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#soul of Japan

消費者優位のスピリチュアルマーケットのなかで、寺も神社も主題となるのは死生を巡る魂の救済ではなく心身の癒しや気分転換となっている。
問題のある世界を作り替えるのではなく、現世を少しでも快適に生きる道具としての清涼剤として宗教が利用されているとまとめる著者。

その一方で、以前見た「東大寺お水取り」で2週間籠って祈り続けたお坊さんが「満行したらコロナが収束しているかと思ったら…満行おめでとうでよかったという話ではない。24時間1秒たりともふさわしくないことがなかったのか(省みる)」という全ての衆生に変わって懺悔し疫病退散を祈り続ける宗教者が観光地とされるところで1270年も続いている営みがあることの凄さに宗教=Soul of japan(伊勢神宮をはじめとする神社がInstagramで好んで使っているハッシュタグ)を見ずにはいられない。コロナ終息しなかったことを本気で自分たちの祈りや所作の不具合に責任を帰しているお坊さんがいることに、大変なありがたさを感じてしまった。そのご利益が荒業現世を乗り切るための清涼剤となるのならスピリチュアルマーケットもいいのではないのかと思う次第。

「心のふるさと」「soul of japan」とかパワースポットとか、snsやメディアで安易に使うことによる安い消費感ってなんなんでしょう。

NHKスペシャル「疫病退散 千三百年の祈り~お水取り・東大寺修二会~」 https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2021053002049?t=2823

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