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手のひら先生の高麗手指鍼療法 66 手のひら先生の高麗手指鍼療法とはどのような治療法?  解説の2


鍼治療と言えば本場は中国と日本人は思うでしょう。

確かに日本で行われている鍼治療は、中国から伝えられてきた体のツボに刺す伝統的な治療法です。

仏教伝来ととともに伝えられたと言われるのですから、もう1500年ほどになるのです。

中華料理やフランス料理など日本人は自国人に合わせて工夫を加えてきました。

同じことが鍼灸治療でも起きているのです。漢方薬はすでに日本仕様になっていますよね。

日本と中国にはさまれた韓国の鍼事情はどうだったのでしょうか?

わたしは古文書研究家ではないので詳細は分からないのですが、どこの国にもどの時代でも優れた治療家はいるものです。

一人は柳谷素霊が絶賛した松 又渓(ソン ウゲ) 師でした。

もう一人は日本ではあまり知られていない舎岩と言う坊さんでした。

彼は「舎岩五行鍼」と言う、日本で言う経絡治療を500年前に完成させていました。

経絡調整は中国ではしませんし、日本でもなかなか完成していませんでした。

ところが不思議なことが過去に2つありました。

お一人はあのお灸と整体でリウマチ治して有名な澤田健師です。お一人は柳谷素霊師です。

どちらも方も日韓併合時に韓国に渡っていました。そして期せずして帰国してから画期的な理論や治療法を発表しているのですね。怪しいですね?

恐らく舎岩などの理論に触れることで得るものがあったのではないかと私は疑っています。

2、韓国の鍼灸事情

NHKで放送された、イ・ヨンエ主演「チャングム」の誓いが放送されました。

因みに日本で働いている韓国人に聞いたら「彼女は韓国の吉永小百合です」と教えてくれたそうです。

あの番組中で韓国の王様は中国に貢物を差し出し、南の方では日本から海賊「倭寇」に攻められていました。

厳しい状況にあったことが分かりますが、その中でもこのような治療家がいたことは驚きです。


澤田健師は数年韓国内を放浪していたと読んだことがあります。

柳谷素霊は韓国にはお米屋をするために渡ったそうです。

その彼が帰国して「経絡治療」を弟子に研究させたのは何が切っ掛けだったのでしょうか?

恐らくお二人とも何らかの刺激と知識を韓国内で得たはずです。

そのようなバックボーンがあるにもかかわらず、韓国鍼灸がそれほど盛んではないのはどのような事情があったのでしょうか。

韓国では鍼灸治療を行うには大学の医学部、東洋医学を学び漢方医にならなければなりません。

漢方専門医と漢方薬剤師と鍼灸医の資格を取得するのです。

うる覚えの知識ですが、このような制度になったのは「日韓併合時に日本人は鍼灸師の地位は社会的に低いという観念まで持ち込んだからだそうです」

その結果日本が敗戦した後に、「鍼灸資格なんてものは医学部に入れてしまえ」となったそうです。

資格取得後の漢方医はほとんどが漢方薬専門医になります。その方が社会的地位が高いからです。

日本でも韓国でも東洋医学に興味を持つのは、40歳を越えてからだろうと言います。

高麗手指鍼が生まれた時は、鍼灸資格を持っている人は立った3人と言われています。

この3人は以前から権利を持っていた人で、もちろん漢方医は入れていません。

そこで民間療法として広めざるを得なかったという事情がありました。

では既存の中国式の鍼を韓国では行われていないかと言うとそうではありません。

亡くなってしまいましたが大分県の鍼灸師、長野潔さんが開いた初めてのセミナーに、見慣れない黒服の数名の方たちがいました。

あとで知ったのですが、彼らは韓国から来られた鍼灸師でした。

その後参加報告記と実践した治療記を「医道の日本」に載せていました。

余りに評価が高かったので、このことで韓国の鍼灸事情がそれほどでないことが推し量れました。


3、高麗手指鍼とは

およそ50年前に柳泰佑 師が発明した鍼治療です。

手のひらに経絡と同じ気の流れがあることを発見し、「高麗手指鍼と十四気脈論」を1976年に発行しました。

この翌年には来日され、北里大学附属東洋医学研究所の部長、間中喜雄博士を訪問したところから、日本でも一時ブームが起こったと聞いたことがあります。

鍼灸師だけではなく整体などの民間療法家と言われら方たちも、チャーター機をしつらえて韓日学術大会に参加したと、患者さんから聞いたことがありました。

多くの無資格者が高麗手指鍼治療を始めたことで、取り締まりが厳しくなり捕まりそうになったところに、金成万先生のところにヤクルト監督だった野村克也さんに招かれて来日するものもいました。

鍼灸治療は体験経験をしなければ、技術も理論も向上進化は起きません。

50年以上経過しても依然韓国の鍼灸資格は変わりません。

2年に1回韓日学術大会と銘打って、様々な国から医師や鍼灸師が参加して盛大に開かれます。

初めて招かれて初めて参加した19年前は、ロッテホテルの大広間を借り盛大に行われました。

洪博士が教えてくれたのですが、五千名参加者がいたそうです。

その後は徐々に増えてとうとう1万人を超えたので、この十年ほどは大学の講堂を借りて開かれています。

依然は毎年治療集が発行されていたり、様々な理論集が発行されていました。

しかし理論的な進歩もないので、近年は残念ながら消えゆく鍼治療にも思えるようです。

3年前に参加した時聞いた話ですが、19年前も見たオーストリアの病院経営をされているお医者さんが「私は20年近く参加していますが、あまり進化していませんね」と感想を述べたそうです。

会員は無資格者がほとんどで、治療の中身は温灸とマッサージなどと聞きます。

私が前回の大会で発表した鍼治療と進化論は画期的、もしかすると革命的な理論かもしれません。

とうぬぼれてはいけませんが、まだ始まったばかりの理論と治療ですが、様々な気づきがあります。

高麗手指鍼自体は伝統的な鍼治療とそれほど差がありません。

しかし手のひらを治療の場としていること、その手に秘められた進化の記憶を掘り起こせるのかが、この鍼治療の未来にかかわってくると思います。

4、韓国の医療状況

韓国の女性と結婚された方が教えてくれたのですが、ソウルから30分も車で走るともう田舎ですよ。

テレビに映るのはソウルの市庁舎前で、日本の霞が関の官庁街なので先進国のように映ります。

細かくは分かりませんが、皆保険には形としてはなっていますが、負担は重いようです。

鍼治療はと言うと、治療を受けられるのは中産階級以上になると言われています。

まだ問題山積ではないでしょうか。


私のホームページはこちらです。「手のひら先生のリウマチ相談室」

次の本は「手のひら先生スタイルの高麗手指鍼療法」がどのようにして生まれたのかを書いたものです。
他の鍼灸書のようにこのツボを使えば治るというような本ではありません。手のひらのツボのことや治療法については
「高麗手指鍼講座」柳泰佑著 たにぐち書店 刊 日本語訳がありますのでご覧ください。鍼灸は見たり読んだりしても身につくものではありません。

サウンド・アキュパンキュチャは本の最後に数ページですが記述しております。

一般の方には病気を治す鍼治療とはどういうものか理解できるように書いてあります。さらに私なりの簡単自律神経調整法を図解しております。

最後まで拙い文章をお読みいただきありがとうございました。感謝いたします!!

サポート頂いたら最先端の医学雑誌と、最先端の進化論本を購入し難病治療研究に役立てる予定です。