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人生最終盤を社会でどう支えるかを考えたい。死に関すること、介護のことなどをテーマにした文書をまとめます。
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#遺贈寄付

団塊世代に勧めたい 「謝縁会」で生きてるうちに資産寄付

(この原稿は、毎日新聞WEBでの筆者連載「百年人生を生きる」2019年7月26日掲載の記事です 無断転載を禁じます) 縁のあった人たちを招いて感謝する生前葬を開き、その場で、次世代支援の個人基金への寄付を呼びかけるパーティー「謝縁会」が6月30日、東京都内で開催された。寄付の普及を図る公益財団法人「パブリックリソース財団」(東京都中央区)が企画した。寄付といえば、遺言で遺産の寄付先を決め、亡くなってから寄付する「遺贈」や、故人を思って相続人が財産を寄付する「遺贈寄付」を連載

「遺贈寄付」したい人のための注意点

(*この原稿は、毎日新聞WEBでの筆者連載「百年人生を生きる」2019年3月21日の記事です) 前回、遺贈寄付の実例を紹介し、「思い」が次世代に引き継がれることで生まれる「寄付者よし、受け手よし、社会よし」の「三方よし」のお金の流れについて述べた。今回は、なぜ遺贈寄付への関心が高まっているのか、実際に寄付しようとする際にどんな点に注意したらよいのか紹介する。 遺贈寄付への関心の高まりは、寄付を受ける側の実例をみるとよく分かる。例えば、NGO「国境なき医師団日本」の場合、20

1%を遺贈寄付に 地方のお金は地方で 老老相続から社会還流を

9月5日から14日まで、日本で初めて「遺贈寄付ウィーク」が開かれる。遺贈寄付の普及をはかるために、様々なイベントやキャンペーンが行われる。英国や米国など多くの国々では2009年から、9月13日の「国際遺贈寄付の日(International Legacy Giving Day)」の前後に遺贈寄付の普及啓発キャンペーンが行われてきた。日本も遅ればせながらその波に乗るのだが、これが「ステップイヤー」になるのではないかと私は考える。そして、次の「ジャンプ」のためには「1% for

遺贈寄付に関するインタビュー掲載

『きらめきプラスVolunteer』という雑誌から遺贈寄付に関してインタビューを受け、Vol80号に掲載されました。いろいろ取材は受けています(最近だと『月刊文藝春秋』11月号に2ページ分掲載されたものが、私の言いたいことをうまく汲み取ってくださり、とてもよくまとまっていました)が、今回はその記事をPDFでネットに掲載してもよいという許可がいただけたので添付します。終活から集活へ、それが遺贈寄付へつながるという話を、少したどたどしいまとめ方ですが、掲載していただいています。よ

集活としての遺贈寄付 月刊誌「Yo-Ro-Zu」にインタビュー記事が掲載

新宿・歌舞伎町で、ありとあらゆる悩みごとの相談を受けて「救う」活動をしている「公益財団法人 日本駆け込み寺」が発行する月刊誌「Yo-Ro-Zu」からの取材を受けた。その18号(2019年3月号)に、インタビュー記事が掲載された(下記PDFでご高覧可能)。活動は存じ上げていたが、実は雑誌のことは今回、初めて知った。私の記事はどうあれ、興味深い雑誌だ。 巻頭言にはこうある。 危害を加える人と、助けを求める人は同じ地平にいます。それらの立ち位置はいつでも入れ替わり、今日の被害者

利他的行為が自身の幸福感を高める 寄付の広がりは社会にとってプラス

自分のためにお金を使うよりも、他者のためにお金を使った方が幸福感が高まるという研究結果がある。有名なところでは、Elizabeth Dunnらが2008年に行った実験だ。 実験は簡単だ。まず、被験者全員に5ドル入りの封筒を渡す。そのさい、被験者を2つのグループに分け、それぞれのグループごとに異なる指示を記した紙を入れておく。 ●一方のグループ:「今日の午後5時までに、自分への贈り物か、自分のための支出(たとえば、家賃、支払い、または借金の返済など)のどちらかのためにこの5

遺贈寄付も「集活」 次世代の人たちとつながる

前回の「終活から集活へ」で記した「集活」について、遺贈寄付もまた、これに含まれていると考える。 遺贈寄付とは、自身の財産を死後、公益法人やNPO法人など主に社会課題解決のために活動する団体に遺贈したり、相続人が故人の遺志を尊重して遺産から寄付したりすること。拙著「遺贈寄付 最期のお金の活かし方」(幻冬舎)で紹介した通り、人生最後の社会貢献といえるものだ。 自身の人生の振り返りから 一般的な終活の中には、財産の整理も含まれる。主に、家族・親族のために遺産の配分を遺言などで指