手のひら先生のリウマチ相談室 3 鍼治療はなぜ二千年も継続できたのか 気を学ぶ1
「鍼もあんまも、気で治しているんだぞ!」授業中先生がこのように烈火のごとく怒ったので、また新入生が按摩の先生を怒らせたんだと思いました。
また生徒の中で鍼をやりたい、あんまはやりたくないと、馬鹿にしたようなことを言ったのかもしれません。
だけど「気って何だ?」とその時に初めて気になりました。
ところで気とは何ですか?と聞かれてもほとんどの方は即答できないかもしれません。
その理由は日常生活で気という言葉を無意識に多くの場所で広く使っているからです。
天気 元気 気分 気持ち やる気 気が抜ける 空気 気功 生気 気が利く 気を引き締める 気配 などなど。
私たちは日常何気なく「気」という言葉を使っています。
古代から中国では森羅万象、あらゆる変化するものに「気」の言葉を使って説明してきたようです。
何気なく使ってきたので「治療に使う気とは?」となると、すぐ説明することは出来ません。
奥が深いからでしょうか?
誰も説明できないからでしょうか?
人によって気の理解が異なるからでしょうか?
人によって出している気のレベルに差があるからでしょうか?
どれも正解のようで分からないというのが正直な話ではないでしょうか?
更に、鍼治療や按摩の世界の気の話になると、専門家でも説明が難しいと思います。
中には、話したくないとか教えたくないとか、習うものではなく譲られるものであるという方がいるかもしれません。
実は入学する前から東大赤門前にある、東洋医学関係の本が揃っている井上書店に行きました。
すると「淮南子に現れた 気の研究」平岡貞吉著と言う本に出合いました
そのほかにも「気の研究」黒田源治著 なども購入しました。
治療に結びつく「気」に付いては本からは読み解くことは出来ません。
そのような状況で最初は神田古書店街に行って、中国関係の書店で「気」に関する本を漁りました。
スポーツ日本社が民間療法や気功のことでも詳しいようでした。
気功を特集した本に、自分のがんを独自に編み出した気功で治した女性が紹介されていました。
何年かするとその女性が来日し確かフジテレビで紹介されていました。
その頃は気功のブームが起こっていたのです。
どうしても気を学びたいと必死になって、本や様々な媒体を集め学びました。
そのような中はっきりとは覚えていませんが「月刊ムー」に載った広告が目に留まったのです。
2日間の気功セミナーの広告です。
主催者は「鳥居隆篤」さんでした。
私は全く知識がなっかったのですが、先生はあの「北斗の拳のケンシロー」のモデルになった方でした。
と今は言えるのですが、当時から数えるともう30年近くも経過していました。
先生は古武道の世界では有名人だったそうです。
参加していたクラスメートから聞いたのは、「先生は埼玉県大宮市の氷川神社近くに本部がある、八光流で四天王のお一人と言われていたそうです」
この古武道では気のコントロールに長けているのでしょうか、先生はその中でも有名な方だったようです。
セミナーが終了した翌年から、週1回の御稽古が始まりました。
セミナー終了した後少々不安でしたが、この授業が始まったのでとてもうれしかったのを覚えています。
花園神社で稽古が有ったり、新宿御苑で行われたり楽しい思い出があります。
銀座の稽古場を借りた時が一番の思い出があります。
ここで衝撃的な体験をしたからです。
「オーラが見えた」「背後霊が現れたのです」初体験は驚くべきものでした。
目の前に大きな顔が現れたのです。週1回の稽古が始まってから3か月は経過していました。
習った呼吸法を毎日繰り返し練習していたこと、鳥居先生と言う気の達人のそばにいたことが、このような能力が付いたことだと後に気が付きました。
気を出したり、感じたり、オーラが見えるようになるには、呼吸法を行うことが大事だとは言われますが、それだけでは十分な成果を得ることは出来ないだろうと思います。
私は体感することから気の入口があったのです。
本を読んだりビデオを見ることよりも、まず体験から入りました。
それから2,3か月後ぐらいに衝撃的な体験が起こったのでした。
3年生になると臨床と言う授業が始まりました。
治療に長けた先生が生徒を患者にして腰痛などの治療を実践して見せてくれるのです。
他の生徒はベットの周りに陣取って食い入るように実技を見ていました。
私と何人かの生徒はちょっと離れて見ていました。それはその先生の治療の仕方だし、ツボの名前も見ていれば分かることだしと、やや冷めて見学していたのではなっかったでしょうか。
ふと私は思い出して「そうだオーラが見えるようになったのだから、先生が手の中で何をやっているのか見てみようと」なりました。
するとどうでしょう。
鍼を刺す腕を見ると波が次々と岸に押し寄せるように、患者になっている生徒の身体に入っていくのです。
「なんだこんなことを鍼灸師はやっているんだと」見てしまったのです。
それを境にして、その先生が自ら発見したツボなどと言っても、それはその鍼灸師が一番気を入れやすい場所なんだなと理解できるようになりました。
次も私が学んだ気の修行をご紹介いたします。
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