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妻がガンになりまして④

「自分の体がどうなっていくのか?その不安で涙が出る」

抗がん剤投与による治療も二回目となり、「手の親指が痛い」「味覚がしない」「体がだるい」などの副作用がありつつも、日々なんとなくぼちぼちと過ごしてくれています。

抗がん剤の影響で「大好きな温かいおうどんがおいしくない!」とのことで、たらみのフルーツゼリーを凍らせたものとキレートレモンがお気に入りのようです。

基本は階段の登り降りも辛いようなので、リビングにお布団をひいて寝てもらっています。

ちなみに私たち夫婦は元々別の部屋で寝ていますが、その理由は

私の「いびきがうるさすぎる」です。

脱毛に関しては今現在それほど顕著に表れていないのですが、周りの方のお話によると「3回目終わりからグンとくる」らしく、脱毛に備えてカットした「家田荘子」ヘアーは今も健在で、購入済みウィッグはひっそりとその出動を待っています。

妻が検査入院中猫にちゅーるを与えるために備蓄しているクローゼットで唐突に表れたウィッグを発見したときは焦りました。暗がりで見るそれに驚き、肩を壁に強打してしまい、猫は走るわ、私はうづくまるわで、地獄絵図でしたので、先に言っておいて欲しかったです。

当初妻は職場復帰した上で通院での抗がん剤投与を所望していまして、「入院した方が楽だけどまかせるよ」との先生の提案にも、「入院は猫に会えないから嫌!」と「私の存在は?」と問いたいぐらいはっきりと言っていたのですが、妻の場合想像以上に体への負担が大きく、息切れや倦怠感に加えて、薬の副作用、血糖値のさらなる徹底管理などで自宅療養しています。

特に食事に関しては私一人分だけ作るとなると効率も悪く、前まで作っていたお弁当や作り置きもやめて、買い置きしてる惣菜をお互い好きなものを好きに食べるシステムにしています。

私が自宅がいる間は少しは気も楽になるようで、入院中の病院での出来事をこれでもかと教えてくれます。

大学病院の血液検査は大勢の看護師さんがいるため、スーパーのレジ係と同じぐらい当たり外れがあること
病院のコンビニではカットリンゴ争奪戦があること
私の髪の毛がいつもくるくるボーボーで無職だと思われていること
病院の設計上抗がん剤投与の病棟は食事が運ばれる時間が早く、冷める前のあたたか~いごはんが食べれること
妻よりステージが重度でも心配ないさといつも笑顔で色々教えてくれるご婦人達のこと
いつもよくしてくれる看護師さんや先生のこと

ほんとに色んなこと

そしてこれからどうなるのか不安になり涙を流しながら語る。

大丈夫、よくなる、なんて言えるわけもなく、ただ聞く。
突き放してるわけでも、特別寄りそうわけでもなく、ただ聞く。

猫が「何事?」と見ていますが、そこは猫なので寄ってくるわけでもなく、じっと見ています。

長い人生です。私もそして誰しもうまくいかないことはあります。
あせらず身を任せていればなんとかなるし、ならないかもしれない。

今はそんな感じです。

つづく

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