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ライフエンディングサポート

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人生最終盤を社会でどう支えるかを考えたい。死に関すること、介護のことなどをテーマにした文書をまとめます。
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2018年8月の記事一覧

遺贈寄付も「集活」 次世代の人たちとつながる

前回の「終活から集活へ」で記した「集活」について、遺贈寄付もまた、これに含まれていると考える。 遺贈寄付とは、自身の財産を死後、公益法人やNPO法人など主に社会課題解決のために活動する団体に遺贈したり、相続人が故人の遺志を尊重して遺産から寄付したりすること。拙著「遺贈寄付 最期のお金の活かし方」(幻冬舎)で紹介した通り、人生最後の社会貢献といえるものだ。 自身の人生の振り返りから 一般的な終活の中には、財産の整理も含まれる。主に、家族・親族のために遺産の配分を遺言などで指

終活から集活へ ライフエンディングを支えるのは「つながり」

漠然と思っていたことや、なんとなくしていた行為、存在はしていも社会的に共有化された名称がないもの。それに、ある日「名前」が与えられる。 「そこの森で出くわした、立ち上がると大きさが2メートル以上もある、毛むくじゃらで鋭い爪と牙のある動物」「ええっと、いまこうした課題があるので、かくのごとき対策が求められていると考えて、このように動いているんです」――。「名前」がない時にはいちいち説明が必要だったものが、「名前」をかざすだけで説明の多くが不要になる。便利になる。 「終活」と

LGBTとライフエンディングステージの課題 その多くは誰にも共通する課題だ

お墓や仏具、葬儀、信託、遺品整理など、ライフエンディングにかかわる産業展示会「第4回エンディング産業展」が8月22~24日の3日間、東京・江東区で開催された。毎回参加しているが、仏教教団ブースが増えるなど、「産業」の枠がとろけていくような印象。この展示会は、どこに向かおうとしているのだろう。それはそれとして、個人的に最も印象深かったのはセミナー「LGBTとライフエンディング」だった。 当事者らが登壇して語る内容は、重かった。婚姻できない同性カップルが、ライフエンディング段階