基本の対価(改訂版)

皆さんは、
「腰を落として」
「打点を前にして」
「ボールよりも先に打点の後ろに入る(行く)」
というアドバイスをされたことがあると思います。私もこの3点は、基本中の基本だと思っていますし、世界中のコーチが毎日のようにどこかでアドバイスしています。
さて、この3点ができると「何が起こる」のでしょう?
「正しいフォームで打てる?」
「強いボールが打てる?」
「ボールがコントロールできる?」
少し違います。
「ボールとコートと対戦相手が見えるようになる。」のです。

目のピントが合うところ(中心視)でボールを見ながら、ぼやけているところ(周辺視)でコートと対戦相手を感じながら打つことができるようになります。皆さんは、ボールを見て打っていますよね?その時に「コートと対戦相手」は見えていますか?もし地面しか見えていないのであれば、基本3点が不完全かもしれません。

「なぁ、ボールを打つ時ってさぁ、ボールとコートと対戦相手が見えてるよな?」
という質問に、
「当たり前じゃないですか(笑)」
と返してくるレベルは、だいたいインターハイに出るか出ないかのレベル。つまり、上位1パーセントくらいです。

ほとんどの方は、
「気にしたこともなかった。」
「え、見えてない。」
「ボールしか見てない。」
という答えです。インターハイに出るか出ないかのレベルに到達する選手は、10年間、週5回以上、1回3時間くらいの練習を行っています。そのくらいして、
「身につく当たり前」
なんです。

では、最初から
「見え方を意識して練習したらどうでしょう?」
「上手い人、できる人は、見ている(観ている)世界が違う。」
のです。

具体的な練習方法としては、例えば「視覚ドリル」を取り入れることが有効です。ボールを打つ際に、意識的にコートと対戦相手の位置を確認する訓練をすることで、周辺視を鍛えることができます。また、試合形式の練習中に「視覚チェックポイント」を設け、プレー中に特定の対象(対戦相手の位置やコートのライン)を確認することで、視覚の使い方を強化します。

私も実は、
「生徒さんが見えていないことに気がついていなかったダメなコーチでした。」
優秀な選手だった方ほど、一般の方が見えていないことに気がつかないのです。

「基本3点を徹底してレッスンしても1パーセントしか到達できないなんて、非効率すぎる。」
と思いませんか?

もし、最初から
「見え方」
を意識して練習していたら、少なくとも30パーセントくらいの方はできるようになります。それも、ずっと短い期間で、回数で、時間で。

中には、
「コーチの飯の種なのに大丈夫なの?」
と心配してくださる方もいますが(笑)、
「やるか、やらないかは最終的に選手次第ですし、個別でチェックするならともかく(料金を頂きますが)、情報はみんな共有すべき。」
だと思っています。その中で誰かが、別の閃きや気づきがあってテニスがもっとやりやすく、楽しめるものになるかもしれないと思っています。

皆さんにお願いがあります。
学のない元テニスコーチです。勢いだけで書いています。読みにくい点、誤字脱字、表現等、ご指摘いただけると助かります。よろしくお願いします。

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