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感受発汗8曲目

あれはいつのことだったか
後輩と中華料理屋に行って「四川丼」なる唐辛子入り野菜炒め丼みたいなやつを食べた。

元々辛い食べ物はそこまで好きではないけど、辛さ耐性はまぁ並。10段階で4。パワプロでいうD。アルバムでいう8曲目ぐらいだった。
四川丼自体も真っ黒になった唐辛子が炒められてはいるが、テレビで見るようなあの真っ赤な食べ物のように激辛メニューというほどではなかったし、そもそも以前から何度か食べたこともあって、辛さは許容範囲内であることを確認していた。

しかし、その日はなぜか食べる度に汗が止まらず、見たこともない信じられない量の汗が吹き出した。元々代謝は悪く、あまり汗をかかないことで近所でも有名だったにもかかわらず、この日の発汗番付で県内1位をとる、前代未聞の大金星だった。店を出た後ゲオに行ったがまだ汗が止まらず、後輩は爆笑していた。腹いせにクリスハートのアルバムの横にジェロのCDを置いた。その節は申し訳ありませんでした。結局1時間は汗をかき続けていたと思う。

それ以降辛いものが年々ダメになっていっている。ここ数年は仕事中に食べたピリ辛サラダみたいなやつですら辛すぎて汗が吹き出し、外で電話するふりして涼むことが多い。なぜ汗ごときに僕が電話するふりまでしなきゃいかんのか悔しい。
辛い辛い!と口でヒーヒーする感じではなく、ただ汗が吹き出す。アレルギーのような感じにも思える。好きな食べ物はカレーだけど、辛いのは無理だ。かといって甘いカレーもテンション上がらない。やっぱアルバムでいう8曲目ぐらいの辛さのカレーが一番おいしい。

ちなみに、わさびの辛さにはめちゃくちゃ耐性がある。パワプロでいうA。アルバムでいう2曲目ぐらいの強さがある。わさび大好き。一人暮らしでわさびの賞味期限を切らさずに全部使いきるぐらいわさびが好きだ。ロックさ全盛期だった頃は皿うどんにわさびをかけて食べていた。意外と美味しい。
わさびはあんなに辛いのに、綺麗な水で育っているというギャップが好きだ。かわいい。
結局あの辛さ、育ちの良さが隠しきれないんだよな、わさび。DAIGOみたいだよね。

父が辛い料理のテレビを見ていた時
「ほら、見ろ!見てるだけで汗が出てきたぞ!ほら!」
といちいち言ってくる癖があった。
その時は逐一バカにしていたが、ここ数年で僕も同じだと気づいた。実際にこの文章を書きながらじんわりと汗をかいている。この現象は何なのだろう。『梅干しを見ると唾液出る』的なやつ。条件反射だっけ。ほら、そんなこと言ってる間に唾液が出てきちゃった!見て見て!

感受性やら共感性やらが豊かとか、そういったことが関係しているのだろうか。頭では常にいろいろな考えごとを繰り返しているのに、案外体自体は単純で、「あっ!辛いの見ちゃった!汗出します!」と素直だ。
もしかしたら僕は本来そのように純粋でストレートな人間だったのかもしれない。疑い深い性格でなかったらきっとすぐに詐欺の被害にあっていただろう。

感受発汗をここでテストしてみよう。
まずは辛いイラスト。

キムチのイラストだ。
イラストとはいえ辛さが伝わってくる。もう見て数秒でひたいに違和感を感じる。無理だ。汗不可避。

続いて
「🌶️」
唐辛子の絵文字だ。イラストよりサイズは小さい。大きい虫を手で潰すのはちょっと…という人でも小さい虫なら手でペチンとできる理論でいけば…無理だった。見ただけで辛い。水を飲む。

続いて
「🫑」
青唐辛子だ。ピーマンじゃないの?ピーマンと打っても出てくるし、唐辛子と打っても出てくる。浮気者!!お前はピーマンお前はピーマンお前はピーマンお前はピーマンお前はピーマンお前はピーマン…
よし、No汗でフィニッシュ!でも唐辛子と思ったら…あ!無理!

もう頭が辛いモードになってしまうと「🔴」ですらもう無理になる。感受性の獣?

最近の楽しみ、TVerでやってる古畑任三郎。
面白すぎる。
何が面白いのかと考えたけど物語の構成が古任じゃなくて犯人目線だからかもしれない。
犯人が殺人を犯すシーンから始まり、現れた古任に嘘をつくも、ボロが出てしまい、最終的に暴かれてしまう。感受性の獣としては、殺人は悪いことなのに、「ちゃんと血痕拭いて!」「それ証拠になるからダメだよ!」などと隠蔽の指示をしながら見ているから楽しい。

古畑任三郎の新シーズンがあるなら誰に出て欲しいかという話をした。僕はHIKAKINに出てほしいと思っていたが、べつにHIKAKINが捕まるところを見たいわけでもないのに、どうして古畑任三郎に犯人役として出演して欲しいのだろう。しばらく考えたけど答えは出なかった。
もしかしたら犯人としてのHIKAKINに共感して一緒に隠蔽したいのかもしれない。

それから古任はよく旨そうなものを食べている。犯人にディナーとしてミートローフと焼き茄子と茶碗蒸しをふるまったり、ホテルで激辛明太子スパ(もちろん汗かいた)を頼んだりする。

全話見た暁には、これらを全てまとめた「古畑任三郎のグルメ」ZINEを販売しよう。みんな買ってね。あと古畑任三郎のこと古任なんて誰も呼ばない。

tenngumanでした。

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