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どこから来てどこへ行くのだろう

10才の私が考えていたこと

10才くらいの頃、夜眠りにつくのがとてもこわかった。
布団にもぐり込み目を瞑ると、決まってひとつの疑問が頭のなかをグルグルとまわる。

「私はどこから来て、どこへ行くのだろう」

母が産んでくれたことは知っている。
父がいないと産まれなかったことも知っている。

でも私が知りたかったのは、そういうことではなかった。

宇宙のどこかから来たことはわかっている、それなら、自分がこの世を離れるときは宇宙に戻るんだろう。

でも宇宙って何?

宇宙はどこから生まれたの?

宇宙のはじまりと終わりとは?

私はどこへ行くの?

もうぐるぐるは止まらない。
そしてなぜか涙がぽろぽろ流れ落ちる。

何なのかよくわからないその気持ちを茫然と眺めぎゅっと抱きしめる。
その気持ちを言葉にする術を10才の私はもっていなかった。

叔母に頂いたあらいぐまのぬいぐるみを傍らに抱き、「私を守ってください」そう耳元に囁いて目をぎゅっと瞑る。

毎晩そんなふうに夜を過ごした。

ひとつだけわかっていたのは、大人に聞いてもきっと納得のいく答えを教えてもらえないということ。

信用していなかったわけではないけれど、こんなこと聞いたら困らせてしまうのではないか、そんな気がして誰にも相談できなかった。

いつの日からか、そんなぐるぐるをあまり深刻に考えなくなった。
けれどあの感覚を忘れてしまったわけではない。
いつもどこかで、同じことを思っている。

でも歳を重ねてゆく中で、宇宙への恐怖心は薄らいでいった。

きっとたくさんの大切なひとたちが、先に宇宙に還って行ったからだと思う。

待っててね、私はもうひとふんばり、地球でがんばっていきます。

地球時間の波に身をまかせて、いつかあの宇宙に還る日まで、今日も丁寧に生きよう、そう思う。

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10才の私へ~43才になった私から

君はきっと、いろんなことに違和感を感じて不安な気持ちでいると思う。

たしかにこれから大変なことはたくさんある。
心がちぎれてしまうんじゃないかっていうくらい悲しい苦しいこともある。

でもそんな時は少しだけ、自分の周りにいる人たちのことを思い出してみてほしい。

ほら、いるでしょう、君のことを見ていてくれる人が。
たくさんいなくてもいい、たったひとりいれば十分。

ひとりもいないのなら、天国にいってしまったあの人がいつもそばにいるよ、感じてみてね。

そしてひとつ、覚えておいてほしいことがある。

「君のことを大切にしてくれない人からは、いつだって離れていい」

とっても大事なことだから伝えておくよ。

もし失敗だと感じたことがあっても、その失敗があったからこそ出会える道や人がいるから。
大丈夫、必ず乗り越えていける。

そして42才の年には、とっても素敵なコミュニティに出会えるよ!

そこにいる人たちは、驚くほどあったかくて優しくて明るい前向きのオーラに包まれていてね、感動しちゃうんだ。

「あの日々の積み重ねがこんなところで役に立つんだ!あの頃の自分、ありがとう」って思える時が必ず来る。

歳を重ねるほど、そういう瞬間が増えてゆくよ。

どんなことも無駄にはならない。
すべてが繋がってる、繋がってゆく。

君の生きるここから30年、いろんなことがあるけれど、今の私は幸せです。
楽しみに待っていてね。


道が定まらなくて
途方に暮れるような
そんな未熟な時代に
そっとかけてもらった温かい言葉
差し出された手のぬくもりは
ずっとずっと忘れない



【アイキャッチ写真提供:七実さん

七実さんに提供いただいたこのお写真に写っている遊具。
私には地球に見えるのですが、本当は何という名前なんでしょう〜?(笑)

公園と緑と青空の素敵なお写真から、10歳の頃の私を思い出しました、というお話でした^^


【挿入写真提供:箱山康子さん

娘さんと夕日を見にドライブされたときのお写真とのこと。
素敵すぎて…何とも言葉になりません。
康子さん、ありがとうございました^^



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