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いよいよ聖地宝塚へ!「凶」のおみくじが招いた負の連鎖!?

※2021年3月31日に出版された「こう見えて元タカラジェンヌです」のcakes(2022年8月でサービス終了)連載時のバックナンバーを公開しています。書籍化にあたり、泣く泣くカットすることになった枕詞(どうも。からはじまるあいさつ文)付きオリジナルバージョンです※
「タカラヅカ」を支えているのはトップスターだけじゃない!100年以上の歴史を持ち、未婚女性たちが「清く、正しく、美しく」をモットーに歌い踊る宝塚歌劇団。その美しさでファンを魅了するスターの隣には、モヒカンの悪役や貫禄のあるおじさん役を全力で演じきる名バイプレイヤー・天真みちること「たそ」の姿があった……。元SMAP中居正広に「友達になれそう」と、花組トップスター明日海りおには「宝塚に新ジャンルを築いた」と言わしめた伝説の元タカラジェンヌによる、誰も知らない爆笑宝塚エッセイ。

どうもどうもどうも! たそです!

いよいよ第3話です。いったん受験編はこれにて「完」という感じです(韻踏んだわけじゃないよ)。

巷では「この話はフィクションなのか?」という声もチラホラ聞こえてきますが……

安心してください。全て実際のエピソードになります。

それでは張り切ってゴー♪

【2004年3月宝塚音楽学校受験2回目~第2次試験前夜~】


生まれて初めて2次試験の切符を手に入れた私は、とにもかくにもまずは会場である宝塚付近のホテルの予約をすることにした。

しかし、3月の宝塚受験シーズンは、受験スクールなどが1年も前からホテルの団体予約をしているのである。出遅れた私はパソコンで宝塚市の宿泊施設をくまなく探したが、市内の上位に出てくるホテルはすべて埋まってしまっている。焦った私は検索地域を関西に設定し、

「きっとここら辺も近いだろ、しかもめっちゃ安い」

と、大阪は梅田駅東梅田周辺のビジネスホテルを誰にも相談せず予約した。

当時我が家は弟が生まれたばかりだったこともあり、同行者は親ではなく親戚のおばさんが京都観光もかねて引き受けてくれた。試験前日、おばさんとふたりホテルに荷物を預けたあと、シミュレーションを兼ねて阪急電車で宝塚へ。初めて見る音楽学校と宝塚大劇場……ほ、本当に存在するんだぁとホワホワしつつ宝塚市を散策した。

夕食を済ませ、日も暮れたころ東梅田へ戻ると、そこは……ほんまもんの繁華街だった。

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