手のひら先生スタイルの高麗手指鍼 その3 鍼灸師の選び方


昔は問い合わせが良くありました。

「先生のお弟子さんは関西方面にいませんか」とか「お勧めの鍼灸師はいませんか?」

このような方は私がホームページで公開している症例をみて、近くで同じような治療を受けたいと問い合わせてくるのです。

医者に掛かり診断が同じなら同じような薬を処方されます。

鍼灸師の場合実は診断からして個々人に差があると言わざるを得ません。

腰痛や肩こりなどなら診断技術を駆使しなくても、痛いところを聞けば誤ることはまずありません。

問題は内臓疾患に係る疾患の場合は、脈診やオーリングテスト・フィンガーテストなどの方法で診断しなければなりません。

血液検査や診断の機械を使うことはなく、すべて個人が磨いてきた感覚を基にした診断技術がすべてになります。

元明治大学中村雄二郎教授の「共通感覚論」を基にすれば、よく訓練されたものだけが同じように診断が出来ることになります。

ただ東洋医学の世界でこの感覚を獲得するには、本を読んだりして得られるわけではありません。

必ず先達から「習う・教えてもらう」ことが必要になります。

それは昔から言われる「弟子入り」と言う制度が相当します。

私は東洋医学は個人企業と同じだと考えています。

同じことを同じように習っても社会に出ると、100人100通りのことをやってると仰ったのはあんまの先生でした。

鍼灸師でも同じです。診断技術・診断方法は人によって持っているものが違います。

持っている気のレベルが違うので、この方面の診断・治療成果が違います。

蓄積した知識の量と理解の仕方が異なるので、治療の戦略と戦術が違います。

将棋は知らないのですが、天才と騒がれている藤井棋聖などはおそらく250手先まで読んで、将棋を指しているはずです。

若いときの将棋指だとそのくらい考えると聞きました。

円熟するとそもそもそれまで考えることが出来なくなるそうです。その代わり左脳で考えていたものを、右脳も働かせて闘うようになっていくそうです。

「ツボなんて何でもいいんだ」と言った先達のような領域になっていくのでしょう。

さて、いい先生を紹介してくれませんかと聞かれた時、こう答えていました。

まず電話帳の鍼灸専門ページで探します。通える範囲でいくつか見つけます。そして電話して次の項目を尋ねましょう。

1、脈を診ますか?鍼灸師の診断の基本は脈診です。脈診は達人の域に達しなくとも、基本以上のことが出来なくてはなりません。誰かに弟子入りされていたかどうか、これを聞くだけで判断が出来ます。

2、脈は診ないが、ほかのオーリングテストやフィンガーテストを行っています。と答えがあれば、まあ良いのではないでしょうか。

3、経絡治療しますかまたは本治法をしますか?痛みを取るだけなら問題ありませんが、痛みのほかに内臓疾患など持病があれば、気を整えることは必要です。経絡治療なんて自分は知らなくても、この言葉を出せば相手も本気で質問に答えてくれるはずです。また経絡治療を何処かで学んでいれば、それだけ知識と経験がある方とも判断が付きます。

4、以上に誠実に答えてくれるなら、信頼できる鍼灸師と判断できるでしょう。脈診や本治法は基本の知識と技術だからです。また訓練をどこかでしなくてはなりませんので、その経験もこの質問で推測できます。

5、次に本題の自分の今困っている症状を聞きましょう。 その病状名について解説してくれればなおいいですね。治した経験ありますか?と聞いても良いでしょう。珍しい症状だったら今までないかもしれません。がしかし、同じような近いものを治療したというかもしれません。その時はこのように治療経過でしたよと解説してくれるかもしれませんね。

6、治りますか?と聞いてすぐ治りますと答えが返って来たら、これは考えものです。当院で何回で確実に治せると即答できるのは、「腸の癒着治療」と「脊柱管狭窄症などの腰痛」だけです。ネットでは難病なのに最低限良くなりほとんどが完治するというので通ったらとうとう失明した。隣に座っているおばあさんがブルブル震えているのでどうしましたと聞くと、「パーキンソン病です。もう1年も通っています」と答えたそうです。おかしいと思ったら次のところに電話しましょう。どのような疾患でも個人個人で条件が異なるので、本当のところは治療を始めていないと先は読めません。

7、何回ぐらいで治るでしょうか? 料金のこともあるし、時間的なこともあるし聞きたいことでしょう。多くの場合痛みの例ですが、何回ぐらいで効果が出始めこのくらいで痛みが消え、完治になるのはこれだけかかります。そのような図を描いてくれるなら、信頼できまね。

再び電話がかかってきました。「治療に行ってきました。~~~」「ところで行く前に私が教えたことを試してみましたか?」「いいえしませんでした」

ほとんどな方がこのようになります。なんで大事な自分の身体を粗末に扱うのだろうと疑問です。

平気ですよ。鍼灸師なんて日本にはごまんといるのですから、大切な自分の身体を任せる前になぜ十分に下調べをしないのですか?

何も知識のないところから始めて経験を積み体験重ね、その中から厳選したものなので実践してほしかったですね。

例えば私の治療院では「関節リウマチ治療」を治療科目として載せています。

リウマチの原因は東洋医学では二千年以上解明できなかったことです。

とすれば従来連綿と続いてきた東洋医学の手法では解決できないはずです。

新たな光を自ら見出して治療しなければならないのですが、そのような記述は見当たりません。

西洋医学ではリウマチの完治は現在は放棄してしまって、生物製剤使用で完解と謳っていますが、最近は副作用の危険性が声高になってきました。

更に脳に関する疾患は、東西医学とも脳の研究はスタート時は並んでいたはずです。

現時点で科学的研究で西洋医学には先を行かれていますが、まだまだ治療や予防に関しては東洋医学、と言っても手のひら先生の高麗手指鍼だけだと考えているのですが。

サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。