飛躍の足掛かりとなる2024年をどう戦い抜くか、社長の檄が飛びます。
まさに憂国。テンポスは「日本人たるもの」を教育していきます
今の日本は、かつての道徳が失われてしまって芯がなくなっている。国際競争力がなくなってしまっているのも無関係ではないだろう。テンポスでは「日本人たるもの」の教育をしていく。狙いは大きく三つある。
一つ目は、成長によって人的密度が薄くなるため。ヤマトの買収も含め、売上300億の会社が1年で400億になった。売上が1,000億になると人数も今の3倍になるので、現在いる社員教育が今以上に重要になる。だから、目の前の社員から「日本人」に仕立て上げていく。
二つ目は、最近こんなことがあった。若手社員7名が一緒に、代行業者を使って退職するということがあった。直接言いに来ないというのは失礼極まりないし、残念ではあるが、これが今の日本。やめる前に友人や親兄弟に相談したことだろう。1人が10人に相談したとすると70人。その70人全員が歯止めにならなかったということだ。会社を辞める人はみんな人のせいにしたがるが、これから1,000億、3,000億の売上を目指していく上で、そういう考え方の人達は足手まといになる。一方で、外国人はやる気があるよ。日本に生まれたというだけで『日本人たるもの』じゃない日本人なんかより、よっぽどいい。だから、新卒採用の半分は外国人にする。言葉ができないなんて関係ない。前向きな人で固める。5年の間に3分の1を外国人にしたいが、そのときに彼らにマナーを教えるのは今いる社員だ。そのための人材育成だ。
三つ目は、海外展開の話。マナーを身に着けた、シャンとした日本人でなければ、現地で採用した外国人にちゃんとした教育ができない。来年は海外展開元年。グループ会社のディースパークがミャンマーに日本語学校を開校する予定だ。ミャンマーには400以上の日本語学校があるものの、テンポスのように受け入れ先を持っている日本語学校というのはほとんどなく、とても歓迎されている。それから中古の厨房機器は輸出できる国が限られるが、ミャンマーは輸出可能で、現地に再生センターを作って現地の雇用も生む。彼らにメンテナンスを教えて、再生した冷蔵庫を隣国のタイに販売する考えだ。
さらに、社員は敬語と謙譲語の使い方を勉強するように。宿題だぞ。
恐怖の出店戦略「飽和状態になるまで店を出せ」
テンポスが事業を拡大するということは、犠牲になっているところもある。例えばコンビニは酒屋を、回転寿司はカウンター寿司を飲み込んでいった。テンポスの出店の陰でも同じようなことが起こっている。
最初に影響を受けたのは食器屋だ。ただ、彼らの場合はテンポスだけではなく時代の波に飲み込まれてしまった。食生活が変わり、家庭での和食器需要が減ったのを読み誤った。ならばと飲食店に目を向けたときには、既にテンポスがいた。食器は激減した。今後は、地方の中古厨房屋が影響を受けることになる。テンポスバスターズはどこに出しても黒字にできる。日本全国シャワーのごとく、飽和状態になるまで出店する考えだ。だから、どこにどのような競争相手がいて、その競争相手と戦って勝つ戦法を考えないといけない。とはいえこっちは大手企業。競争相手が耐えられなくなるまで「エリア価格」を打ち出すこともできる。トータルで利益が出ていればいいじゃないか、と。
我々の戦略はこうだ。「統計上、今のままでは存続が厳しいと思いますがどうですか、一緒にやりませんか」とそのエリアの厨房屋に提案していく。誇りがそうさせるのか、最初はなかなか話を聞いてもらえないだろう。でも、お店の雇用を守ることなど、合理的な話をすることで味方にすることができる。敵対的にやるか、一緒にやるかの二択。一緒にやるならこちらから仕事を回して協力してもらう。そのために、まずはエリアの厨房屋をリストアップするところから始める。
ドクターテンポス戦略
1店舗あたり20人のメンテナンス要員「メンテドクター」を配置する計画だ。120店舗になったら2,400名体制になる。彼らはメンテだけではなく営業マンにもなるので、CIS事業部の社食等を活用して飲食店に送客していく。メンテドクターの500人は、店舗の格付診断士の勉強に加えて、SNSでの発信も行っていく。格付け診断のコメントを書いて「いいね」を集めながら1万人以上のフォロワー獲得を目指す。
また、格付診断士の中からセミナー講師を選抜。飲食店向けに、毎月20~50件の集客セミナー等をオンラインで実施する。テンポスドットコムは「WEBの船井総研」を目指す。セミナーの収益は、テンポスドットコムが3年で100億円、さらには1,000億円を目指すために重要だ。
さらに、格付診断士は飲食店を回っているうちに、飲食店が何をしないといけないか分かってくるから、コンサルタントの勉強もする。最初は「うまくいかない」もあるから月に1,000円でスタートして1,000店舗集める。1年経てばノウハウも貯まるので、月10,000円。そうなると年間1億2,000万円になる。
企業の「守破離」
「守破離」は武道や茶道など、「道を究める」ときの「基本、発展、個性」という段階を表す言葉だが、企業にも置き換えられる。
企業の「守」は既存事業。前年対比で10%、15%というのは「守」の話だ。
「破」は抜群の収益、新規開拓。テンポスでいえば新規オープン客に対する不動産紹介からの受注。内装工事や厨房機器など、単価の大きい受注を取ることだ。メンテドクターも、格付診断士も、「破」だ。
新規オープン客は、全体の4%程度。新規開業者は不安を持っているから、彼らから何に困っているか、話を引き出していく必要がある。そのためには単なるアンケートではなく、聞き出し話法が必要だ。聞き出し話法とプレゼン、クロージングの三つがセット。いきなり女性に「何歳ですか」と聞いても答えてもらえないように、話してもらうためには順序がある。重要なのは「相手がべらべらしゃべりたくなるように聞く」こと。「そうなんだよ」と言ってもらえることを投げかける。相手の立場に立って「大変だねぇ」「そうなんだよ」が三回くらい繰り返されると、もう仲間になれる。相手が心を開いてくれるトークで、新規オープン客を捉えていく。
「離」は外食から離れてまったく新しい領域。
とある製菓企業にFCをやらせてほしいと言っている。拡大のための勉強。会社の組織、金を利用しながら、今の事業と離れてやる。
今迄と同じことをやっていると消えていく。国内で売れないものは海外で売るなど、常に次の手を打ち出していく。
おわりに
テンポスグループは、単に働くだけではなく、「テンポス人」としての在り方を常に意識しています。目指す高みに向かうための厳しさは、一緒に頂上を目指すための優しさでもあり、これからもヒィヒィ言いながら走っていくことになりそうです。
さあ、来年も大きくジャンプしますよ。みなさんもご一緒に!