また悪魔の話をしようか

前回の記事に望外の反応があったので味を占めてもう一回書く気になりました。
今回はもう少し的を絞った話ができればと思っていますが、すでにメガテンを語ると決めているにもかかわらずATLUS作品で世界樹の迷宮を挙げないのはどうよ?の気分もあり、このとっ散らかり具合が私って感じです。

まぁメガテンにしますね。

女神転生とは


小説がまずあって、それがゲーム化してファミコンで出たものです。
天才高校生プログラマー、ナカジマは悪魔召喚プログラムを完成させるが、召喚した悪魔ロキの反逆で現世に悪魔が出現する事態に。これを解決しようと不思議な力を持つ女生徒、ユミコと協力して立ち向かうというのが(ものすごく端折った)原作の大筋のような気がしてます(配慮)。
ゲームではナカジマとユミコが迷宮へ赴き、ロキはおろかルシファーまで討伐します。

この時点ではそこまで天使とかは出て来ず(舞台がルシファーが作った迷宮だからというのもありそうですが)、ミノタウロスやメデューサ、ヘカーテ、セトと、ギリシャやエジプトの魔物が目立ちます。
言及しておきたいのがケルベロス。有名ですね、ギリシャ神話における冥界、タルタロスの番犬である三つ首の怪物です。メガテンでは(原作小説から)首は一つのデザインです。でもって、小説でナカジマの相棒的な存在だったこともあり、メガテニスト(メガテンやペルソナのユーザーのうち、ある程度コアな部類)は特別な思い入れのある悪魔でもあります。

システムとして、後作の根幹となる悪魔会話(交渉)→仲魔→合体の流れはすでにありました。ただ、世に出たばかりということもあって粗削りであることは否めません(逆に言えば昨今の作品ではかなり洗練されている)。交渉は一部の種族の悪魔(地霊・魔獣・妖精など)としか行えず、会話らしい会話はまだありませんでした。仲魔に出来る種族が少ない=仲魔の種類が少ない=合体結果も被ってくる、です。合体がトライ&エラーなのは変わりませんが、当時と今とではその意味するところが異なる事は理解しておいてください(結果の確認のために組み合わせ総当たりするのと、毎回変わるスキル継承で当たりを引くまでやり直すの)。

続いて女神転生Ⅱ…

ですが、私こちらは単体版をプレイしたことがございません。旧約・女神転生というSFCでのⅠ・Ⅱセット商品がありまして、それで触った程度です。
クリアもしておりませんのでざっくりと申しますと、悪魔の数(種族数も)が大幅に増えました。天使、大天使(この頃はセラフかも?)も登場。
武器に銃(ガン)が追加され、防具も頭・銅・腕・足・装飾品に細分化。
マップも完全3Dダンジョンのみだった前作とは違い、2Dのフィールドと、3Dの町やダンジョンという広がりを得ました。
その他にも数多くの追加・改良点(一部はやはり粗削り)もあり、また物語が分岐(EDも)するのはこれが初出。

言及したい悪魔として、現在のATLUSの顔でもあるジャックフロスト(登場当初は今とは全く別物)と、物理反射の代名詞ランダとギリメカラは今作が初登場との事です。
ジャックフロストはイングランドの伝承に登場する霜の妖精で、寒さの具現化です。無邪気に笑顔で人を氷漬けにするそうな。
ランダはバリ島に伝わるヒンドゥー教における悪の象徴である魔女。善の象徴であるバロンと終わる事のない戦いを繰り広げているそうです。
ギリメカラは、ヒンドゥー教の神獣(象)アイラーヴァタがスリランカで悪堕ちさせられた(スリランカはインドと宗教的対立関係にあった歴史があるため)姿。アイラーヴァタはインドラの乗り物だが、ギリメカラはマーラ(仏教)の乗り物。その大きさは極めて巨大(身長800~1500㎞)。
インド(ヒンドゥー)の神話では、世界のよその神話にはないくらいスケールのでかいもの、話が割とよく出てきます。仏教だったかな、劫(コウ)って時間の単位がありますが、これは四十里(日本の1里とはまた別の長さ)×四十里の巨大な岩を、百年に一回羽衣でちょいっと撫でて、その岩が磨耗でなくなってもまだ足りないくらいの時間だそうです。インド人の比喩のスケールはすげえや。

閑話休題。
この後真・女神転生が出るまでには何やらあったようなのですが(今ちょうどメガテン30周年でその辺の歴史も調べやすくなっております)、省略しまして。
いよいよ現在にまで続くメガテンの系譜、その源流とも言える真がSFCで発売されます。

真・女神転生

物語は東京、吉祥寺から始まる。
主人公はある日奇妙な夢を見る。行く手をふさぐしゃべる壁。神に捧げられた魂や、力を求める魂との出会い。
母の声で目覚めたその時までは、確かにいつもの日常だったはず、しかし──
謎の人物““STEVEN““から配信された悪魔召喚プログラムを手に入れ、主人公は東京の、世界の破滅を乗り越える戦いに身を投じる事になる──

あらすじはこんな感じです。ハードウェアがSFCになったことで、いよいよ本格的な悪魔会話と合体システムが実装された感。Ⅱでは終盤でしか行えなかった三身合体も最初から(レベルは足りないでしょうが)できるし、剣合体も登場。悪魔の口調もより洗練され、通常では仲魔にはならないもののDARK悪魔とも会話が可能になるなど、目覚ましい進化を遂げたと言えるでしょう。
ストーリーは主人公の選択と行動で属性が変化、最終的に三つのEDへと分岐する形に。属性が大きく異なる悪魔は会話では仲魔にならなかったりCOMPで呼び出せなかったりと、属性はシステム的にも重要な要素です。攻略優先なら狙って変化させるでしょうが、あなたの主義主張に近いもの(あるいはそれに反する意見の逆)を選ぶのももちろん良いでしょう。

““メガテンの系譜““と前述しましたが、この「真1」から、ナンバリングタイトルが現在5まで。そして、「真・女神転生 デビルサマナー」という別系統のタイトルシリーズが生まれています。細かいことを言うとデビルチルドレンとかも1系統なのですが、未プレイにつき省略。要するに多数の派生が生まれたとだけ思ってください。それだけ傑作なのです。
ただ、国産RPG二大タイトルのドラクエやFFとは一線を画す、アングラでハードコアな(非日常によって日常が侵食されていく描写とか、ナンバリングタイトルの伝統となった東京が滅びる流れなど含む)テイストは、必ずしも万人受けするものでは当然なく。私の主観的にも、ストーリーの中でやけに難易度の高いダンジョンがあったり(セーブのタイミングでは最悪詰む)、ヒントがやや難解かもしれないところがあったり(ググれなかった当時は根性が違ったなぁ)しました。
しかしながらやり方(システムの穴とかゲームバランスのガバではない、とする)次第で対応は可能であり、だからこその傑作だと思います。


さて、真・女神転生からは多数の作品が生まれましたので、次に触れるものも少し考える必要があります。
ですので、今回はここで一旦切り上げます。
ご静聴ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?