DAOが目指せる世界観とは?Joiさん(伊藤穰一さん)から学ぶ、その可能性
こんにちは!tenpapaです!
仕事と趣味(web3&キーボード)の時間の使い方に目処が立ってきて、本格的にweb3に関してを調査したり、コーディングをしたりなど楽しい時間を確保する術が分かってきた今日このごろです。
さて、今回はDAO(Decentralized Autonomous Organization|自律分散型組織)が目指せる世界観について書いてみたいと思います。
「あ、DAOってこういう世界観も達成できるんだ〜」と読者が思ってくれる事が本記事のゴールです。
なぜこのテーマを扱うのか?
DAOという言葉がバズワードのような形でニュースに登場し、DAOの特徴でもある「みんなで平等に決められる」「トークンが貰えるから、トークンの価値が上がれば儲かる」という点を聞いて、「今までの組織では存在しないし、なんか凄いかも!」と感じるのは私も含め多いのではないでしょか?
しかし、DAOを深く理解しようとしたり、DAOと呼ばれているグループ(多くはDiscordでコミュニティ運営をしている)に入ると、ふと立ち止まって思うことがあるのです。
これは金儲けのツールに過ぎないのではないか?
これがなんの為になるのだろうか?
私も、そのように感じた一人でもあり、一度DAOの可能性を自分なりに整理する必要があるなと思ったのです。それが、このテーマを扱おうと思った理由です。
その上で「なぜJoiさんの考え方を引っ張ってきるのか?」というと、理由は3つです。
1つは、DAOのあるべき姿なんて正解がないので、アテを立てて調べないと、沼にハマっていく可能性が高いこと。
2つ目は、日本語のソースではお金儲けの話しか基本的には書かれていない(多くの記事がアフィリエイトサイトか企業のコンサル記事なので)ので、日本語の記事を要約するだけでは全く役に立たないと思ったこと。
3つ目は、自分がhenkaku discord communityのメンバーだったこと。
そんなわけで、JoiさんのDAOに対しての考え方を下記の動画を参考にして図解してみました。私の勝手な解釈なので、Joiさん本人は「違うよ〜」って言うかもしれませんが(笑)、そのときには修正をします。※途中からスタートさせているのは、今回まとめるにあたって参考にした箇所からを明確にするためです
DAOが目指せる世界観(ゴール)とは?
「ゴール設定でDAOの形は大きく変わる」という点を動画の中でも述べており、今まで通りの金儲けとしてのDAOとして利用するゴールであれば、そのDAOを作ることは容易です。
なぜなら、既にオンラインサロンといったweb2時代から行われてきたサービスがあり、ファンたちをDiscordに呼んできてトークンを発行し、トークンの価値を上げていって最終的に売りぬけばキャピタルゲインを得ることが出来るからです。
しかし、Joiさんが描くゴールは違っていて「多様な人たちが生きている世界の中で、楽しく人生を生きる」というゴールを描いています。
ここで重要なのは「多様性」と「楽しく生きる」です。また後ほど出てくるキーワードなので覚えておいてくださいね。
DAOにおけるトークンの3つの使用目的
DAOにおいては、DAO独自の通貨とも言える「トークン」が発行されるのが一般的です。
このトークンについては、3つの役割があるとJoiさんは動画の中で語ります。
貯蓄の役割(持っておくと価値が上がるもの)
決済手段の役割(DAO内で何かを購入するものとしての手段)
為替の役割(DAOの外のものとの交換価値を決めるもの)
為替の役割が分かりにくいので補足します。
為替の役割で動画の中で例に挙がっていたのが「ハンバーガートークン」というトークンでした。
自分はハンバーガーが大好きで、しかもハンバーガートークンでしか購入できないハンバーガーが毎日食べたいとしましょう。
もし、このハンバーガートークンを円で購入しようとすると、毎日100円〜1000円の間で変動するならば、心の安定は訪れないですよね?だって、毎日価格が大きく変動するわけですから。
しかし、ハンバーガートークンが手に入るDAO内にいて、そのDAO内で仕事をこなすことでハンバーガートークンが手に入るとしたらどうでしょうか?
円との為替では大幅な変動がありましたが、ハンバーガートークンが手に入るDAO内であれば安定してますよね。だってある仕事をこなすと貰えるハンバーガートークンは決まっているわけですから。
このようにトークンには他のトークンや法定通貨との為替の役割が存在し、他との比較によって、あるトークンの価値を決めることが出来るのです(ここでいう価値というのは自分にとっての価値です。ハンバーガートークンの話で言えば、ハンバーガーが好きじゃない人からしたらハンバーガートークンは無価値なわけですから)
「お金がすべて」の価値観からの脱却
先ほどの話が、なぜ「お金がすべて」の価値観からの脱却になるのか?というと、ハンバーガーが毎日食べたい!って人からすれば、ハンバーガーDAOの中にいれば衣食住の「食」を満たすことが出来ますよね?
これまではすべてが法定通貨、日本で言えば「円」で測定されていたので、モノサシが1つしかなかった。すると一次元的にしか測れなかったんです。
しかし、衣食住のすべてがそれぞれのDAO、例えば「食」はハンバーガートークンで、「衣」はエアクローゼットトークンで、「住」は空き家トークンで、みたいにすべてをトークンで賄えるとしたら、「円」という既存の法定通貨を使用しなくても生きていける事になります。
先ほど、多様性の話を出しましたが、人は本来一人ひとり好みが違います。つまり多様なのです。「円」という方法論ではなく、多様なトークンという形で生きる事が出来るならば、「円をこれだけもってるぜ!」といって競争というか勝ち誇った感が出てしまう世界から「こういうトークンで私は暮らしてるんだ」という形になって勝ち誇った感が出なくなるんですよね。
ニュースやメディアで金持ち特集をするのは、価値の計測方法が「円」という一次元的だからであって、多次元的な価値の計測方法が存在できれば、「こういう多様な人達がいます」特集に変わるのだと思います。
なぜなら、人々の興味関心は「いかに円を増やすか?」ではなく、「いかに多様なトークンを組み合わせて、楽しく生きるか?」に変わるからです。※これがゴールが変わるということ
「お金に交換できない」が永続的に続くコツ
Joiさんは動画の中で、さらに重要な話をしています。それが「お金に交換できない価値が広がっていくことが永続のコツ」です。
DAOでもなんでも、立ち上がりは圧倒的なリーダーが必要です。キリスト教やイスラム教、ハーバード大などでも最初は誰かが(カリスマ性のあるリーダーが)立ち上げたものなのですから。
しかし、人の命は有限で、永続的に何かを存続させようとすると一人の命を超える必要があります。※これが実は難しく、ソフトバンクやNidec、ファストリなど名だたる大企業でも創業者の引き継ぎに躓くことはよくあることです
そのときに重要なのが「お金に交換できない価値が広がること」だというのです。宗教や大学を例に取れば、宗教の教えの部分はお金で交換できるものではありませんし、大学の学位もお金で交換することはできません。
このお金で交換することが出来ない価値が広がれば広がるほど、そして長く続けば続くほど、(キリスト教やイスラム教のように)永続的に存続する仕組みが出来上がっていくのです。
DAOの中心メンバーがやるべきこと
では、DAOの中心メンバーがやるべきことは何なのか?というと、この「お金に交換できない価値」が健康的に継続しているか?を管理することなのです。
ハンバーガートークンの話で言えば、もしハンバーガートークンを発行しすぎてしまったことでインフレが起きて、毎日ハンバーガーを食べたい人が食べられなくなったしまったら価値が無くなってしまいますよね?
ハーバード大であれば、ハーバード大から発表される論文が嘘偽りだらけで、ハーバード大の学位が世間的に無価値となったらハーバード大に超絶優秀な人達が入らなくなりますよね?
そういう事を避けるために、中心メンバーが存在するのです。
私がDAOが面白いなと思う理由
私は昔から国連とかNPOとかに興味があったのですが、「円」という一次元的なモノサシでは民間企業のほうが自分が成し遂げたい事ができる!と思って、資本主義経済の真ん中あたりにいようと一所懸命でした。
しかし、今回のJoiさんの話でワクワクするのは、「円」に頼らずとも(完全に頼らないのは無理かもですが、少なくとも依存度を減らすことは出来る)人生を豊かにできる方法論が見つかったことです。
多様なトークンだけで暮らせる世界が来たときに、人の多様性が開放され、見たことも想像したこともない世界がやってくる可能性すらあります※絶対王政の時代に民主主義なんて想像できなかったわけですから、社会システムがガラッと変わる可能性なんてザラにあると思います。日本もわずか100年前には女性は参政権がなかったんですよ
そんな未来になったら・・・と思うとワクワクしてなりません!
さいごに
DAOにおいて重要とされるリーダー不在での意思決定プロセスやガバナンスの方法など、完璧なDAOには未だまだ程遠いのが現状だと思います。
ただ、様々なところで実験がされているのは事実ですから「これが成功例!」みたいなのが続々出てくるのも、そう遠くはない未来な気がしています。
そんな過程も楽しみながら、僕は僕なりに人生を楽しく生きたいなと思います。
みなさんもDAOをぜひ楽しんで見てください!
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