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手のひら先生の高麗手指鍼療法 6 二千年以上治療家は進化を考えたことがなかった その2


フェーズⅠ~Ⅲまですべてのツボが現れます。

ノジェ式耳鍼ではこのフェーズが何を意味するのか、まったく説明がありませんでした。

ノジェ式耳鍼はフランスから始まりイギリス・アメリカで普及しています。

何冊かノジェ式耳鍼法を米国アマゾンから取り寄せました。

そこにはフェーズのことは何も書いていません。

博士が分からなかったので、お弟子さんたちは全く分からずそのことに触れることは出来なかったのでしょう。

触れないでも治療には支障はなかったのですね。

同時に取り寄せたDVDでは精神疾患の講義が行われていてうつ病が取り扱われていました。

鍼治療は日本のように腰痛肩こりだけでなく、精神疾患に応用されていることが分かりました。

アメリカではうつ病の治療に需要があるのかと知りました。

ノジェ式耳鍼は気の流れ経絡調整とは無縁な物理療法なので、欧米では入りやすいのでしょう。

日本に耳鍼が伝えられた時医療としての耳鍼ではなく、ダイエット目的の鍼として広くマスコミに宣伝されました。

そのことでノジェ式の耳鍼は、残念ながら日本では医療との鍼として普及しませんでした。

私としてはノジェ式耳鍼は鍼治療法の中でも優れた治療法として評価しているのですが。


ノジェ博士の耳鍼はすべての臓器のツボと脳神経のツボがフェーズごとにすべてのツボが出現します。

高麗手指鍼ではツボの並び方もまちまちです。

フェーズごとに臓器と脳神経のツボがきれいに並ぶことはありません。

手のひらのツボは臓器と脳神経のツボが重なるのです。

それは神経の走行と関係があるのではないかと推測しています。

これを表した神経の走行図は本には載せてあるのですが、パソコンのどこかに隠れているらしく見つかりません。申し訳ありません。

恐らくそうとは推測していますが、それを科学的に検証する術はありません。おそらくこれからもなぜは説明できないでしょうが。

さて、このフェーズな何を意味するのか?

悩み考えた末に元東京芸術大学教授三木茂夫著「生命形態学序説」を読んでいたので、もしかして?と検証にはいりました。

フェーズⅠを魚の時代 フェーズⅡを鳥の時代 フェーズⅢを人間の時代だろうと推測しました。

それらの時代を判別する手立ては何かと言うと、いくつかの臓器がその時代の特長として出現しますのでこれを基準にしました。

魚の時代に心臓は体に血液を循環させるだけのただのポンプでした。

それが陸上に上がった時に鰓呼吸が肺呼吸になり、心臓は肺に血液を送らなければならなくなりました。

鰓呼吸なら泳ぎながら鰓に水を通過させることで、酸素を取り入れることが出来ました。

それが肺と言う臓器が加わり肺は自ら運動して呼吸することが出来ません。

周りの筋肉例えば横隔膜の運動で肺を膨らませたりしなくてはなりません。

更に血液を送ってガス交換をさせなければなりません。

そのために心臓は二つ部屋を増やして、身体から戻った血液を肺に送る働きを増やしました。

ガス交換を終えた血液を一旦心臓に戻し、そこから全身に新鮮な血液を送り出す方式に変化したのです。

フェーズⅠとⅡでは、心臓と肺に大きなな変化がありました。

そのほか大きく変化したものが免疫システムです。

コロナウイルスでたびたび取り上げられるので一般の方たちも馴染みになったかもしれない、自然免疫のほかに獲得免疫のメカニズムが加わったのでした。

外敵から自分を守るだけの免疫システムが、自分の細胞から派生したがん細胞を認識し攻撃することもできるようになったのです。

高度なシステムを備えたのですが、獲得免疫が暴走をすることがあるのです。

コロナウイルスで重症化して肺が炎症を起こすなどはこの暴走です。

一般に知られているのは関節リウマチで、紀元前から人類は苦しんでいていまだ解決策はないのです。

人間が進化して高度な組織になりそれがいったん狂い始めると、薬だけでは対処できない病気になります。

免疫疾患などはその典型的なものでしょう。

ただ人間がこのように変化してきた組織やシステムは、正しい刺激を与えてやるとそのシステムが持つ修正機能が働いて、正常な機能に戻っていくのです。

さてフェーズⅡからⅢへの大きな変化はあったでしょうか。

鳥から人間への進化の過程では大きな変化はありません。

唯一女性の生殖器官として子宮が加わりました。

それまでは卵として生み出されたものが、体内で育てられるために子宮が備わったのです。

細かいことを言えば胎盤なども備わったのです。

さてこのような臓器の変化をフェーズごとに見出して、それがどの時代であるのかを識別すれば良いことになります。

と考えましたが、ことは簡単ではありません。

フェーズⅠ~Ⅲまでにすべての臓器と脳神経のツボが出てくるのです。

このことが恐らくノジェ博士もそれぞれのフェーズが何であるのか判断できなかったのでしょう。

上の画像に表しているのは、脳の脳幹・大脳辺縁系・大脳皮質と関連する進化の時代です。

例えば大脳皮質はフェーズⅢです。

その情報や命令伝達は大脳皮質から辺縁系を通過して脳幹を通り、身体この場合は手のひらに伝わるのです。

したがってフェーズⅢの情報、ツボはフェーズⅠの下に隠れているとみなします。ちなみにフェーズⅠは脳幹になります。

同じくフェーズⅡも同じように埋もれているはずです。

埋もれているツボを掘り起こし図に表したものがフェーズⅠ Ⅱ Ⅲになります。

問題はⅠ~Ⅲまで見分けがつかないことでした。

そこで考えたことがあります。

東洋医学の古典「黄帝内経素問霊枢十八巻」には、心臓の経絡を治療してはならないとされています。

それは古代の治療家たちは心臓が単体の臓器ではなく、2つの役目を持った臓器であると分かっていたのでしょう。

4つの部屋を備えた臓器なので、単一の臓器と見て治療すると患者を殺すことになる、経験的に理解した結果そのような結論になったのでしょう。

私は自分の不整脈を治すために、心臓の4つの部屋個々のツボを見つけ、補瀉を考えて治療しました。

このようなツボはいままでなかったと思います。

右心房 右心室 左心房 左心室 のツボをフェーズごとに見つけました。

オーリングテストと言う日本人大村恵昭博士が発明された診断方法で検証します。

フェーズⅠでは他のフェーズとは違って、反応が少ない薄いと表現するようなツボが出ます。

これがフェーズⅠとⅡ ⅠとⅢの差なんだと判断しました。

全てのフェーズにすべてのツボが現れるのですが、そのツボを検査すると強弱の差が出ます。

これはそのツボがそのフェーズに現れる真のツボであると考えられます。そのほかはフェイクのツボとも言えます。

ただこのフェイクのツボに鍼を刺したとしても、全く効果がないわけではありません。ただし真のツボよりは効果が少ないと言えるでしょう。

このことが高麗手指鍼の治療の場として、手のひらの中には進化の痕跡がしっかりと埋まっていると言えるのです。

表現が上手くないので伝わりにくかったかもしれません。

鍼治療が単純ではないと理解していただければ、今回は成功かも知れません。

最近の研究では恐竜には羽毛が生えていたらしいです。

鳥が恐竜の祖先と言われて記憶していたのですが、なぜそうなのかが疑問でした。それが氷解しました。

時代の境目はシームレスでつながっているので、おそらくノジェ博士が見つけ出したように、人間になるまでは6回ほどの大きな変化があったのではないでしょうか。

サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。