〈特別編〉3.11と宝塚歌劇団〜トップスターの背中〜
どうも。前回も冒頭で少し触れましたが、世界各国で振るい散らかしている猛威は拡大を続け、様々なエンターテインメントが中止を余儀なくされており、とうとう宝塚も休演となりました。
楽しみにしていたお客様、製作の方々、そして、各組の生徒の皆さんも非常に辛い気持ちを抱えていると思います。せめて、この期間に退団される方々が皆朗らかにご卒業できますことを心から願うばかりです。
そういえば、今回の星組公演『眩耀の谷〜舞い降りた新星〜/Ray-星の光線-』で卒業される専科の華形ひかるさんとの忘れられないエピソードがあって……
在団中、共に花組配属だった時、花組全体でBBQ大会をしよう!という話になったんですが、私が日本物の作品の稽古中で奮発して着物を買い、残高がほぼゼロになってしまったため、お誘いを断った時があったんです。
するとその次の日、華形さんは、前日のBBQの材料を取っておいて下さり、お弁当を作ってきてくださいました。自分の金銭管理がド阿呆なせいで参加できなかった私にBBQの気分を味わわせてくださった、みつるさん(華形さん)へのご恩を私は決して忘れません。本当にありがとうございました。
舞台は、ドラマや映画などの映像系とは違い、上演時に目の前で繰り広げられるもの。
今回の休演で、私も「今、この時、この一瞬は戻ってこないんだ」ということを、宝塚歌劇団在団中にとても強く実感した時があったことを思い出しました。
本来は、「ダンスにもそういう呼び方があるんだね!チェイサー……」をお届けする予定でしたが、今回は特別にその時のエピソードをお送りしたいと思います。
少し神妙な表現になりますが、よろしければお付き合いください。
2011年3月11日東日本大震災
宝塚歌劇団花組『愛のプレリュード・ルパラディ』宝塚大劇場公演の千秋楽を終え、数日間のお休みを頂いていた当時研究科6年目だった私は、突如テレビから流れてきた速報に度肝を抜かれた。
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