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テニス上達メモ032.ときにはコンフォートゾーンから外れるテニスのススメ

 試合を優位に進めるには、「相手に揺さぶりをかけるプレーが大切」と、よく言われます。

同じショット、同じ攻め方、同じ守り方ばかりを繰り返していては、相手に慣れられる。

いろんな仕掛け方をして、相手に展開を予想させないことが重要である、と。

確かにそのとおりですね。

しかしこれ、実際にやろうとするとかなり難しい。

それは、技術的に、というよりも心理的に。

というのも、プレーヤーには自分の得意とするショット、プレースタイルがあり、できるだけそれにこだわりたい性質が、一般的によくあるからです。

つまり、フォアハンドストロークが得意な人は、できるだけフォアを打ちたいと思い、実際にそれに頼り、こだわる。

それがいちばん、自分にとって「快適」だからです。

しかしやっていることは「相手を揺さぶる」のとは真逆で、こだわればこだわるほど、プレーは単調になりやすいのです。

もちろん、それで上手くいっているのであれば問題ないのですが(※注1)、劣勢に立たされたときほど余計にこだわろうとするから、ますます相手を調子づかせてしまいます。

自分にとって快適なプレーは、相手にとっても快適なプレーになりかねないというジレンマ……

心理学の研究によると、人にはそれぞれ「コンフォートゾーン」という領域があるそうです。

それは、ここでは簡略化してお伝えするために意訳すると「自分がラクでいられる領域」の意味(※注2)。

ラクだから、人はこの「コンフォートゾーン」にとどまろうとするし、このラクな範囲を、かたくなに守ろうとする。

つまりテニスに当てはめると、攻め方、守り方を変えていかなければ、コンフォートゾーンでヌクヌクとしてしまって、同じショット、同じ展開を繰り返してしまい、状況を変えられなくなる危険性が高まると言えます。

一層、相手に慣れられてしまうッ!

では具体的に、試合を有利に進めるためにはどうすればいいかというと、対戦相手に慣れられないために、あえて「コンフォートゾーン外のプレーも混ぜる」ようにします。

ストローカーでも、サーブ&ボレーに出るとか、その逆で、ボレーが得意でも、適応されてきたらストローク戦で粘るなど。

これは、自分にとってまったく快適ではないですが、「あえてそうしている」と納得することで、「相手に揺さぶりをかけるプレー」が実現します。

ときには、自分にとって快適ではないプレーを選択してみる。

そんな施策を試してみると、突破口が見つかるかもしれません。

それが、「新たなコンフォートゾーン」を得るチャンスとすら、成り得るのですから


※1
上手くいっているときには、むしろ変えないのが定石です。

より良くしようなどとして、それ以上に欲をかくと、足元をすくわれかねません。

それではいわゆる、蛇の絵に足を付けたして負ける「蛇足」になりかねません。

※2
コンフォートゾーンは「ゾーン」とはいえ、具体的な面積や空間ばかりではなく、私の推測によるとその人の外見や健康状態、資産状況、人間関係、日々の忙しさなどにも、その領域は多岐(すべて)に及びます

たとえば「自分は年収300万円くらいが妥当だ」と刷り込まれたのがその人のコンフォートゾーンだとすると、いくら「金持ちになりたい!」と願っても、高くなりすぎると不安になり、低くなりすぎても心理的な負荷がかかるから、その年収300万円程度の稼ぎに、やっぱり落ち着くように作用する。

全然働かないのに裕福だったり、むちゃくちゃ頑張って働くのに生活が苦しかったりする違いがあるのは、その人の能力いかんというよりも、コンフォートゾーンがそうさせていると言えます。

仮に不健康な状態がその人のコンフォートゾーンだとすると、表面的にはいくら「健康になりたい!」と願っても、「頭が痛かったり」、精神的にも「ふさぎ込んだり」するのが自分にとってふさわしいと感じられて、現実的にそうなる心理作用が働いたりする。

それによって、周りの人からの庇護も受けやすくなるでしょう。

ですから今より稼ぎを増やしたかったり、健康になりたかったりする場合は、現状では決してラクではないと感じる領域へと、コンフォートゾーンをズラす施策を打つというのが今回のテーマ

「ゆっくり過ごしたい!」と願っても、慌ただしくするのがコンフォートゾーンの人だとヒマを持て余し、「もっと活動したい!」と願っても、ゆっくりするのがコンフォートゾーンの人だとオーバーペースになるから、結局もとの生活リズムに落ち着いてしまうのに似ています。

ここでの要諦は、「ラクするな。苦労せよ!」などと言っているわけではありません。

貧乏だったり不健康だったりする現状について、本人が「ラクだ」などと無意識裡に「思い込んでいる」ところに、人生が上手くいかない原因があるという悲劇。

たとえば、庇護されるのは確かにラクだと思い込みがちかもしれないけれど、その庇護が、自身の不健康を前提に成り立つコンフォートゾーンだから、人生はつらくなるのです。

テニスで言えば、同じプレーを続けているのがラクだと思い込みがちかもしれないけれど、そのラクが、自身の劣勢を前提に成り立つコンフォートゾーンだとしたら、戦況はやっぱり苦しくなるという成り行きです。

人生や生活が苦しいのに現状に甘んじている場合、それを「ラク」だと思い込んでいる節があるのだけれど、それはあたかも「不登校を是とする考え方」

もちろん無理やり学校へ行く必要はないのだけれど、それがラクだと思い込んでいるコンフォートゾーンの外側には、いやいや、「もっとあなたらしい快適な人生や生活がありますよ!」というライフハックです。

幸せには、主観的な幸せと、客観的な幸せとがあります。

自分が幸せと感じればそれでいいという主観的な幸せだけでは成り立ちません。

「覚醒剤」をする人は、それが主観的にはメチャクチャ幸せだと感じるわけですが、客観的には結講不幸。

コンフォートゾーンの外側には、いやいや、「もっとあなたらしい快適な人生や生活がありますよ!」とお伝え申し上げるしだいなのです。

即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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