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サントロ領域展開

ファブリス・サントロ選手

右利き。177センチ。左右両手打ち。
そして、

「フォアは、ほとんどスライス」

と並べただけで、どうなっているんだろう?
と思わせる特徴てんこ盛りの選手を記事にしました。

いきなりどうした?と思われるかもしれんが、

「シンプルにリクエストがあったので。」

書いてみる事にしました。

サントロ選手は、今ほどでは無いにしろ、高速、効率化され始めた時代に

・フォアハンドがスライス
・左右両手打ち
・スライスなのに両手

もうね、一見よく分からない装備構成なんです。
しかし、一つひとつを丁寧に見ていくと

「間合いを制する者は、勝負を制する。」

を体現した選手でもあります。
テニプラから見たサントロ選手は、

・15m以内の間合い感覚の濃度が異常
・圧倒的な対衝性
・とんでもないクレバーさ

を備えた選手です。
回転の魔術師という二つ名が有名ですが、
回転量をコントロールするなんて事は、

「みんな普通にやっている事。」

なんです。サントロ選手は、

「15m以内の打ち合いなら多分世界一」

でした。その特殊な領域に相手を引き摺り込むのに都合が良いショットが

「フォアのスライス」

だったわけです。

サントロ選手は、

・パッシングショット
・15m以内の予測能力
・相手の呼吸を乱す能力

がとにかく高いのです。
しかし、いくら得意だと言っても

「万全の状態から打たれては、人間のフット
ワークでは触れない。」

ショットを打ってくる選手達が相手ですから、どうにかして

・低い打点
・角度のつかないアプローチショット
・バランスを崩している不完全なショート
ボール

を打たせてから勝負したい。
そうなると、

・予測しにくい多様なスライス
・そのスライスを安定させる為の両手打ち
・15m以内に入ってからは、リズムを
変えたトップスピン

と…。考えただけで、

「面倒臭い(笑)」

選手である事が分かります。
たらればですけど…。

「砂入り人工芝のグランドスラムがあったら
お前がナンバーワンだ!」

とベジータさんにお墨付きをもらえたでしょう。

そうは言っても、

「特殊領域で常に勝てるわけではない。」
「特殊領域に持ち込むまでのリスク。」
「特殊領域以外のポイント取得能力。」

が他の選手に比べて若干低かった為に、シングルスでグランドスラムを取る事が出来ませんでした。ダブルスでは優勝していますが。

ビッグイーターとして名高いサントロ選手
ですが、

「グランドスラムの最多出場記録」

からも分かるように実は、

「生粋の中堅殺し」

です。サントロ選手を打ち抜くレベルの
ストローク能力、キープ能力があれば、

「グランドスラム」

を狙える選手という事です。
世界ランキングのシングルランカーを狙う
選手達にとっては、

「面倒臭い壁」

だったと思います。
通常、カウンタースタイルは、

「プレッシャーをかけて、心理的に無理を
させる。」

のですが、サントロ選手は、

「積極的にエサを巻いて、心理的に不安にさせる。」

大変いやらしいカウンターです。
こんな選手、なかなかいない上に、

「分かったところで自力がないと
引き摺り込まれる。」

ので、若い選手達はさぞ嫌だったと思います。

その甘いマスクで、オリジナリティー溢れる

「フランス人が好きそうなテニス」

をする選手でした。
良くスライスが一般レベルの選手に参考になるとかいう記事を見かけますけど、

「パッシングショットが異常に上手い。」

って特徴があって初めて成立するので、

「そりぁ、スライスの変化だけでミスしてくれるレベルならそうだろうけれど、そのレベルなら、
打った方が効くのでは?」

と思わずにはいられません。

今回は、リクエストがあったので応えてみました。また、時間が有れば書くかもしれません。

その時は、お楽しみください。

テニプラ

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