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イースト MEET ウェスト

意味深なタイトルですが例のサムライウェスタンなアレではありません。まぁ読んでみてください。


イースト菌と和解せよ


私、色々料理はするわけで。
ほとんどのアマチュア料理好きが、料理を始めて少ししたらほぼ必ず通過する一点があります。

発酵

一口に発酵と言ってもベースになる菌は様々ありますが、今回触れるのは広く人類の歴史を支えてきた古来からの菌、イースト菌です。
お解りですね、そう、パンです。
日本人の主食と言えば大別して飯orパン。つまりそれほど身近でお手軽な食品なわけですが、いざ手作りするとなると白飯同様、そう易々と美味しいものはできません。

まずはこちらをご覧ください。

一見ではただのメロンパンですが、これ、発酵に失敗したのを無理くりリカバリしたやつです。
しかも結局使用したバニラオイルの期限が切れてて無闇に苦いビスケット生地が全てを台無しにしたという。あな口惜しや。


↑レシピに罪はないのです。単に私がしくじっただけ。『お湯が熱すぎるとイースト菌が死滅してしまう』と書いてあるのに600wレンチン1分弱のアチチな湯を使ったのがいけないのです。
さらに言えばヘルシー志向に引きずられて、ドライイーストと混ぜるべき砂糖をラカントに変更してしまったのもいけないのです。人間にはヘルシーな甘味料であって大いに結構ですが、イースト菌が発酵するには糖分が必要なのです。カロリーが十分でなければ、当然発酵も十分には行われません。
そんなわけで一次発酵の工程を経てもさっぱり膨らんでないパン種。原因に思い至った私はリカバリをせねばと、ぬるま湯にドライイーストと砂糖を溶かしたものをなるべく少量用意し(水分量が変わると生地がぐちゃぐちゃになるため)、生地に混ぜ込んで再度40分ほど発酵させることを試みました。結果としてこれは若干ながら効果を上げ、多少生地が膨らんだので、以降の工程へと進んだわけです。が、普通はこういう荒業などすべきではありません、素直にミスを認めて諦めましょう。

さて、迂闊により失敗してしまった以上、雪辱を果たさねばなりません。
失敗の原因を明確にし、具体的な対策を打ちだしてから、それを着実に実行する。
そうすれば、次こそは成功する道理です。

ポイントは

・イースト菌に加えるお湯は40℃以下の『ぬるま湯』であること
・イースト菌のエサとなる砂糖は甘味料で代用しないこと

これで発酵はうまくいくはずです。

さて、発酵前に、生地を捏ねる工程があります。
水分量はその日の気温と湿度、プロならば気圧にもこだわるでしょうが、そうした要素で変動します。なのでレシピに書かれている分量の最低値をまず加えて様子を見、足りなそうなら少しずつ加えるのが王道です。
その上で、適切な水分量で生地をまとめることができたとしても、必ず最初は手指にべっとりと貼り付きます。生地に加えた油分(今回はバター)が全体にしっかりとなじむまではくっつくものなので。
餅を作った事がある人はつい打ち粉をしたくなりますが、それはそれで生地の水分:粉のバランスが崩れます。己を信じ、いずれ生地が手から離れると信じて捏ねましょう。どうしても粘りつく時は手を振って台に叩き付けましょう。捏ねては叩き、捏ねては叩きしながら15分も格闘していれば、生地の表面は当初肌のお手入れをしていない人の顔面のようにデコボコしていたのが、艶やかに滑らかになり、あれだけべとついていたのがすんなりと離れるようになっているはずです。
そうしたら円く延ばしてから折りたたんでボール状にまとめ、閉じ口を下にして大きめのボウルに入れて、ぴっちりラップで密封して発酵です。一次発酵が成功すれば生地は約2倍に膨らむので、ボウルは必ず大きめのものを使いましょう。

一次発酵の後は生地を切り分け、丸めて、硬く絞った濡れ布巾をかけて10分ほど寝かせるベンチタイムです。
ベンチタイムが終了したら生地を円形に延ばし、加えたいトッピングを混ぜ込みます。
再度丸めて閉じ口を下にして、二次発酵。一次発酵ほどではないですが、ここでも2割ほど膨らみます。
ここまで終わってからようやくオーブンを予熱→焼きの工程となります。ですので家庭で手作りするパンというのはどうしても時間がかかります。ホームベーカリーをお持ちなら是非ご活用ください。


和解に成功


↑このレシピに、カシューナッツを加えて蜂蜜をかけたものが写真です。
切れ込みを入れて有塩バターを挟む工程は割愛しています。


MEET(肉)



肉と言いつつメインは米

前回の記事で肉味噌を作りましたが、その余りを使ったチャーハンです。
ちなみにですが、Twitter上でピエトロドレッシング公式アカウントが「ピエトロドレッシングを使ったチャーハン」を上げていたので、それを参考に作っています。
大雑把に言うと、ボウルに200gのご飯に玉ネギみじん切り適量と肉系の具材適量、そこにピエトロドレッシング大匙2を加えて良ーく混ぜてから中火で熱したフライパンに開けて(油などは不要)炒めて火を通せばパラパラチャーハンだよ、というものです。
今回は肉味噌とレタスと刻みネギを使いました。肉味噌が油を含んでるので、そのせいもあってか確かにベトついたりはせず、ある程度解れたチャーハンになりました。味も悪くなし(中華っぽい味ではないけど)。


これも肉より豆腐メイン

ヘルシースイーツの材料でおなじみの豆腐、しかしケーキとか一個焼いても豆腐は丸々一丁使う事などまずありません。結果、必然的に豆腐が余るわけですね。
そんなわけで作りました四川風麻婆豆腐です。

↑このレシピを参考に、しかし辛さは少し抑えようと豆板醤&甜面醤は半分に。ラー油は瓶に残ってたのが小匙1程度だったのでそれを全部。しかし最初にフライパンに敷く油は花椒油+姜葱醤に。小ネギないので刻みネギ、しかも最初から入れてるなど、そこそこアレンジしてます。挽肉も何となくで鶏肉だし。あと鶏ガラスープも味覇青で代用。
色々弄った割にはしっかり辛くてちゃんとうまいので成功でしょう。汗と白飯が止まらない。


ウェスト(腰)の肉を気にする


はい、大したネタではありませんでした。


見た目では正体が掴みづらい

豆腐とヨーグルトのヘルシーケーキです。

↑レシピはこちら。
食感のためによく混ぜて下さい、とありますが、よりこだわるなら下ごしらえとして、豆腐をキッチンペーパーで包んで重しをして冷蔵庫に入れ、水分をよく切る事。加えて、ヨーグルトも水分を切る(同じくキッチンペーパーに包んで少し絞ってから冷蔵庫)か、ギリシャヨーグルトを使うと、全体のかさは減るかもしれませんが、よりしっかりとした食感になるのではと思います。滑らかさを追求するなら豆腐は裏ごしするといいでしょう。
レシピ通りに作った場合、スフレチーズケーキのようなしっとり、じゅわっとした食感に仕上がりました。冷やすと少し締まってまた変わりそうです。


余談


私は出身が田舎で、一時期東京に居ましたが再び田舎に帰ってきて、長らくずっと田舎暮らしをしています。
田舎なので何をするにも車に乗ってある程度遠くまで行かなくては何もできない、近場にいい感じの店など無い──
そう思い込んでいたのですが、先日改めて検索してみると、意外なほどいい感じの飲食店が近所に点在している事を知りました。
そんなわけでともがら(30年来の親友)と共に、そうした店を折に触れて開拓していこうという流れとなり。


カルボナーラ

先日行ってきたのは、フレンチの店。
全く気付いていなかったのですが、この店、なんと私が時折退勤・帰宅時に通る経路にありました。店がフランスのトリコロールカラーを出しているもので、私は理髪店だとばかり思っていたのですが(的外れ)。

平日の昼下がり、ランチタイムの終わり際~カフェタイムの時間帯に訪れた私&ともがら。
店内は落ち着いたBGMが流れる中、数組の客が既に食事を終えかけて雑談に興じている、といった風情。
カウンターの奥に声を掛け、ランチメニューのラストオーダーは大丈夫ですか、と確認。快くOKいただいたので着席。
ランチメニューはA・B・Cセットの三種類。Aセットはカルボナーラ。Bセットは鶏肉のコンフィ。Cセットはエビフライがメインディッシュ。恐らくパスタ・肉・魚介で日替わりなのだと思われ。
私はエビが好きなのだけどある時からアレルギーで食べられなくなったため、気分でAセットを。ともがらはBセットを注文。
セットの内容はスープ・サラダ・ドリンク・デザート。Aセットには加えてパンが一つ。Bセットはパンorライスが選べるとの事。ともがら、ライス。
オーダーを終えて、待ち時間にざっくりとメニューに目を通す。コンフィやエビフライはお勧めらしく、ディナータイムには酒も提供している模様。ワインやビールもあった。

やがて、まずはスープが到着。じゃがいものポタージュ。冷製ではないのでヴィシソワーズではない。しかし舌触りは滑らか。仕事が雑ということはなさそう。
続いてサラダ。野菜はキャベツにレタス、玉ねぎにニンジンと、取り立てて変わったものはなし。ドレッシングは私の舌でわかる範囲だと、和風胡麻。マヨネーズ的なドロッとしたアレではなく、むしろノンオイルだったかも。
ここでドリンク、私はアイスティー、ともがらは烏龍茶。アイスティーは仄かにレモンの味がする(私レモンティーは苦手寄り)ものの、ほとんど気にならないのでよし。
私の分のパンを挟み(黒ゴマのセサミブレッドだった)、メインが到着。意外なほどデカい皿にカルボナーラ(目分量で100g以上)。ともがらの前にはいかにもフレンチといったソースで彩られた鶏の脚と野菜。そしてライス。
互いの料理に興味はあるが、シェアして食べるにはちょっと店の雰囲気が上品。まぁ私の意識過剰かもしれんけど。二人、黙々と食事。
二人が皿を平らげたタイミングで、食後のデザート、バニラアイス(ジェラートに近いかも)。変な香りづけとかトッピングとかなく、滑らか食感でバニラらしいバニラ。
満足のいくランチを終えてお会計。私の分、2000円払っておつりがくるのだから、十分に納得できる。ともがらも鶏肉が、皮目パリパリで柔らかくて美味かったと賛辞を述べていた。
総じて良いお店。時間帯によってはご近所のマダムがお子様連れでランチやカフェを楽しんでいて、元気なお子様がはしゃいでいるところに遭遇するかもしれないが、そのくらいで目くじらを立てるような人にフレンチを楽しむ資格は、だ。

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