見出し画像

つくばエクスプレス延伸は現実的か

 開業前には「常磐新線」と呼ばれていた「つくばエクスプレス(TX)」は東京・秋葉原~茨城・つくば間を結んでいる路線です。その「つくばエクスプレス(TX)」がさらに北方向へ延伸するため検討が始まりました。

TXが茨城空港に延伸?

 平日は通勤・通学路線として、休日は筑波山方面などに向かう乗降客が利用しており、車両数を途中から増やすほどの黒字化を達成しています。
 今回はつくば駅よりも北方向へ延伸する検討が開始された。延伸案は①筑波山方面②水戸方面③茨城空港方面④土浦方面の4案が出されたが、どれも収益性があるとは考えにくい。以前には下妻延伸案もあったが、既存路線と共倒れをしてしまっては無意味である。

 現在、並行している「JR常磐線」は取手駅までは複々線となっており、土浦駅よりも北部は「別路線」という扱いがされており運行本数も大幅に減っている。また同地域は主にマイカーやバス移動が増加しているため、延伸路線にどれだけの需要があるのかのシミュレーションも簡単なのかもしれない。

それでも延伸したい理由

 茨城県は近年「住みたい都道府県」で下位を争っていることを見た方も多いはずです。また「納豆」「水戸黄門(すでにTV放送も終了したので若者は知らない)」「茨城空港」「偕楽園」以外に象徴されるものがないことから、県外からの集客を待ち望む沿線住民が期待を込めて延伸を望んでいるのかも知れない。
 とわいえ、以下に述べている通り収益性を考えると順風満帆ではないことから、JR常磐線の乗客を奪うとJR常磐線も便数減少につながるなどの点からも一歩立ち止まる勇気も必要だと考えられる。

結局、TX延伸は必要なのか?

 JR常磐線では土浦以北ではワンマン化が進んでいることから、これ以上の乗降客は見込まれていないのが現実であり、実例として延伸予定地に近い関東鉄道(石岡~鉾田間)などは既に廃止路線となっている。また茨城県全体でも常態的に集客力のあるランドマークが多くないことからも延伸によるドル箱路線化の構想は「絵に描いた餅」である。

 延伸先を予定する市町村では都心からの集客を見込んでいるかも知れないが、そこにメリット(行きたくなるランドマーク)がないことには集客予想は現実的ではなく無駄な箱もの(負の遺産)に税金を投入することで終わってしまうだろう。

 子供の世代にこれを引き継ぐのはデメリットとしか筆者は考えられないが、どう思うだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?